軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

配合

「ブブブー」

怠け豚が何か鳴いてますぞ。

「その辺りの可哀想ポジも入れて一応の憂さは晴らす流れ?」

「命令とあらばするが……」

「えーやだぞ。激辛とか腐ったものの匂い嗅ぐの」

「そんなのやる訳ないだろ!」

どうやら怠け豚の提案で刺激物を嗅がせて嫌がるしぐさを一応見せて虐待目当ての客の憂さを晴らさせるそうですぞ。

それ以外は普通の演目に出来るとの話ですな。

「なら尚文、お前に臭い靴下の匂いでも嗅がせてやろうか。ポカーンと口を開くんだな」

錬が皮肉で返してますぞ。

確かにお義父さんには不思議と似合いそうな気が俺にはしてしまいますぞ。

「フレーメン現象を俺がするのはどうなの? どこの誰に需要があるの?」

ふとアークはしてくれるかと思い浮かびましたが……してくれ無さそうですな。

目の前でねこじゃらしを揺らしてもほほ笑んで下さるだけですぞ。

お義父さんの方が相手をしてくれそうですな。

「とにかくさ、みんなの為にご飯作ったんだから食べてよね。今日は錬が喜ぶって聞いたシチューだよー」

「匂いで嫌って程わかってる。飯で懐柔できると思ったら大間違いだからな!」

とか言いつつ錬の尻尾が嬉しそうに揺れてますぞ。

「兄ちゃん達の作った美味いごはーん!」

「ヴォウー!」

キールとヴォルフも同様ですな。

これを見たら誰もが一緒の組として認識するだろうとエクレアを含めた傍観者が心を一つにしたとかなんとかですぞ。

ともかく、錬は随分とサーカスに馴染んできているのですな。

そんな感じで夜も更け……朝になりました。

「どわあああああ!」

と、連日の朝に聞こえる錬の悲鳴ですな。

「おい元康! いい加減ルナをしつけろ! また俺をキールと一緒に寝かせていたぞ!」

息を切らし気味の錬が抗議に来ましたぞ。

寝起きのキールものそのそとやって来てますな。そんなやり取りを聞こえないとばかりにルナちゃんもついてきますぞ。

「うふふ……プリプリ怒って可愛い」

うっとりとしていますぞ。

ルナちゃんの至福のお時間ですな。

「なんですかな? ルナちゃんに何の不満があるのですかな?」

「あるに決まってるだろ! 毎日毎日、目が覚めると目の前にキールの寝顔があるんだぞ! 下手をすると上に載せられていたりするのが分からないのか!」

まったくわかりませんな?

アレですかな? 目覚めと同時に隣にいる豚みたいな感じでしょうか?

昔、俺も経験しましたぞ。

お義父さんも虎娘がベッドに入り込んでいたことがあって困っていたことはありましたぞ。

錬とキールがそんなドッキリがあるのがどうしたのでしょうかな?

「ルナちゃんが錬とキールの間を取り持っているだけですぞ。ゾウにお願いするか、ラフミにでも相談するのですな」

そもそもルナちゃんは錬とキールが増えることを望んでいるようですぞ。

それくらいよいのではないですかな?

俺の管轄外なのですぞ。

ゾウならフィロリアル様の細かな悩みに親身になって解決策を持ってきてくれるかもしれませんな。

もしくは錬がぼっちになるのを避けようとするラフミ辺りが相手をするのが良いでしょう。

「役に立たないからお前に抗議してるんだ! わかるか? 無理やりくっつけられそうになる気持ちを!」

「俺は昔、嫌って程豚と婚約を結んだことがありましたがなんですかな?」

思えば反吐が出ますな。

そういった思い出もありますぞ。ちなみに引っ越しをしたら誰一人付いてきませんでしたぞ。

何時でも待ってる! とか抜かして手を振ってたのですぞ揃いも揃って豚共は。

機嫌を損ねるとへそを曲げて報復する癖に、俺の引っ越しにはついてくる気概の無い、自分は変わらず俺にだけ変化を求める身勝手な連中なのですぞ。

「わかっていてどうして聞き流すんだお前は!」

「ルナちゃんの野望を俺は応援しているだけなのですぞ」

キールと錬がくっつくことでルナちゃんが喜ぶならそれでいいと思いますぞ。

第二のラフミもこれで来ないでしょうから万々歳ですな。

おや? 脳内で過去を変えるためにルナちゃんへの刺客として別のラフミが使わされるかもしれないと前回のお義父さんが仰っているような気がしますがHAHA、考えすぎですぞ。

哀れなクリスマスを回避できれば錬はそんなことはしないと思いますぞ。

それこそアレですな。何かの実験で豚になってしまった未来を変えるために過去にタイムスリップするとかならあり得るかもしれませんがな。

キールの絡みにまんざらでもないという顔をしている錬ならそんなことはあり得ませんぞ。

「そもそも寝てる時に移動させられたら起きそうなものですが熟睡しすぎなのではないですかな?」

「ルナ、闇の魔法で眠りを深くできるー」

おお、そうなのですな。つまり寝入ったら起きにくい魔法は闇の魔法にあるようですぞ。

クロちゃんが望む闇の魔法にはこういった代物もあるのですぞ。

……アークを眠らせてあげたり出来ないのですかな?

出来ないのでしょうな……あの方の安らかな眠りは訪れるのでしょうか。

「ふわぁ……剣の兄ちゃん。もうさ……妥協しねえ? 抵抗するより大人しくしてたほうが疲れねえよ」

寝ぼけ眼のキールが錬に諦めの入った口調で語り掛けますぞ。

「何言ってんだ。ここで諦めたら本気で俺とお前が……配合させられるぞ!」

言葉を選びましたな。

「そうじゃねえよ。あんまり抵抗するともっと過激になってきそうと思うんだよ。だから仲が良いって事にして何にもしなきゃ良いんだよ……そう思わねえと逃げられねえよ」

と、キールが深々とため息をしながら錬の肩に手を乗せて言いました。

諦めというより共謀の提案な気がするのは気のせいですかな?

「俺は男だと思ってるし、剣の兄ちゃんも男。友達で行こうぜ」

「お、おう……」

「ぶー……キールくん女の子だもん。ぴったりの組み合わせだもん」

そんな結託をしたのをルナちゃんは不満そうに見つめていましたぞ。

うまく行きますかな?

俺としてはキールが錬とくっつくのはルナちゃんが喜ぶ以外は特にないですぞ。

「ともかくさ、ヴォルフ兄ちゃんの所に行こうぜ! 今日もヴォルフ兄ちゃんと一緒にカッコイイを探すんだ!」

「いや、あいつと一緒に居たら尚文が俺たちを犬扱いするぞ! またブラシ掛けされたいのか!」

「えー? あれすげー気持ちいいじゃん。剣の兄ちゃん嫌なのかー? ヴォルフ兄ちゃんなんてして貰いたくてしょうがないって感じだぜ? お腹出してして貰ってたぞ」

「大の大人がなんて格好でやってるのか想像すると気持ち悪いぞ! 俺もあんな風にいずれ成るのが嫌なんだ! 早く人間に戻るんだ!」

錬が頭を抱えて拒否とばかりに駆けだしましたぞ。

もちろんその様子をルナちゃんは微笑ましいという顔で見ていますぞ。

とても幸せそうですな。

「剣の兄ちゃん大変だなぁ……」

と言った様子でキールが駆けだす錬を見送り、朝の散歩へと出かけていたのですぞ。

そんな様子を本を読んでいたウサギ男が何やら見つめていました。

「岩谷様にブラッシングしてもらう……か」

ウサギ男が自らの腕を凝視してますな。

最近、ウサギ男はワニ男やヴォルフが獣人化する姿をじっと見つめている時が増えましたぞ。

これは……どうやらウサギ男はお義父さんにブラシ掛けをしてほしいように見えますな。

何を隠そう俺も前にして貰ったことがありますぞ。

ウサウニー姿でお義父さんに撫でてほしいのですぞ! とお願いしたらしてくださいました。

ふふん、お義父さんのブラシ掛けはとても良いのですぞ。毛並みがつやつやになるのですな。

フィロリアル様達も順番にして貰う、サーカスに参加する者たちのご褒美でもありますな。

ヴォルフはよくブラッシングをして貰っていて毛並みを整えて貰っていましたな。

ちなみに最近はワニ男は鱗のクリーニングをして貰う様になったようですぞ。

オイルと研磨剤を確保して丁寧に磨いてくれるとの話ですな。