軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

手術痕

お義父さんはゾウにお姉さんの出来事を説明し、エクレアの領地に居る奴隷となった者たちを集めて助けるために奴隷商人としてサーカス活動をする旨を説明しましたぞ。

「承知しました。私はエルメロ=プハントという見識を広げる為に諸外国を回っている騎士です。何卒よろしくお願い申し上げます」

ゾウがシルトヴェルト流の忠誠のポーズを取りましたぞ。

おお、ゾウがやる気になって下さいましたぞ。

良いゾウなので俺は応援しますぞ。

「ではこちらの方は……」

「うん。槍の勇者の元康くん。ちょっと不器用な所があるけどエルメロさんは大丈夫だった?」

「はい。依頼された仕事内容に興味があったので同行したのですが、何があろうと成し遂げる所存です」

「何を頼まれた感じ?」

「護衛とこの子達の世話を頼まれました」

「「ピヨ!」」

ユキちゃん達が元気にアピールですぞ。

「なるほど、フィロリアル達のお世話が得意なのか」

「あの……」

ゾウはお義父さんにも興味があるのですな。

安心しろですぞ。

「もちろんお義父さんの護衛もしてもらいますぞ。様々な国を回っているとの話なので会話するだけでも中々に教養が深いのですぞ」

「うん、よろしくね。腕も立つなら……元康くん以外にも俺が世話をしてる奴隷達の戦闘指導とかお願い出来る?」

「はい」

ゾウのやる気が止まる所を知らないですな。

まあ、ゾウはエクレアの上位互換ですからな。領地経営すらも出来る万能ゾウなのですぞ。

「じゃあこれからよろしくね」

そんな訳でゾウもサーカスの一員となりましたぞ。

フィロリアル様とのショーでゾウは着飾ってフィロリアル様の優雅なダンスのお手伝いをする様になるのですぞ。

ちなみに話を終えた後にゾウは自らの耳を髪のように梳いてから小さく「ラーサ、仕事選択に失敗したわね……」と、何やらパンダに同情の声を上げてましたぞ。

安心しろですぞ。いずれパンダはお義父さんに連れてきて貰いますぞ。

「バウバウ!」

ヴォルフが遠くでお義父さんにまだかと声を掛けてますぞ。

「ああ、ヴォルフ。わかったから待っててくれ」

「……あの奴隷は本当、本能的に懐いておられますね」

「素直で良い子だね。最初は荒々しいと思ったけど……理性が戻ってくれると良いんだけどな」

シルトヴェルトの使者の言葉にお義父さんは感想を述べますぞ。

本能に支配されているのでしたな。

「あの奴隷は……」

ゾウがここで目を細めて居ますぞ。

「そう言えばゾウはゼルトブルの闘技場でも有名な闘士なのですぞ。何か知ってますかな?」

「いえ……何処かで見たような気がするのですけど……」

「元々闘技場の大事な戦いで負けて大きく借金を持ったらしいけど、わかる?」

「ゼルトブルのコロシアムは無慈悲な所がありますので相手の事情に踏み込むのはタブーです。ただ……すみません。思い出せません」

「ううん。大丈夫。いずれ本人が本能を抑えられれば良いんだけどね」

何やらヴォルフはいろんな者たちに印象付けられているようですな。

「日も沈んで来てるからみんなご飯を食べて明日に備えて頑張ろう!」

「おー!」

「ヴォフー!」

と、今夜もお義父さんの料理を皆で堪能させて貰ったのですぞ。

「「ピヨピヨ!」」

ユキちゃん達も元気にお食事をしてお昼寝をしてましたな。

食事の後、お義父さんは任された奴隷達のケアをしておりましたぞ。

ウサギ男はマッサージの影響か腕の可動部が大分回るようになってきているとの話ですな。

雑種のリザードマンは何やら物思いに耽っているようでしたぞ。

俺はゾウにフィロリアル様達を紹介していました。

そして今夜、ユキちゃん達の育成を行いますぞ。夜の内に稼ぎに行きますぞ!

と、出発する前ですな。

仮設テント内で仕切りを分けられ、俺はお義父さんのいる所に行きました。

シルトヴェルトの使者も待機してますぞ。

「くー……」

するとお義父さんの元にブラッシングしてもらったヴォルフがそのまま寝入っている様子でした。

「ああ、元康くん。どうしたの?」

「ユキちゃん達のLv上げに行ってきますぞ」

ゾウが居るとは言え統率に不安の残るフィロリアル様達の指揮をお任せするのですぞ。

「それにお姉さんのところにお義父さんを送るのですぞ」

お姉さんの様子も気になると言う事で夜にはお義父さんはゼルトブルでお姉さん達の所に行くのですぞ。

「ああ……そうだったね。それでさ……ちょっと気になる所がヴォルフにはあるのがやっと分かったよ」

今まで懐いては居たのですがそこそこ距離があってこうして熟睡してくれなかったそうですな。

お義父さんはヴォルフの毛をブラッシングしながら、そっと……分かる様に毛を寄せますぞ。

すると其処には銃創らしき傷跡が無数に残されていましたぞ。

「あまり見ない類いの傷跡ですね」

「うん。これは銃で付けたような傷だけど……魔法か何かかな?」

「判断に悩みますね。ゼルトブルのコロシアムでは変わった決闘も行われると聞きます」

「後は……こことここだね」

と、お義父さんはヴォルフを転がしてお腹の毛を寄せますぞ。

そこには手術跡のような腹を割いたかのような縫合後がありました。

更に後頭部も毛を寄せると同様に手術跡のような跡がありましたぞ。

「腹を開いたり頭さえも弄ったような跡があって……随分と奇妙な傷をヴォルフは持って居るね。本能に支配されているというより人体実験で何かされちゃってるんじゃないかって不安になるよ」

「相当に険しい奴隷ですね。この者は」

「手足の治療が難しい傷に関しては元康くんの回復魔法とか薬で良い方向に行けば良いけどね」

「お義父さんも魔法の練習をして覚えると良いですぞ」

専門性はお義父さんの方が高いのですぞ。

ただ、薬の売買などはすると今までと同じような事になってしまうのでやらない方向ですな。

「うん。頑張るよ」

「……くーん」

夢でも見ているのかヴォルフは楽しげに手足を軽くばたつかせておりましたぞ。

そんなヴォルフを起こさないようにお義父さんはそっと毛布を被せて立ち上がりました。

「じゃあ行こうか」

「わかりましたぞー!」

お義父さんは奴隷達の管理にお姉さん達の世話と大忙しですぞ。

そんな訳で俺はサッとお義父さんをゼルトブルに送りました。

お姉さん達が居る治療院の前でお義父さんと別れて行動ですぞ。

一路山奥へと爆走ですな!

さーて楽しい狩りの時間ですぞ!

「エイミングランサーⅩ! ブリューナクⅩ! グングニルⅩ! リベレイション・ファアアイⅩ! リベレイション・ファイアストームⅩ! リベレイション・プロミネンスⅩ! ハハハ! 弱い! 弱過ぎるぞぉおおおおおおお!」

恒例の山奥でのLv上げにドラゴンやグリフィン狩りを慣行ですぞ!

「ギャアアアアア!?」

入念に刈り取ってユキちゃん達フィロリアル様の経験値にしてやりますぞ!

魔物達の悲鳴が轟きましたな。

「「ピヨォオオオ!」」

ユキちゃん達が楽しげに俺の肩に乗って声を上げますぞ。

楽しいお時間ですな。

手に入れたドロップ品などはお姉さん達の入院費とゾウの雇用費の積み立てに充てたのですぞ。