軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

仲間0

「この様な事になるとは俺でも想定外でしたな。報いを受けさせたかったのは確かですぞ」

こんなすぐに苦しんで死ぬ毒だったとは、もっと治療が間に合わず苦しんで死ぬ毒だったと思ったのに、ですぞ。

いえ、少量使ったら良かったのかもしれませんな。

「そうじゃったか……これは誤解して申し訳ない」

「良いのですぞ」

「何はともあれ、私の正義がビビッと感じてますよ。あの方はとてつもない悪人だと、その悪人が自爆したにすぎないのですね!」

フレオンちゃんが元気に仙人に言いました。

「王女様であったはずですが……」

「いや、既に王族の権利は剥奪されている様ですから元王族ですな」

「ただ……」

老人は女王の後ろ姿を見ております。

気丈にしていますが、確かに何か哀愁が漂っている様に見えなくもないですぞ。

「まったく、愚かな奴だったな。ただ……ま、ざまぁみろって所か」

お義父さんが赤豚の最後を笑っていますぞ。

俺も合わせて笑いましょう。

「元康の奴、疑ってはいただろうが、笑ってやがる。何かアイツもおかしいな」

「どうも勇者の皆さんがおかしいですよね……」

と、お義父さんとお姉さんが揃って首を傾げておりますな。

とにかく、俺の目的は完遂しましたぞ!

「ブ……」

後は怠け豚ですが……まあ、怠け豚は特に何か問題ある行動をする事はないでしょう。

あの危機回避能力で余計な真似をしたら殺されるのはわかっているでしょうからな。

「さて……とんでもない状況になってしまいましたね。この様な状態で晩餐を開くのは、こちらとしても難しいと判断致します」

「そりゃあな……」

お義父さんが俺や錬、樹に顔を向けますぞ。

「元康のお陰でどうにかなりはしたが、こんな所で飲み食いは嫌だろ。精々庭で食うか?」

「食事は必要ですが……確かに、今は祝う状況では無いでしょう。また新たな問題が起こりかねません」

「フ……闇が闇に還ったのだ」

「そうだな」

樹が同意し、錬はブラックサンダーと共に訳のわからない結論を述べて頷いておりますぞ。

ちなみに錬の仲間達ですが、錬とは距離のある場所で見ております。

距離感が更にありますな。

「ごはん……」

フィーロたんが楽しみにしていた物が無い事を残念がっておりますぞ!

ヒィイイ……さびしがるフィーロたんは恐ろしいのですぞ。

「用意した食事が勿体ないですぞ! なので他の場所で食べるのが良いのではないですかな!」

「メシを食うって気分でもないが……まあ、そうだな。じゃあ庭の方に飯を運んでゆっくりと食えば良いか」

お義父さんがフィーロたんの眼差しを受けて頷きました。

「……承知しました。では当初の予定よりも小規模となりますが、勇者様方、お食事をお楽しみください」

俺の提案は通り、庭での立食パーティーになりました。

若干静かな装いがありながらお義父さん達は楽しげに食事を楽しんでおられましたな。

「わーい!」

フィーロたんも満足している様ですぞ。

「あ、槍の人だ」

ヒィイイ! フィーロたんが俺に近づいてきますぞ。

蹴って来るのですかな!?

「んー?」

「フィーロたん、ご機嫌麗しゅう」

「うるわしゅー!」

俺はフレオンちゃんやブラックサンダーの為に槍に作らせていたチョコレートを差し出しますぞ。

「た、たべますかな?」

「またフィーロにくれるの?」

「もちろんですぞ」

「わーい! ありがとー!」

フィーロたんが俺からチョコレートを受け取って、食べながら料理が盛られた皿の方へ行きました。

ふぅ……一安心ですな。

「これは美味しいです!」

「確かに、城の料理の味は良いですね」

「ブェエエ……」

フレオンちゃんと樹がストーカー豚と一緒に食事を楽しんでおられますぞ。

「元康さん、中々良い味ですよ」

「満足してくれて嬉しいですな。もっと、フィーロたんの様に沢山食べるのですぞ」

「はい。ところで先ほどフィーロさんと言う方とお話をしたのですが、お城の料理よりもフィーロさんのごしゅじんさまと言う方の料理の方が美味しいと仰っていました」

「そうですなー確かにお義父さんの料理は絶品ですぞ。きっとフレオンちゃんも納得の味だと断言出来ますな」

「なんと! それは是非とも食べてみたいですね! お願い出来ないでしょうか?」

「そうですなー」

俺が冤罪を被せてしまったお義父さんは気難しくなってしまいますからな。

お願いすれば作って下さるとは思いますがその前に色々と手柄を差し出さないといけません。

一応、今回の件で協力しているのでお義父さんも嫌とは言わないとは思いますぞ。

ちなみに錬は近くに植えてある木に背を預けて周囲に気を配っている様な視線を向けながら食べておりますぞ。

「飯だ飯だー! あははー!」

逆にブラックサンダーは豪快にフィーロたんと一緒にご飯を食べておりますぞ。

どんどん盛られた皿が減って行きますぞ。

「では、ここでフレオンが場を賑やかにする為に、歌いますわ!」

楽しいのが好きなフレオンちゃんが歌い始めますぞ。

「でゅわでゅわ~ふふふーん」

アカペラと言う奴ですな。

何やら良いリズムが聞こえてきますぞ。

「おおー世界の裏で悪がはびこって~」

と、フレオンちゃんが歌詞を歌い始めました。

「あ……ああぁぁ……」

ふらふらと樹が木から落ちた葉っぱを拾って口元に当てて草笛を奏で始めました。

すると器用に伴奏になって行きますな。

「ブェエエ……」

ストーカー豚の情けない声は無視ですぞ。

今の俺にストーカーの相手をする余裕はありませんからな。

おや? 純愛とかなんとか優しいお義父さんや錬、樹に言われた覚えがありますぞ。

まあどっちでもいいでしょう。

「無駄にリズミカルな曲、というか戦隊風な感じだな」

お義父さんがフレオンちゃんの歌う歌に評価をしてくださいます。

「ただ……洗脳音波疑惑が……効いているのは樹だけなのか? サブリミナル効果とかあったら嫌なんだが……」

「このブラックサンダー様も歌うぞー!」

今度はブラックサンダーも歌い始めました。

意外と甲高い声も出せるのですな。

そういえばブラックサンダーはクロちゃんでもあるので、こういう声も出せるのでしょう。

「フ……闇の登場だな」

錬が歌うブラックサンダーの前でポーズを決め始めました。

「アイツらもアイツらで……つーか、あそこのフィロリアル二匹がそれぞれ騒いでキンキンする。フィーロが可愛く見えてくるぞ」

「んー? ごしゅじんさま、フィーロもお歌を歌う?」

「歌わなくていい」

なんて感じにフィロリアル様達がそれぞれ場を賑やかにしてくださっておりますぞ。

俺はそんな光景を懐かしく感じていました。

シルドフリーデンでアイドル業をやりましたからな。

思えばあのループでは色々とやりましたな。

フィロリアル様達で大成功を成し遂げましたぞ。

……ああ、ユキちゃんががんばってくれたお陰ですぞ。

そう言えばこの周回のユキちゃんは……そうですな。

今度ユキちゃんも勧誘して上げると良いかもしれませんぞ。

この時期になるとユキちゃんは既に生産者の元から出荷されており、別の競争羽用の牧場にいるのでしたな。

「さて……勇者様方、色々とありましたがお食事を楽しんで頂けたかと思います」

そうしてみんなが食事を終えた頃の事、赤豚の死を嘆いていた女王が気を紛らわすように仙人と話をしていましたが言いますぞ。

「今回の騒動の立役者であるイワタニ様を始め、勇者様方、ここでお礼を申し上げます。その補填をこちらは致したいと思っております」

ああ、やはりここでやるのですな。

ちなみにお義父さんを除いた俺達勇者の評価はメルロマルク内では良くない状況になっていますぞ。

島から帰った所で、国外の波に挑む様にとそれとなく促されますな。

まあ、他の狩り場に行くのに良い頃合いだと俺達は各々頷きつつ、そろそろ入手しようと霊亀にそれぞれ挑みに行くのですぞ。

「近々この国の近海にある……カルミラ島が活発化するようです。勇者様方には振るってご参加くださるようお願いします」

「……?」

お義父さんが知らない情報だと小首を傾げています。

「ああ……あの島ですか。確かにこれからの為に力を付けるには良いかもしれませんね。フレオンさん、リーシアさん」

「そうですね!」

「ぶぶ……」

樹は乗り気の様ですぞ。

「波乱の匂いがするな」

「け、剣の勇者様?」

錬の仲間が恐る恐ると言った様子で錬に声を掛けていますぞ。

「お前達も闇の力を蓄える為に行くのは良い。この前の戦いでは闇の力が足りなかったから連れて行けなかったからな」

「は、はい! よろしくお願いします」

「そうだぞ。お前達は闇聖勇者<ダークブレイブ>隊に所属出来るかテストをしなくてはいけないからな!」

ブラックサンダーの言葉に錬の仲間達が不安そうにしておりますな。

何なんだこの状況? みたいな顔ですぞ。

「なんだ? 何があるんだ?」

「イワタニ様はご存じないようなので説明しますね。活発化というのは10年に1度、その地域で手に入る経験値が増加する現象です」

それから女王はお義父さんに親切丁寧にカルミラ島に関しての説明をしておられますな。

「前々から準備が進んでおりまして、このカルミラ島の参加に対し、勇者様方に一つ、大きな催しを受けてもらいたいと私は考えております」

「催し?」

仲間交換ですな。

と言う所で女王は何故か俺をじっと見つめております。

「勇者様方の情報交換とカルミラ島に駐在する半分の時間を人員交換をしてみてはどうかという話です。もちろん四方の同意の下に、ですが……」

「ああ……なんかポツーンと元康が一人だもんな。フレオンって奴はお前の仲間と言うより樹の仲間みたいだし、ブラックサンダーって奴もそうだな。そうか、あの女共がいなくなって違和感があったのか」

確かにそうですな。

フレオンちゃんとブラックサンダーは俺が主登録をしているフィロリアル様ですが、錬と樹に貸出中ですぞ。

「ただー……その、催しをしようと思っていたのですが、槍の勇者様、貴方にはビッチとその友人がこの様な結果になり、エレナ嬢はショックで辞退しており、実家に帰ると仰っている状況ですので……」

「まあ、お前の事だから街でナンパした女とか連れてきそうだが」

「ナオフミ様……さすがにそれはちょっと嫌味が過ぎると思うのですが……自業自得ではありますが、人が死んでいるんですよ?」

お姉さんはお優しいですな。俺を気遣ってくれていますぞ。

ですがそれには及びません。

「大丈夫ですぞ。後で人員は補充しますからな!」

丁度良いので以前から考えていたユキちゃん達を回収しましょう。

クー、マリン、みどりでも良いですな。

ただ、この三人は最初の世界の様な元気さが無かったりするのですぞ。

何故なのでしょう。

それと錬と樹にはカルミラ島の後に霊亀の封印を解かない様に命じるようにフレオンちゃんとブラックサンダーにお願いしましょう。

それは悪の道だと言えばきっと聞き入れて下さるでしょうし、もっと良い情報を教えて行けば良いですからな。

「ですが俺には用事がありましてな。少し遅れますぞ。後で絶対に合流しますのでみんな先に行っていて欲しいのですぞ」

「用事ね……」

「槍の勇者様、何をする予定なのでしょうか? それをお聞きしてもよろしいですか?」

女王が俺の行方に関して尋ねたい様子ですぞ。

「色々とありますが、仲間を集めるのですぞ」

「そうでしたか……必要な事ですね。わかりました。ではカルミラ島で合流する様にお願い申し上げます」

と言う訳でこれからの方針は決まったのですぞ。

その日の夜ですぞ。

晩餐が終わってみんな部屋で休み始めた頃の事でした。

俺はお義父さんの部屋の扉をノックして呼び出しますぞ。

「なんだ? って元康、お前か……何の用だ?」

「隠していた事を全て話しに来たのですぞ」

「……そうか。で、ここで話をしていいのか?」

「んー? 槍の人ー?」

ヒィイイ……フィーロたんがいますぞ。

まだ俺は震えてしまいますぞ。

「で、出来れば二人っきりで話がしたいですぞ。もしくは……」

と、フィーロたんの隣で腕立てをしていたお姉さんの方を見ますぞ。

「三人でも良いですぞ」

「フィーロを除いてか……股間を蹴られるのがそんなに嫌か」

いえ、フィーロたんに股間を蹴られるのは別に何ともなかったのですぞ。

ただ、あのループのフィーロたんを思い出して怖いだけですぞ!

「ぶー……フィーロだけ仲間はずれー?」

「ヒィイイイ……」

「……はぁ。元康が怯えるし……この前のゼルトブルの件もあるしな。フィーロ、お前はメルティの所で寝るんじゃなかったのか?」

「あ! そうだったー! じゃあごしゅじんさま、いってくるねー!」

トトト、とフィーロたんが俺の横を通って行きますぞ。

そうして城の廊下を歩いて行き、婚約者の下へと向かって行きました。