軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

七裂島魔王伝説殺人事件ファイルツヴァイト

「はは! さー! 楽園の始まりだー!」

とばかりにタクトを中心とした豚共の肉欲の醜い宴が始まって行ったのですぞ。

もちろん、タクトは気分次第で豚と真昼間からやらかし始めていましたぞ。

性欲の化身ですな。

過去の俺を見ているかのようで気持ちが悪いですが、さすがの俺もここまで節操無しに手は出しておりません。

そうですな……タクトの豚への宴は豚王とどことなく重なりますな。

確か遠縁でしたな。

ライバル曰くトロフィーワイフでしたかな? その様な豚の扱いと言う事でしょう。

執着と言いますか真剣に豚への愛がある様に感じませんぞ。

自分が気持ち良ければ良いと言う様な感じと、男の目線で感じました。

まあ良いですぞ……タクト達はこれから始まるのが恐ろしい宴である事など、微塵も思っていないでしょう。

その顔を恐怖に歪ませるのが俺の目的ですからな!

ちなみにこの島はドラゴンとグリフィン、そして狐が張った魔法結界によって守られているとかで外界とは隔絶した状態になっているとの話ですぞ。

そして……遠くの空にはライバルが魔法で作り出した嵐が徐々に勢力を上げて近づいているのでしたな。

「ブヒ! ブヒブヒ」

お? 島の植物園には……ミスティラを騙していた豚と子豚が居ますな。

ふふふ、同志ミスティラを俺は忘れておりませんぞ。

またこの豚を惨たらしく始末する所に立ち合わせて上げましょう。

そうする事でミスティラは前に進む事が出来るのですぞ。

復讐は復讐を……なんぞ知った事ではないですな。

この世の害悪が世の中から消えるのだから良い事なのですぞ。

「ブ、ブ、ブヒー!」

そうして宴は始まり……タクトと豚の醜い肉欲の宴が真昼間から行われておりました。

やがて……ライバルが呼び寄せた嵐が島を覆い隠した夜の事ですぞ。

嵐が吹き荒れるセブン島、タクトの建てた豪邸の一つ。

ライバルが乗り移ったドラゴンが徐に狐とグリフィン、他4名を連れてノコノコとやってきました。

「レールディア、タクトへの内緒の催しを行うとの話じゃが何なのじゃ?」

「そうよ。一体何を考えてるのか話だけでも聞こうじゃないの」

「ブヒー」

「ブブヒー」

「ブー」

「ブブー」

お? シルドフリーデンの代表をしていた豚も混じっていますな。

ライバルの奴め、良い感じに集めておりますぞ。

「それよりこんな嵐が来るなんて聞いていないのじゃ」

「風に魔力が籠ってるし、結界が変に作用してるって所かしらね」

「いい加減、レールディア。お前が嵐を晴らすのじゃ!」

特に疑う様子も無く狐とグリフィンが何やら言ってますな。

嵐はライバルが作りだしたのですぞ。

「まあ待て、これも我の考えた催しなのだ」

「へー……脳筋の竜帝が何を企んでいるのじゃ?」

「話くらいは聞いてやろうじゃない。どうせくっだらない事なんでしょ? タクトに言いつけてやるんだから」

「ブブー!」

「ブヒー」

とまあ、若干首を傾げながら豚共はライバルの乗り移ったドラゴンが答えるのを待ってますぞ。

「お前等はこの島の伝説を知っているか?」

前回のループで聞いた奴ですな。

七つに裂かれた魔王とかなんとか。

「あー、あの伝説ね」

「タクトが出てきたって返り討ちにするって言っていた大昔の悪者でしょ」

「ブヒブヒ」

「ブ?」

さて、ではネタばらしの時間ですな。

「ああ、実は……なの!」

「なの?」

――――。

「ブブヒャアアアアアアアアアアアアア!」

タクトの用意した豪邸でメイド豚の悲鳴が響きますぞ。

「な、なんだなんだ!?」

タクトが豚の悲鳴を聞いて駆けつけて来ましたな。もちろん他の豚達も続々と駆けつけて来ましたぞ。

どんだけ居るのですかな? と言うくらい、豚がこの豪邸に住みついておりますな。

今から屠殺が楽しみですぞ。

「ブ、ブブブ……」

ワナワナと震えるようにメイド豚が個室の中を指差しますぞ。

するとそこには……。

「トゥ、トゥリナ!? な、なんでこんな事が!?」

タクトが室内に入り、本来の姿に戻った、頭が消し飛んだ狐の亡骸を調べながら叫びました。

「ブ、ブヒ……」

「ブヒャアアア!?」

狐の亡骸を見て豚共は各々反応をしておりますぞ。

ですが俺には分かりますぞ。

タクトに見えない様に密かに笑みを浮かべている豚ばかりでしたな。

邪魔な奴が酷い目にあったとしか思っていないのでしょう。

「トゥリナ! おい! しっかりしろ! そうだ! 魂さえあればホムンクルスで蘇生出来るはずだよな!」

「ブ、ブヒ!」

白衣豚がここで望遠鏡の様な物で周囲を見渡しますぞ。

ブンブンと頭を振っております。

狐の魂が周囲に見つからないと言っているのでしょう。

それくらい俺でもわかりますぞ。

HAHAHA! あるはずありませんぞ。

何せ俺が魂ごと仕留めてやりましたからな!

そもそも本当にあったとしてもお前の豚共は無いと言ったのではないですかな?

「一体だれがこんな真似をしやがったんだ!」

おや? タクトは怒りに満ちた目をしながら思いのほか冷静な反応ですぞ。

アレですな。島にいるのはトロフィー豚しかいないはずだからですな。

「ブブブ……」

メイド豚がタクトに色々と事情説明をした様ですぞ。

まあ、俺も隠れて見ていたのでなんとなくわかりましたな。

メイド豚は扉の前に描いた現地の印を不審に思い、室内の清掃とばかりに預けられたマスターキーでこの扉を開けたみたいですぞ。

で、死体を発見ですな。

「……トゥリナの手に何か握られている? これは……!?」

と、タクトは狐の手に握られていた鍵を見つけて部屋番号を確認しました。

ゴクリと息をのむタクト達は狐が持っていた鍵の部屋へと向かい、中を確認しました。

するとそこには……。

「そんな……アシェル……!?」

タクトが更なる絶句を始めました。

室内には息の根を止められ、右腕が無いグリフィンの亡骸が転がっていたのですからな!

「アシェルゥウウウウウウウウウウウウウ!」

タクトが絶叫を上げ、大げさに泣き始めました。

HAHAHA!

貴様に殺されたフィロリアル様の苦しみに比べたらまだまだですがな!

ハッとタクトは泣くのをやめてグリフィンの亡骸を更に調べ始めました。

なんとも切り替えが早いですな。

「これは……まさか……」

もちろんタクトの手にはまたも別の部屋の鍵ですな。

こうして順番に鍵を使ってタクトと豚共は部屋を開けて行きました。

ライバルが乗り移っていたドラゴンの亡骸も部屋に転がっていたのですな。

「これは……腹から……何かが這い出て行った……?」

ライバルが乗り移っていたドラゴンの亡骸は腹部に穴が出来て死んでいたのですぞ。

その穴から血が壁に開けられたネズミが通る程の穴へと繋がっていたのですな。

「ブヒィイイイ!?」

「ブヒャアアアアアアアア!」

ブヒブヒと悲鳴を上げる豚共ですがそこでタクトは何度か瞬きをしながら呟きますぞ。

「レールディアの死体は腹を食い破られていた……コイツが他のみんなを殺した犯人……か?」

「ブヒィ! ブヒブヒ!」

と、何やら白衣豚が喚いておりますぞ。

何を言っているのか全然わかりませんな。

「七裂魔王復活の儀式だと!? そんなバカな……だが……みんな伝承に示し合わせたように引き裂かれた場所が無くなっている……」

タクトがハハと乾いた笑いを浮かべながら死んだ豚共の亡骸を見て呟いたのですぞ。

であると同時に豚が駆けつけて来るのですぞ。

「ブブヒー!?」

「ブヒー!?」

「ハァ!? 船と潜水艦と飛行機、その製造ドックまで揃って破壊されて跡形も無いだと!?」

確認のためにタクトは豚共を連れて乗り物のある場所を全部見て回りましたぞ。

「ブブブブヒ!」

「ブーヒ!」

「ブブブ!」

島から出る手段が無い事に豚共が内輪揉めを始めましたぞ。

やはり豚は自らの命優先の醜い連中なのですな。

「待て待て。この嵐の中で島を出るなんて無理だ。転移スキルもレールディア達の張った結界があって使えないんだ」

「ブブー!」

タクトが豚共に詰め寄られて苛立った表情で怒鳴りますぞ。

「良いから落ち付け! お前達!」

豪邸の窓に吹き付ける強い雨風ですぞ。

「ふん。こんな天気、みんなの魔法で吹き飛ばせるはずだぜ! そうすりゃ穏やかな海を優雅に出られるってもんだ!」

とまあ余裕を見せて嵐を吹き飛ばす算段を立てた様ですぞ。

タクトは豚共を連れて儀式魔法の詠唱に入って嵐を吹き飛ばそうとする様ですぞ。

「集団儀式魔法!」

タクトが魔法を構築したのに合わせて……俺がアブソーブで無効化させてやりましたぞ。

飛んでくる嵐を飛ばす魔法は俺がかき消してやりましたぞ! HAHAHA。

仮に吹き飛ばしてもすぐに嵐は再生しますがな!

ライバルはそう魔法を使い続けているとの話ですぞ。

「お、おい……なんだよコレはよ!」

タクトが思い通りにならない結果に不愉快そうに嵐の空を見上げて言いましたな。

豚がどれだけ集まっても質の悪い魔法なので効果等無いのですぞ!

「ブブブヒブブー」

困っている様だねーとばかりにサメ豚がタクトに向かって言いますぞ。

「シャテ……そうだ! お前ならこの嵐の中で泳いで出られるな」

「ブブブ!」

サメ豚が頷きました。

……本当にそれで良いのですかな?

たったの一つの選択が不幸を呼ぶ事もあるのですぞ?

「なら早速行くぞ! 俺を乗せて島を出るんだ! 後で皆を迎えに大型の飛行機を手配してくる」

「ぶぶひー!」

「ブヒー!」

「ブブー!」

サメ豚とタクトに群がる様に豚共が集まってきました。

「ああもう! お前等! 今が緊急事態だってわかってんだろ! しょうがねえ……俺達が世界最強なのを分かってんだろ。シャテ、お前は島の外に出て飛行機を手配しやがれ、俺は魔王を騙る犯人を仕留めるからな」

「ブヒ!」

とばかりにサメ豚は分かったと海へと飛び込んで行きましたな。

目印とばかりにサメ豚は指輪を魔法で光らせて泳いで行きますぞ。

「みんな! これで一安心だろ。戦えば勝てると思うが、何が起こるかわからねえ状況だ。固まって行動するんだぞ」

「ブブー!」

「ブヒー!」

「魔王なんて怖くねえよ! いいか? こう言う時は籠城するのが一番バカな事なんだよ! みんな固まって島の外に出る手を探せばいいんだ」

生き汚い豚共はわき目も振らずにサメ豚に引っ付いて島からの脱出に縋りついていましたが汚れるのも嫌なのでタクトの提案を飲んで大人しく身の安全を取った様ですぞ。

「とにかく、みんな固まって……島の中をくまなく調べ上げて犯人を血祭りにあげるぞ!」

まだ余裕と言うか復讐心に燃えたタクトは島に潜伏する犯人の特定を行うつもりの様でしたな。

で、俺がこの時に何をしていたかと言うと……。

「ブハ――!?」

海に潜ったサメ豚にサブマリンモードで近づいて一突きで仕留め、そのまま沖合まで進んで行ってやったのですぞ。

逃げられるとでも思っていたのですかな?

残念でしたな。この島から逃がしませんぞ。

もちろん、即死な挙句魂まで処分済みですぞ。

波の流れから浜辺に漂着するように捨ててやりました。

夜の闇もあって見つけるのは中々難しいでしょうな。

ともかく、タクトと豚共は夜中に島中をくまなく調べていたのですぞ。

ですがお前等如きに俺が見つけられる訳ありませんな!

数時間後ですぞ。

ここで隙を見せた豚を二匹程、ライバルの指定した島の祠の前に打ち捨ててやりました。

「ブヒャアアアア!?」

豚の亡骸を見つけた豚がタクトや他の連中を呼びました。

「魔王復活阻止を語りし神官は惨たらしく殺される……ふざけるんじゃねえぞ! 見立て殺人だってのはわかってんだぞ!」

タクトがここで豚共へと僅かに殺気の籠った視線を送り始めましたな。

犯人がこの中にいると思っているのでしょう。

容疑者が多過ぎてお前の頭で特定出来るのですかな?

「ブッヒ!」

「ブブヒー!」

豚共も我が身可愛さにタクトと何やら言い争いをしそうな空気ですぞ。

はは! もっと争えですぞ!

お前等豚とタクトはその様な薄っぺらい関係なのですからな。

文字通りトロフィー豚なのでしょうな! タクト!

「ブブヒ! ブブ!」

メイド豚が間に入って何やら宥めようとしておりましたぞ。

「エ、エリー……そうだな。ここで争ったら犯人の思う壺だよな」

「ブブ……」

「チッ!」

豚の中に舌打ちする者も混じっておりますぞ。

チ……メイド豚め。無駄に知恵が回っている様ですぞ。

そんな訳で豚共は豪邸内に避難しました

タクトの用意した豪邸内はそこそこ広く、区画で分けられているのですぞ。

さて……復活の儀式に合わせてライバルの指示通りに……爆音を響かせました。

「な、なんだ!?」

「ブヒィイイイ!?」

豚が避難していた豪邸の区画の渡り廊下の先にある建物に俺はリベレイションプロミネンスをぶちかましてやりました。

ちなみにこの区画はタクトの豚内で飽きられた者達がそれとなく組み分けされた所ですぞ。

ライバル曰く2巻辺りで助けて以降、いるだけの奴だとかなんとか。

要するにどうでも良い連中って奴ですな。

建物が俺の魔法で消し飛びました。

「魔王が降臨しその力を知らしめる……」

タクトは息を飲んで消失した建物の消火をした後に検分しながら思わず呟いておりましたな。

「何が力を知らしめるだ! 俺が開発した爆薬を使ったんだろ! ふざけるんじゃねえ!」

おや? お前如きのチンケな発明品でこんな火力は出せますかな?

パンダがアッサリと解除してましたぞ! HAHAHA!

「爆薬の在庫チェックをするぞ! ついでに防御結界の維持もだ!」

タクトは守りの姿勢に入った様ですぞ。

厳重な警備も敷いていますな。