軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

食文化

薬草畑。

俺は神様から貰った【健康な肉体】で病気知らずだったので気付かなかったが、薬草は色々と村人に使われていた。

ルーやティア、フローラが研究で使うぐらいにしか考えていなかったが、必要な時に必要な薬草を見つけるのは大変らしい。

その話を聞き、薬草畑を作ることにした。

ハイエルフたちに頼み、サンプルになる薬草をできるだけ根ごと持ってきてもらう。

薬になる樹木もあるらしいが、それは一度見つければ良いので後回し。

三十種類。

薬草の種類は思った以上に多かった。

効果がそれぞれにあるんだから、そりゃそうか。

とりあえず、現物を見ながら【万能農具】で畑を作っていく。

場所は畑の東側。

畑四×四面ぐらいで作る。

上手くいけば、さらに拡張しよう。

ルーたちの話では、薬草は高額で取引されるから、マイケルさんが買い取ってくれるかもしれない。

薬なのだから、多少の値崩れは気にしないでおこう。

……

薬草の一部に見覚えがあった。

刑事ドラマとかで出てくる危ないヤツだ。

えっと……これを育てるのは倫理的にどうなのだろうか。

「使い方次第だから。

結構、重要な薬草だから」

厳重に管理することを条件に、育てた。

ドワーフの酒造りは順調だ。

時々、新しい酒が食卓に出てくるから。

と言っても出てくる酒の種類は三種類。

ワイン、ビール、蒸留酒。

原材料を変えて色々とチャレンジしているようだ。

一応、俺のうろ覚え知識で米から酒を造る方法を伝えておいた。

酒麹は醤油や味噌の研究をしてた経験から【万能農具】で育てた。

数年後にでも成果が出ればと思っていたが、あっと言う間にそれっぽい物を作っていた。

味はまだまだらしいが、期待しよう。

ちなみに、またドワーフの数が増えていた。

酒に集まる習性でもあるのだろうか。

現在、ドワーフの数は八人。

牛乳が確保できるようになった後から、チーズとバターを作り始めた。

バターは体力が必要なだけで比較的簡単だが、チーズはミルクを固める酵素が必要となる。

子牛の胃から取れるのだが……

そんな真似はできない。

子牛、可愛い。

子牛をチーズのために潰すなんてできない。

ちなみに、牛や鶏の数は順調に増えているが、 未(いま) だに食べてない。

くっ。

俺には酪農家は厳しいようだ。

頼りになるのは【万能農具】だろう。

シャモジの形にしてミルクを混ぜながらミルクを固める酵素を願った。

それが昨年のこと。

現在、目の前にはチーズが並んでいる。

ありがとう【万能農具】

大樹の社に、完成したチーズとお酒を供えておく。

大豆を水に浸す。

丸一日ぐらい。

水に浸した大豆を水から取り出し潰す。

潰した大豆を煮る。

煮た大豆を搾る。

搾って出た液体をさらに煮る。

海水を煮詰めて塩を取り除いた水を加える。

なんか固まってくるので型に入れる。

豆腐!

途中、搾って残ったのがオカラ!

「味が……しませんけど?」

「食感だけだからな。

シャシャートの街で手に入れた調味料を使って、食べてみよう」

醤油の開発が待ち遠しい。

魚の身をほぐした物をすり潰す。

すり潰した身を裏漉しする。

塩を加えて練り続ける。

粘りが出たら形を整え、一時間ぐらい放置。

茹でた後、冷却。

カマボコの完成!

色がイマイチだが、味は良い。

「裏漉しとは?」

「目の細かい布で漉すことだ。

余計な物を取り除き、食感を整えるための一手間かな。

布はザブトンに作ってもらった」

トウガラシ、シナモン、クローブ、ナツメグ、カルダモン、クミン、ローリエなどのカレー用の作物がそれなりに揃ったのでカレーに挑戦。

分量なんかはよく判らないので、適当に砕いて粉にして混ぜる。

匂いと色で調整。

それっぽい粉ができる。

……

若干の不安があるが、チャレンジ。

結果。

カレーっぽいスープが完成。

もう少し、カレーに寄せたい。

しかし、こんなカレーでも村人からの評判が良い。

「ピリッとした感じが病み付きになります」

「配分で味が変わるのね。

研究したい」

「匂いでお腹が空く」

一ヶ月に二~三回出るメニューになった。

お菓子作りに寒天は欠かせない。

天草っぽい海草をマイケルさんに伝え、手に入れてもらっている。

洗って乾燥を何度か繰り返し、酢を加えて煮て出た汁を冷やせば寒天の完成。

手間は掛かるが手順は簡単。

完成した寒天を利用して……果物を加えてシンプルにゼリー。

果実の種類だけ、色々なゼリーができた。

ゼリーの食感は受け入れられ、食後にデザートとして出し続けたのであっと言う間に天草の在庫が無くなり、またマイケルさんに頼んでおく。

色々な料理を作っているが、基本は作物や狩りの獲物を煮た物や焼いた物が食卓に並ぶ。

以前はそのまま煮たり焼いたりだったのだが、俺の指導によって下味を付けること、火力を調整すること、余熱で調理することを覚えた鬼人族の料理はかなり美味しい。

特に肉が良い。

見事なローストビーフ……ビーフではなく、猪だからローストボアが出される。

添えられたソースも色々と研究している。

最近はワサビでのソース作りに熱心だ。

村のローストボアは、ドライムも来る度に要望する人気メニューだ。

パン用の窯を新しく作り、パンの量産と種類を増やす研究を行い始めた。

これは鬼人族だけでなく、ハイエルフたちも熱心に行った。

結果、二次醗酵を行う様になった。

俺も完全に忘れていたが、パンは生地を作った後の一次醗酵、形を作った後の二次醗酵が大事だった。

二次醗酵させることによって大きい形、つまりは食パンの形が可能となった。

良いことだ。

同時に、生地に何かを埋めて一緒に焼くのが流行。

菓子パンっぽい物が色々とできる。

砂糖とかが潤沢にあるからなぁ。

その横で、俺はピザを焼いた。

チーズができたのだから、ピザが食べたい。

オヤツ用と思って焼いたが、周囲に居た者に食べられてしまった。

ピザが流行した。

うん、食事が豊かになるのは良いことだ。

色々と頑張ろうという気になる。

だからだろうか。

ティアが妊娠した。