軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

領地での生活!

其々の荷物を侍女や従僕達が部屋に運んで片付けている間、応接室でお茶を飲む。

「ここは、こんな館だったかなぁ? グレンジャー館は、完全に改修してあるのが分かったが、ハープシャー館は通り過ぎただけだから」

父親は、若い頃に友達の館に招待されたと言っていた。その時に見たんだね。

私たちは、旅の疲れを癒していたけど、使用人達は大変そうだった。

執事見習いのハーパーが「部屋のご用意ができました」と告げたので、其々の部屋に行く。

「お嬢様、お疲れでしょう!」

途中で 馬の王(メアラス) にパーシバルと乗ったりしたけど、ほとんどは馬車の移動だったから、然程は疲れていない。

「メアリーは、お嬢様のままで助かるわ」

ハープシャー子爵だなんて、私じゃないみたい。

「それは、私はお嬢様が赤ちゃんの時からお仕えしていたのですから、パーシバル様と結婚なさるまでお嬢様とお呼びします」

ふうん、メアリーは昔気質なのかもね。

「それより、旅の埃を落として、管理人さんと話をしなくてはいけないのでは?」

そうなんだよね! サッとお風呂に入ってドレスを着替える。

書斎というか仕事部屋、父親が籠っているイメージしかなかったけど、ハープシャー館のはもっと広い。

それに机も立派で、領主らしさを感じる。

部屋には、応接セットも置いてあるので、そこでモンテス氏の報告を受ける。

「牧場と養鶏場も作ったのね!」

仕事早いなぁ! と感心する。

「あのう、ザッカーマン教授に注意されたのですが、検地をしないといけないみたいなのだけど……」

これは、全く知らなかったからね。でも、モンテス氏は、書類を私に見せる。

「何人かは、小作地を勝手に広げていました。でも、現在の領地は人手不足です。その分、徴収課税を取って、見逃しても良い程度ですね」

書類を見たけど、せいぜい自分の畑の横を耕している程度だ。

「でも、いつかは土地が足りなくなるのでは?」

そんな心配をモンテス氏に笑われた。

「そうなって欲しいです! 少なくとも、これから自立する次男や三男が領地から出て行かないように、水路と土地の改良をしなくてはいけません」

ふぅ、本当なら、この夏休みはこの件にあたりたかったのだ。

「それは、お任せして良いかしら? 水路は、ライトマン教授や学生達が数日後にはグレンジャー館に来られるわ」

モンテス氏は、ライトマン教授や学生達とは、顔見知りだから、笑顔で頷く。

「それはありがたいです! 彼らの手助けがあれば、水路の完備も農地改革も捗ります」

それとこれも伝えておかなきゃ!

「ゲイツ様が二週間後に来られるわ。それまで、魔法クラブのルーシー様とアイラ様にも水路の整備や農地の改革を手伝ってもらう予定なの」

モンテス氏は、少し困った顔をする。

「王立学園の女学生を、ロマノ大学の男子学生と一緒に働かせても良いのでしょうか?」

あっ、つい前世の感覚で考えていた。

「そうね、その時は私も立ち会うことにするわ」

ルーシーやアイラの保護者にも、顔向けが出来ないことはできない。

モンテス氏がホッと息を吐いた。ルーシーは王宮魔法使いの娘だし、アイラは土地持ちの騎士の孫娘だ。

こんな場合、厳密に言うと本人は貴族ではないが、やはり令嬢として扱う必要があるみたい。

「それと、騎士クラブのジェニー様とリンダ様は、サリエス卿やユージーヌ卿が来られるまで、パトロールや領兵の指導をしてもらうつもりよ」

こちらは、本人達が攻撃力もあるし、従者もいるから、モンテス氏は了解した。

「あっ、それと騎士はノースコート伯爵家から一人、バーンズ公爵家から二人、譲って貰えることになったわ。騎士とは、パーシー様と一緒に面談する予定です」

文官だったモンテス氏は、それで良いでしょうと頷く。

もう一つ、言い出しにくいけど言わないとね!

「バーンズ公爵家から、管理人見習いが来るのだけど、大丈夫かしら?」

騎士は、土地が欲しいとかの理由があるから、モンテスは頷いていたが、管理人助手と聞いて、少し驚く。

「バーンズ公爵は、とてもペイシェンス様に親切ですね」

ふぅ、そうなんだよね。これも事情を説明しておかなきゃね。

「実は、南の大陸で竜の繁殖期になっているみたいなの。それも、この数百年なかった規模で……」

モンテス氏も「竜が来るのですか!」と真っ青になった。

「落ち着いて! 竜が北の大陸まで飛来するかはわからないわ。でも、備えておかなきゃいけないの」

ふむ、ふむ、と真剣な顔のモンテス氏だ。かなり言い難い。

「王宮魔法師のゲイツ様は竜を討伐する自信があるそうです」

モンテス氏がホッと息を吐く。

「彼の方の言動を見ると、本当に王宮魔法師なのかと疑問も湧く時がありますが、流石です!」

だよね! 能力的には問題ないんだよ。

「夏休み、陛下が夏の離宮に行かれている間は、王都で留守を護っておられますが、陛下が王都に戻られたら、ゲイツ様はこちらに来られます」

モンテス氏は、海産物とエバの料理目当てだろうと、微笑む。

「それで、そこからは、ルーシー様やアイラ様の指導と共に、私も魔法の修業をしなくてはいけないみたい」

「領地を拝領したばかりで、やる事が山積みですよ?」

そうなんだよね!

「だから、バーンズ公爵が管理人見習いや騎士を譲って下さるのです」

モンテス氏は、少し考えて、ハッとした。

「もしかして、ハープシャー子爵も竜の討伐をされるのですか?」

まぁ、子爵に陞爵されたのも、冬の魔物討伐で 雪狼(ニックスルプス) を多く討伐し、 馬の王(メアラス) やスレイプニルを捕獲したからだもんね。

モンテス氏は「そう言うわけで、バーンズ公爵が管理体制を整えようと手助けしてくださるのですね」と納得している。

「私は、竜の討伐なんて、怖いから、北の大陸に飛来しないのを祈っているわ」

それは、モンテス氏も同感みたいで、力強く頷いた。

後は、モラン伯爵領の使用人、ゲイツ侯爵家の使用人について話し合って、一旦は話し合いを終える。

味噌や醤油、メロンやスイカ、それに魚の干物、色々とやる事がある。

ゲイツ様が来られるまでの二週間、ここが一番自由に使える時間があるから、明日から頑張るよ!