軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

獣人族の男の子の学園生活 七日目?

学園には、僕たち以外の生徒も当然いる。

ただ、生徒ごとに受ける授業が違うので、なかなか交流を深めることができない。

僕たちみたいに同じ授業を受けている方が珍しいらしい。

じゃあ、生徒同士の交流はないのかというと、そうでもない。

数人から数十人でグループを作り、何かしらの活動を行っている。

それをクラブという。

クラブに所属するしないは自由だ。

一人で何十のクラブに掛け持ちで所属する生徒もいれば、そういった活動に一切の興味を持たない生徒もいる。

しかし、活動に興味がなくとも、生徒は貴族関係者。

付き合いというものがある。

親の立場で、所属することを断れない人もいるらしい。

なので、クラブに所属するしないは自由だが、実質は生徒は何かしらのクラブに所属しているらしい。

僕たちは所属していないけどね。

興味がないわけじゃない。

クラブ活動に興味はあるけど、当面は家作りが忙しいので遠慮したいだけだ。

正直、テント暮らしなのにお茶会だなんだと誘われても困る。

まずは住居。

そこが大事。

まあ、寮から飛び出したのは僕たちだけど。

うん、短絡的だったと反省している。

勧誘してくれた先輩たちも、家作りが忙しいと言うと納得して引き下がってくれたのは助かった。

なんでも、所属する生徒の数や実家の力で、学園内のクラブ序列が変動するので、クラブ勧誘はなかなか激しいらしい。

そういうのに巻き込まれるのは避けたい。

「風呂場が完成したぞ」

シールが、満足そうな顔で報告に来た。

風呂場は着替える場所、身体を洗う場所、湯船もちゃんと分けている。

壁もカーテンではなく、木の板。

窓もある。

村のお風呂に比べれば小さいけど、大人が二人は一緒に入れる立派な風呂場だ。

風呂場の床には水が下に溜まらずに外に流れ出る工夫をしている。

排水は、定められた下水へと誘導。

「これで、水路が出来たらもっと楽なんだけどな」

共用の井戸から水路を引く計画を考えたけど、学園の事務から止められた。

水路の一部が共用の通りを横断するからだ。

また、異物が混入しやすくなる為、水路はできれば諦めて欲しいと言われた。

残念。

まあ、水汲みは面倒だけど、魔法があるので大変じゃない。

魔法で水を固定して持ち上げ、移動させるだけだ。

僕たちは三人いるし、誰か一人が一日に一回やれば足りるだろう。

ちゃんと順番を決めておかないとな。

とりあえず、これでトイレと風呂場が完成。

トイレは二日前に完成した。

テントを使った簡易なトイレではなく、ちゃんとしたトイレ小屋。

村長に自慢できる出来だと思う。

頑張った。

だけど、家の方が全然進んでいない。

優先順位を間違えたかな?

いや、テント生活で十分だから焦っていないのだ。

天気もいいし。

でも、雨が降るかもって考えたら、早くなんとかしたい。

とりあえず、急な雨に対応できるように雨避けに布を張ろうか。

僕の提案に、シールの傍にいる四人ぐらいの生徒が頷く。

全員、明らかに僕たちより年上だ。

男の先輩が二人と、女の先輩が二人。

北の森で魔物に襲われているところを助けたことが切っ掛けで知り合った。

一応、北の森は学園の敷地内だけど、そこにいる魔物は襲ってくる。

生徒が北の森に入る前には、必ず学園に報告して自己責任の宣言をしないといけないぐらいだ。

それを知らなかった僕たちは、森の手前で警備している衛士に追い返される悔しい思いをした。

そういうことは先に言って欲しい。

話を戻して、知り合った四人は助けてもらったお礼と言って、授業のない時間にやってきては僕たちの家作りに協力してくれている。

風呂場の完成が早かったのは、そのお陰だ。

まあ、この学園に通う生徒なので貴族関係者。

細かな大工仕事ができるわけもなく、主に荷運びや力仕事がメインだったけど。

それでも、人の手の助けがあるのはありがたい。

布の端を縛った四本のポールを立ててロープで固定。

現在の僕たちの住居であるテントの出入り口から出ると、すぐに布の下になるようにした。

これで雨が降っても大丈夫。

先輩がた、片側にちょっと傾いているのは、雨を中央に溜めないためだからそれで問題なし。

直さなくていいよ。

「それじゃあ、少し早いけど夕食にしようか」

僕の宣言に、シールより先に先輩四人が歓声をあげる。

そんなにお腹が空いていたのかな?

それにしては力強いけど。

「そうだ、シール。

悪いけどブロンを呼んで来てもらえるかな」

「ん?

そういや姿が見えなかったな。

サボりか?」

「学園の事務所だよ。

事務のお姉さんから、外部から人を雇用する件の最終確認」

学園の一軒家では、生活を助けてくれる人を雇うのが一般的。

生徒が授業を受けている間の家の防犯のことを考えれば、できるだけ雇って欲しいそうだ。

ただ、好きに雇えるけど、学園内に連れ込めるかどうかは別なので、学園側の要項を確認しに行ってもらっている。

実のところ、その辺りを心配した事務のお姉さんが確認に来なさいと教えてくれた。

ん?

言っていたらブロンが帰って来たけど……人数が多いな。

ブロンの後ろに、二人の女性……制服を着ているから生徒だな。

ブロンに聞くと、事務所から戻ってくるところで、熱心なクラブ勧誘に困っていた二人を助けたそうだ。

それは良いことをしたな。

しかし、どうして連れて来たんだ?

寮か家か知らないけど、送ってやればよかったのに。

僕の質問に、ブロンが二人の女生徒に視線を送る。

「生徒にあるまじく、土にまみれていると聞きました。

助けてもらったとはいえ、一言、注意せねばと思いまして」

訳)楽しそうなことをしてるって聞いたの。

仲間に入れて。

「学園の生徒として、注意は当然です」

訳)貴方たちも今年入学でしょ?

私たちもなの。

仲良くしましょうよ。

なるほど。

では……えっと……

「ふっ、面倒なことを。

無様をさらすことになるぞ」

訳)構わないけど、大変だよ。

大丈夫?

僕の返事に、女生徒二人は不敵な笑みを浮かべてこう答えた。

「生意気な」

訳)オールオッケー。

夕食、二人分追加になった。

食べて行くのはかまわないけど、寮で寝ているなら加減しないと後で困るぞ。

家作りを手伝ってくれる四人は、根性で両方食べてるらしい。

あ、二人は寮じゃなく家なんだ。

ご近所?

……すぐそこだね。

少し前から、僕たちのことが気になっていたと。

そうなんだ。

声を掛けてくれたら、よかったのに。

あと、そんなに急いで食べなくても大丈夫だよ。

量はあるから。

ちなみに、出来立ての風呂場は、建設を手伝ってくれた四人の先輩が二人ずつ順番に利用。

もちろん、女性ペア、男性ぺアで。

その後、僕たちの番かと思ったけど……

ブロンが連れて来た女生徒二人が見ている。

ジッと見ている。

これは断れないよね。

僕はシールとブロンに確認した後、二人に順番を譲った。

先に入った先輩たちの様子を見てなかったのかな。

結構、外に声が通るから、生々しいことを言わないように。

胸のサイズがどうとか……その、困る。