軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

ワイバーン戦

ワイバーンの群れは、まだお休み中みたいだから、なるべく基地キャンプから遠い所で討伐しようと急ぐ。

私は、先頭を飛ぶゲイツ様とサリンジャー様の間でパーシバルと一緒に飛んでいる。

パーシバルは守護の盾を装備しているけど、飛ぶ時は邪魔にならないように背中にまわしている。

今回は、ワイバーン戦の為に配置は予め決まっている。半円形の陣で、ゲイツ様、私とパーシバル、サリンジャーさんが前衛。後ろには、王宮魔法使いの三人と騎士達三人が組んで配置されている。

アルーシュ王子とザッシュは、遊撃隊扱いだ。

かなりワイバーンが寝ている岩山に近づいてきた。ドキドキが止まらない。

「ペイシェンス、貴女が作った盾で護りますから!」

パーシバルが一緒にいてくれて良かった。

「油断しているワイバーンを各自一頭は討伐して欲しいですね!」

ワイバーンって、他の魔物なんか雑魚扱いだから、かなり近づいても呑気に寝ている。

遠隔攻撃ができる魔法使い六人が先ずは一番効果がありそうな魔法を六頭のワイバーンに撃ち込む。

これがワイバーン戦の開始になった。

私は、首を狙って「レーザービーム!」でなんとか一頭を討伐できたけど、横のゲイツ様は寝ているうちがチャンスと思ったのか、氷のランスでワイバーンの首を三頭も貫いていた。

サリンジャーさんも一頭、そして後ろの王宮魔法使い達もそれぞれ一頭。

つまり、初手で八頭のワイバーンを討伐できたのだ。でも、まだ十六頭もいるし、目覚めて飛びたとうとしている。

「飛び立つ前に!」とゲイツ様の命ずる声に応えて、もう一度、私は「レーザービーム!」でなんとか一頭!

サリンジャーさんも一頭! ゲイツ様は、二頭討伐している。後ろの王宮魔法使い達は、三人で一頭!

残りの十一頭が飛び立ってしまう! そこに遊撃隊扱いのアルーシュ王子とザッシュが切り込んで、二頭討伐して、サッと飛んで後ろに戻る。

「九頭なら楽勝でしょう!」とゲイツ様は余裕だけど、そこからはかなり激戦になった。

ワイバーンって飛ぶのが本業だからね! それに魔法で攻撃してくるのを避けながらだもの。

「魔法攻撃は、バリアで! 直接攻撃は騎士に任せなさい!」

後ろの王宮魔法使い達にゲイツ様は指揮して、本格的なワイバーン戦に雪崩れ込んだ。

私は、パーシバルの盾で、ワイバーンの風の刃から護られている。

「なるべく後ろに行かせないように!」

ゲイツ様は、後ろの王宮魔法使い達では、空中戦は不利だと考えているみたい。

アルーシュ王子とザッシュは、接近して攻撃しては、パッと後ろに退く戦い方で、後ろを取られないように牽制してくれている。

私や王宮魔法使い達もバンバン魔法を撃っているけど、空中のワイバーンは避けるのも上手い。

レーザービームのスピードを上げるか、追撃システムにしないとヒラリと避けられてしまう。

「追撃レーザービーム!」

できるかどうか分からないけど、映画の戦闘機の闘いのシーンをイメージして、レーザービームに追撃システムを搭載させる。

ヒラリと私のレーザービームを交わしたワイバーンだったけど、後ろから追撃システムのレーザービームで羽根をやられて雪の中に落ちた。

「ペイシェンス様、それは良いアイデアですね! 下に落としたワイバーンは後で討伐しましょう!」

ゲイツ様は、一目で追撃システムを理解したのか、自分の魔法にも応用している。

この魔法の欠点は、急所の首を狙って外したら、そこにまた命中するほどの精度がないことなんだけど、どこかには当たる。

運良く羽根に当たれば、地上に落ちてくれるが、尻とかだと怒りを増大させちゃうんだよね。

怒り狂ったワイバーンの風の刃をパーシバルは、守護の盾で防いでくれる。

後ろに飛んでいく風の刃は、騎士達が盾で防いだり、剣で撃ち落とす。

私が尻に当てて怒らせたワイバーンをサリンジャーさんが討伐してくれて、少しホッとした。空中にいるワイバーンが減って六頭!

「ペイシェンス様、兎に角、バンバン攻撃しましょう!」

追撃システムで尻に当てて怒らせようと、他の人が討伐してくれるし、平静さを失うのは良いみたい。

「パーシー様、お願いしておきます!」

ワイバーンって怒ると、風の刃をバンバン飛ばしてくるからね。

「ええ!」とパーシバルも私がこれから追撃システムのレーザービームを連発するのがわかったみたいで、笑って頷く。

ゲイツ様は、追撃システムの魔法とより早く急所の首を狙う魔法を組み合わせて攻撃している。

私は、追撃システムのレーザービームを連発して、うまく羽根に当たる場合もあれば、胴体に当たって怒らせる時もあった。

怒らせるとワイバーンは、風の刃を飛ばしまくるけど、防衛には注意が向かなくなるから、サリンジャーさんや王宮魔法使い達が討伐しやすくなる。

「地上に落ちたワイバーンは、騎士達とアルーシュ王子達に任せましょう」

空にはワイバーンの姿はない。地上には、羽根を撃たれたワイバーンが三頭!

王宮魔法使い達の護衛に徹していた騎士達が勢い込んでワイバーンを討伐している。

「パーシバルも一緒に討伐したら良いですよ」

ゲイツ様に言われて、パーシバルも参戦!

魔法使い組は、魔力も使い果たし、お疲れモード。

「ゲイツ様、サリンジャー様、他の方もどうぞ」

ポシェットからチョコレートバーを出して差し出す。

「ペイシェンス様、他の奴なんかにあげなくても! まだチョコレートバーが残っていたのですね!」

相変わらずゲイツ様の部下への扱いは酷いけど、サリンジャーさんが受け取って配ってくれた。

私は、ポシェットから柚子茶が入った保温瓶を出して一服。

そのくらい騎士達の戦いは、余裕をもって見ていられるからね。それに、守護のマントは、風の刃を通さない。

ゲイツ様は、チョコレートバーを食べ終わると「素材をなるべく傷つけないように!」と一声叫んだ。

サリンジャーさんと王宮魔法使い達は、空で撃墜させたワイバーンと、寝ている時に討伐したワイバーンを風の魔法で一箇所に集めている。

「ええっと、最初に言った通り……飛行隊のメンバーに一頭ずつ。残りの十二頭は……一応、陛下に一頭は献上して……」

ゲイツ様は、ワイバーンの肉の配分先をあれこれ考えているみたい。

そして、やっとワイバーンの討伐完了! ゲイツ様的には、素材がかなり傷ついていると不満だったみたいだけど、一番傷が多いのは、基地キャンプで食べる事にした。

「まぁ、これでワイバーンに怯えていた学生達もホッとするでしょう!」

それは良いんだけど、凧揚げの凧みたいに後ろにワイバーンを飛ばしながら基地に馬で帰るのって、なんだかなぁ。

ただ、これから銀ちゃんがスレイプニルを連れてくるんだよね。それに怯えた魔物達が暴走しそうでさぁ。

「今夜は、ワイバーンステーキですね!」

まぁ、ゲイツ様じゃないけど、先のことを考えてグジグジ悩むより、今夜のワイバーンステーキに一番合うソースを考えた方が良いのかも。