軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

ドラゴンの家族

「怒りませんかな?」

「程度による」

「まあ、錬が怒ってもまったく怖くありませんからな、では話しますぞ。助手というのは野生のドラゴンに育てられた養子ですぞ。錬が親ドラゴンを殺した所為で不幸になるのですぞ」

「そりゃあしょうがないとも言えなくもないですが……」

「恨まれる理由が無い訳じゃないね」

「今の俺はやってない!」

「疫病を流行らせる、とは?」

「親ドラゴンの死骸を放置した所為で蔓延するのですぞ。錬はゲーム知識に覚えがあるのではないですかな?」

俺の問いに錬は視線を泳がせながら深く考え込みました。

ゲーム知識を頼りに行動すれば自然と行なう事になりますからな。

どうやら心当たりがあるようですぞ。

「確かにあるな。良いドロップを狙える手頃なクエストだ」

「ゲーム知識のままに挑むと起こる悲劇ですか。そのドラゴンの家族がどれだけ不幸になるか……」

「う……」

「かと言って、気にしていたって始まらないよ。それを言ったら俺達だって三勇教やタクト一派には殺しても殺し足りない程に恨まれてるはずだし」

お義父さんの言葉に樹は頷きました。

まあ言われて見ればそんな気もしますな。

とはいえ、タクト一派には深い深い恨みがあるので、だからどうしたという感じですが。

「そうですね。その責任を取って保護していたと言うなら良いんじゃないんですか?」

「前々回の錬にその事を言ったら娘も殺しておけばよかったと言いましたぞ」

ザッとお義父さんと樹が錬から距離を取りました。

「……クールだと思っていましたが冷血漢だった様ですね」

「さすがに擁護のしようが無いね。きっと復讐にマウントポジでも取られて袋叩きとかされた腹いせに言ったんだよ。殺意もあるかも」

「ち、ちが! 元康!」

やはり怒りましたな。

というか、お義父さんが凄いですぞ。

まるで見てきたかの様に正解を言いました。

それだけ今の錬を理解している、という事なのかもしれませんな。

「で、前回もこの様に説明して怒られましたな。ちなみに前回はやってませんぞ」

「まあ、そうだろうね」

「つまり錬さんは割とフリーなんじゃないですか?」

「一応、前回だと助手とは可もなく不可も無くの仲間程度でしたぞ」

「錬、これからもクロちゃんとキールくんと仲良くしてあげてね」

「勝手に俺の相手を決めるな!」

なんて感じに錬が深く溜息を漏らしましたぞ。

「そういえばライバルの親辺りは勧誘する時期ではありますな」

「何かあるの?」

「非常に不服ですがありますぞ」

俺は限界突破のクラスアップとそれをする為に必要な事をお義父さん達に説明しました。

これからの戦いで嫌でも必要になるので、話さないといけません。

「つまりラフタリアちゃんを初め、みんなが更に強くなるには元康くんが採取していたタクトのドラゴンの核石から情報を引き出さないといけないんだ?」

「そうなりますぞ」

「ゲームだとクエスト達成で出来る要素だが、この世界では面倒な事をしないと行けないんだな」

「そのようですね。しかし、それならもう少し早く仰っていただきたいんですけど……」

異議を唱える樹にお義父さんが説明しますぞ。

「ほら、フィロリアルが大好きな元康くんだし、フィロリアルってドラゴンと仲が悪いから出来る限り説明したくなかったんじゃない?」

「とは言いましても……」

「どっちにしてもその情報を知ったならやる事は一つだろ」

俺の言葉に錬が頷きました。

そうですな。

俺は槍をチャキっと鳴らしますぞ。

「親ドラゴン殺し?」

「違う! 尚文、わかって言ってるな」

「ごめんごめん。性質の悪い冗談だったね」

「話し合いが通じるかわかりませんが、手土産もありますし、最悪押さえつけてでも事情を聞いてもらいましょう。あちらも悪い話じゃないでしょう」

「ですぞ」

今度こそライバル二号みたいな奴を生み出さない為に最善の選択をしなくては行けませんな。

俺はお義父さんの貞操を守るのですぞ!

「じゃあ出発しようか?」

「そうですな」

「フィロリアルとは仲が悪いらしいから拗れない様において行くのが良さそうだな」

「とは言いましても歩きだと少々面倒臭そうですね」

「ポータルは生憎と持っておりませんな」

「飛行機類を使う程でも無いだろうし、途中までは送ってもらうで良いんじゃない?」

なんて形で纏まりましたぞ。俺達は足早に出発の準備をしました。

馬車で目的地である東の村へ行きますぞ。

「どこいくのー?」

「あ、勇者様達何処か行くんですか?」

「あら? 忙しいわねー」

そこにコウを先頭にお姉さんと友人、お姉さんのお姉さんがやってきますぞ。

「ブェ?」

ああ、もちろんストーカー豚も一緒の様です。

しばらくは樹と行動を共にする様ですな。

「うん。ちょっと変わった相手に仲間になってくれないか交渉しに行く所なんだ。上手く行ったらみんながもっと強くなれる様になるらしいよ」

「あらー……もう充分みんな強いと思うけど、まだ足りないのかしらー?」

「そうみたいなんだ。これから戦いはドンドン厳しくなるって事だね。その為に……みんな強くなって欲しいんだ」

お義父さんの言葉にお姉さんのお姉さんはお姉さん達を見つめて微笑みました。

どうやら理解してくれた様ですな。

「そう。ナオフミちゃん達だけで大丈夫?」

「えっと、一緒に行きたい!」

お姉さんの友人が挙手しました。

「え? 行きたいの?」

「はい。危険な相手なんですか?」

「どうだろう……元康くんの話だとそこまで危険は無さそうだけど……」

「なら行きたいです。ね? ラフタリアちゃん」

「う、うん」

お姉さんも頷きますぞ。

ですが、ライバルの親との交渉に必要ですかな?

「あらー?」

「尚文さん、連れていくんですか?」

「うーん……」

「足手まといにはならないと思うが、余計な手間かもしれないぞ」

「どうしますかな? 東の村でフィロリアル様達と一緒に留守番しますかな?」

「相手は養子とはいえ子持ちなんだよね? となるとこっちも子供連れの方が信用はしやすいかもしれない……けど、ラフタリアちゃん達を利用するみたいで嫌だなぁ……」

「大丈夫です!」

お姉さんの友人が言い切りましたぞ。

「私達が力になれるならがんばりたいです」

「う、うん! 仲良く出来る子がいるなら会いたいです」

お姉さんも友人の意見に賛同している様ですぞ。

ふむ、考えてみればお姉さんは最初の世界でフィーロたんと仲が良かったですが、ライバルとも程々に良好な関係を築いていました。

連れて行けば良い方向に転ぶかもしれませんぞ。

「あらーじゃあお姉さんが二人を守るために一緒に行こうかしらね」

「ブェ?」

「えーっと、リーシアさんは危険ですから村で留守番していてください」

樹が同行しようとしたストーカー豚を注意して置いて行く指示をしました。

「貴方を強く……波と戦う正義の味方になるのにはもう少し精進が必要ですから」

「ブ!」

ストーカー豚は樹の台詞にやる気を見せたのか、元気良く頷いておりますぞ。

正直、面倒な奴ですな。

「絶対に無茶はしちゃダメだよ? それと出来る限り俺の後ろにいる様に」

「ハーイ!」

お姉さんの友人が手を上げて同意しました。

「他の子も来たがりそうだけど、先着という事で……じゃあ行こうか」

「わかりましたぞ!」

という事でお姉さん達を同行させて俺達は東の村に向かいますぞ。

「サクラちゃんやコウ、ユキちゃんは東の村で待っててね。いるときっと拗れるから」

今はお義父さんがサクラちゃん達を説得している所ですぞ。

きっとうまく説得してくれるでしょう。