軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

畑を拡張

食い扶持が増えたので、畑を拡張することにした。

水路の完成が遠のく。

ぶっちゃけ食べるだけなら現状でも十分やっていけるのだが、冬のことを考えると今から色々と考えておきたい。

それに、出産が近くなれば食事量も増えるだろう。

初めて出会ったクロとユキは、二匹で大きな猪のほとんどを食べた。

用意しておくに越したことはない。

現状の畑の南側に、犬エリアと同じ、畑四面×四面の十六面の大きさで畑を作った。

ここは新畑エリアと名付けよう。

作業的には俺は最初に畑を作れば、後は定期的に畝の間をクワで耕したり、水をやったりとの作業になる。

鳥や害虫退治には、ザブトンの子供たちが活躍してくれる。

そうそう、ザブトンの子供たちとクロイチたちのパートナーたちは仲良くやっている。

アリスの背にザブトンの子供が数匹乗っているのを見た時は驚いた。

アリスがザブトンの子供たちの移動を手伝っていたらしい。

一瞬、アリスが食べられているのかと思ったのは秘密だ。

これまでの畑のあった場所も、そのまま畑として活用する。

ただ、こちらの畑は主に俺の実験用だ。

明確なイメージをせずに耕しても、何かが育つのか?

耕した場所に、種や苗を植えた場合はどうなるのか?

実験したいことはそれなりにある。

新畑エリアで、これまでの作物を作っていく。

果実系の木はまだ実をつけていないが、花を咲かせるようになった。

今年は無理でも来年ぐらいは期待できるかもしれない。

ザブトンの子らは収穫の手伝いもしてくれた。

根元から刈り取らなければ駄目なものや、引っこ抜かなければいけない根野菜は無理だが、トマトやナスビ、キュウリなどはキッチリと収穫してくれる。

しかも、俺が用意した箱やお盆の上に置く所までやってくれるのだ。

時々、盗み食いをしているのを見逃すぐらいにはありがたい。

ザブトンの子らが収穫の手伝いをしているのを見て、クロたちも手伝おうとしてくれたが……

口しか使えないので上手く収穫できず、しかも大半を食べてしまう感じだった。

その後、諦めて堂々と食べていた。

もちろん、怒った。

怒られたクロたちの反省する様子は、少し面白かった。

水路作りが進まない。

まあ、犬エリアや新畑エリアを作ったので時間を取られた所為だが、それに加えてユキたちの出産が近くなった事が原因だ。

ユキたちのお腹が目立つようになると、流石に女性陣は狩りなどを控えるようになった。

代わりに男性陣が頑張って狩りをするのだが、予想通りに出産を控えた女性陣の食欲は旺盛だった。

狩っても狩っても追いつかない。

ザブトンのもとに大量の毛皮が行く事態になり、俺の寝床の床の一部は毛皮敷きだ。

ともかく、狩った獲物の処理に時間を取られるようになった。

クロたちも、本来はそのまま食べていたのだろうが、血抜き処理などをした味に慣れてしまったのか俺に処理を求めてくる。

お腹の大きい女性陣の懇願するような顔をみせられると、拒否などできるワケもない。

俺は職人のように、男性陣の狩ってきた獲物の処理を行った。

出産ラッシュがやってきた。

最初はエリスだった。

無事に四匹の子を産み、良かったと思ったらアリスが出産を開始。

そして、クロサン、ユキ、イリスが揃って出産を開始し、一気に賑やかになった。

これまで、食事は俺の寝床の周囲で行われていたが、ユキは最初の犬小屋で、その他は犬エリアの自分の小屋で出産と場所が違ったため、しばらくは合流ができなくなった。

なので、俺は二箇所で食事の用意をすることに。

クロたちは、生肉よりは火を入れた肉の方を好む。

意外だ。

生肉を貪るイメージがあるのだが……

というか、最初に会った時、猪の肉に貪りついていたよなぁ。

子供が産まれたので気が引き締まったのか、ウノが凛々しく見え始めた。

気のせいかと思っていたら、なんとあの巨大な猪を単独で狩った。

凄い。

狩ったはいいが、運べなくて俺を呼びに来たのは、少し面白かった。

気分転換に川に釣りに行った。

魚が食べたかったからだ。

そこでとある事実に気付いた。

【万能農具】は釣竿に形を変えることができなかった。

どうしてだろう。

ひょっとして管轄とかあるのかな?

釣竿は【万能漁具】じゃないと駄目とか。

喋れるワケではないが、【万能農具】が申し訳なさそうにしている気がしたので、気にするなと声を掛けておいた。

これまで十分に助けてもらっているのだ。

それぐらいで文句を言ったりはしない。

それに、釣竿は駄目だったが、クワやシャベルで魚を捕る仕掛けを作ることはできる。

何も問題は無い。

……

仕掛けに魚が一切、掛からなかったこと以外は。

敗因は、魚が想定外にアクティブなことだ。

異世界の魚は、水の無い場所に打ち上げられた程度で諦めないらしい。

男前だが、俺の中の常識の魚との違いに、少し困惑する。

あと、牙を持った魚もいた。

ちょっと怖い。

数日後、仕掛けを改良して三十センチクラスの魚を数匹確保した。

さっそく味わってみたが、不味かった。

泥臭いというべきか。

魚を捕まえた時、クロたちがまったく興味を示さなかったのでおかしいとは思ったのだけど……

むう、残念。