軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

浮上ギミック

「魔物の次は人間や亜人獣人の能力アップ効果のあるアクセサリーも登場ですか」

「クラスアップにも使えるみたいだぞ。該当属性持ちの能力を引き上げる触媒になるようだ」

「凄いなー……亜人や獣人種の場合、古の血を呼び覚ますって」

「宝の山ですね。本当」

「サディナさんに持って貰ったりクラスアップで使ったらどうなるんだろ?」

後で国の者に確認して貰った所、どうやら水属性適性の高い獣人種の中で更なる変身が出来るLvが大幅に低下する効果があるのが確認されたとの話ですぞ。

シルトヴェルトだとアオタツ種が、タクトの所にいた豚のように龍姿に変身出来るようになったとの話ですぞ。

「更なる変身が出来て本当のシャチ姿になったりしそうですね」

「だな」

「今でも出来そうだよね。サディナさん」

「ワイルド尚文の世界だとトドみたいな姿に人体改造された名残で変身出来たらしいなの」

ああ、凄く元気なお義父さんですな。

懐かしいですぞ。

「こう……その俺ってサディナさんを何だと思ってんだろう?」

「色々とヤバイカースに侵食されたなおふみだったらしいから気にしちゃダメなのー」

「今回手に入れたのは水属性の適性者らしいけど、他にも変身技能持ちの……ラーサさんとかフォウルくんの力を引き出せるアクセサリーとか見つけられそうだね」

「ラーサズサさんは竹……植物ですから土ですかね。フォウルさんの適性は獣属性でしたか」

「本当、来るのが非常に遅かったダンジョンという感想しか出てこない場所だな」

「良いんじゃ無い? 俺達よりも未来の時代で有効活用して貰えば良いだけさ」

「悪用もされそうですけどね」

なんて話をしてからお義父さんは改めて探索に戻りましたぞ。

ボスを倒した先は……お姉さんのお姉さんがサルベージで見つけた銛によく似た武器がありましたぞ。

懐かしいですな。ブリューナクの前身となるスキルですぞ。

今では全く使わなくなりましたな。

そうして武器を入手した先に進むと……水中なのに魚と木の実のマークが描かれている場所に出ましたぞ。

魚のマークは途中まででその先は木の実だけのようですな。

こちらの画面では上へとずっと続いていて見切れてますな。

「えーっと」

お義父さんが境界線で上をずーっとのぞき込んで居ましたが画面の方に顔を向けますぞ。

「尚文さん。こっち見ないで下さい」

空気を察して樹が円から出て声を発しますぞ。

「樹、出番だぞ。尚文の所為にして逃げるな」

「いえいえ、来た道を戻って別の場所の探索をすれば良いんですよ。きっと水を抜く仕掛けがあってその後にここに来るのでしょう。もしくは何かしらの事故か欠陥で水没した没マップです」

樹がダンジョンの構造を推測しますぞ。

ですが今までの構造からそう言った欠陥がこのダンジョンにあるとは到底思えませんぞ。

水と言ってもお義父さん以外は泳げない構造をしていますからな。

「確かに長年封じられていたダンジョンだから可能性はあるなの」

「そうですよ! ですから一旦帰りましょう!」

ライバルがここで樹の肩を持ちましたぞ。

ここは俺が反対意見を言うべきですな。

「いや、きっとここは樹とキャラクターチェンジをしてそのままプカリと浮かんで行くギミックだと思いますぞ」

俺だってゲームを嗜んで居た現代人ですぞ。

今までのギミックを見れば容易く最適解が想像出来ますな。

「だな。おそらくこの先はトゲとかあって、浮かんで行く樹が左右に動いて避けながら上を目指して行くんだろう。マップ的にも何かある」

錬が逃げようとする樹の腕を掴むので俺も合わせて樹のもう片方の腕を掴んで弓の円のある所に樹を連行しますぞ。

「錬さん! 元康さん! 離して下さい! 僕の出番ではありませんよ!」

「いやいや、間違い無く行けるギミックだろ、どうやらここのダンジョンは前回の所と似た感じでトゲに当たるとか致命傷を受けるとダンジョンから追い出されるだけの仕組みだ。当たって砕けてこい」

「どうしてこうも凝ったギミックがあるんですか! 恨みますよ! この迷宮を作った人を!」

樹がジタバタと抵抗しますな!

ええい大人しくするのですぞ。

「こ、こんな所で見世物になるわけにはいかないんです! ラフえもんさん! リーシアさん! 助けて下さい!」

「ふぇええええええええ!?」

「いつきくん!」

樹が往生際が悪く助けを求めてますぞ。

「諦めろ樹、この先がゴールかもしれないんだ。見逃す訳にはいかないだろ」

「良いから行けですぞ! お義父さん、樹が行きますぞー!」

ゲシッと俺は樹を蹴って円に入れてお義父さんにキャラクターチェンジを要求しますぞ。

「尚文! 行け!」

「なんだかな……俺が行けたらよかったけど。樹、頑張って」

「わあああああ!」

バシュッとお義父さんが周囲に酸素を出す泡のバリアを出すスキルを使ってから健闘を祈るとばかりに手を合せた後、樹とキャラクターチェンジをしましたぞ。

即座に樹はお義父さんが展開した泡のバリアで空気を吸い頬袋が膨らんでリスーカ限定エリアを登って行きますぞ。

「ゴボボボボ! ボボボボボ!」

樹が八つ当たりとばかりに画面方向に向かって弾丸を連射していますな。

見づらいですぞ。

閃光弾も混みですかな、フラッシュしまくりですが、樹がどんどん水の中を浮かんで進んで行きますな。

「なるほどなのーあんな感じなのー」

「……弓の勇者様には同情するわね」

「せめて泡に包まれるとかで浮かぶギミックでも良いと思うんだけどねー」

「んー……プカーッと上がってくー」

ライバルを初めとした婚約者、お義父さん、サクラちゃんが浮かんで行く樹を目で追いますぞ。

「ふえええ……イツキ様ぁああ……あと少しの辛抱ですぅ……」

「右、左……ああ、ちょっと歯がゆいなぁ……僕は水中だと動けなくなっちゃうから」

「ラフえもんって泳げないんだっけ? その辺りラフミちゃん達が改造して耐水仕様になってそうだけど」

「え? どうなんだろう? 後でラフミ達に聞いてみるよ」

なんて話をしながら俺達は樹がギミックを突破する光景を見つめていましたぞ。

ちなみにこの後の話なのですが樹は仕返しに錬を海に突き飛ばしておりましたぞ。

そんなこんなでザバァっと樹はリスーカ限定の水中浮上エリアを抜けて水面から出ましたぞ。

「プハァ! やっと水面に出ましたか!」

最寄りの陸地にザバァっと樹は乗り上げて呼吸を整えておりましたな。

もうキャラクターチェンジは可能なエリアですぞ。

「まだまだ先はあるようですが、ここまで僕にさせたんです。どんな代物があるのかしっかりと見届けさせて貰いますよ!」

半ばヤケになった様子で樹はその先にある報酬がありそうな部屋へと入りましたぞ。

何やら絵が描かれていますが特に何かせずとも光が走って開きましたな。

他にも行く場所はあるようですがまずは確認ですな。ここで手に入れた何かで次に行ける所が増えるという事なのでしょう。

するとそこには勇者文字の石版があり何やら書かれて居ますな。

画面にも注目とばかりにズーム表示になっておりますぞ。

「どうやら魔法が習得出来る様ですね。一体どんな魔法でしょうかね!」

ズカズカと乱暴な足取りで樹は勇者文字を見ますぞ。

俺達にも読める文字で表示されましたな。みんな覚えられる魔法という事でしょうな。

『力の根源足る弓の勇者が命ずる。森羅万象を今一度読み解き、彼の者の姿を変えよ』

「フォーフェアリーモーフ……って!」

ボフっと樹が魔法を使った影響で元の姿に戻りましたぞ!

もちろん全裸ですな。後ろ姿ですので画面は問題無いですぞ。

なるほど、こんな詠唱文なのですな。

この詠唱、一見すると文字をなぞったり日本語で発声すれば唱えられるかと誤解しそうですが魔法言語……魔力を紡いで独特の文字を描かないと行けないのですぞ。

ですがここに刻まれている文字は、魔法効果をしっかりと現せる代物ですな。

この姿になってしまった時の仕組まれた魔法ではなく完全習得出来るという事ですぞ。