軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

番外編 フィーロの摩訶不思議な迷宮

「ごしゅじんさまー見えて来たよー」

「ん?」

ごしゅじんさまがフィーロの馬車から顔を出してフィーロの前の景色を見るよ。

荒野って所のね、なんか真ん中に洞窟があるみたいなの。

で、洞窟の前にはりゅーこくの砂時計があるんだよ?

その洞窟の周囲に沢山の人が集まって何かしてるよ。

「あそこがそうか……」

「一体何なんでしょうね」

お姉ちゃんも一緒に顔を出してごしゅじんさまに聞いてるよ。

フィーロの名前はフィーロ!

えっとねーなんかねー世界が平和になってごしゅじんさまやメルちゃん達と楽しく過ごしていたらねーなんか突然、波みたいにある場所で突然ダンジョンってのが現われたんだってー。

その前にりゅーこくの砂時計が出来て、これは何かあるってみんな騒ぎになったって話なんだー。

だからごしゅじんさまがみんなで調べに行こうって事で行く事になったんだよ。

「さあな……俺達の力も今じゃそこまで万能じゃないし、どちらかと言えばこの世界にある正しいプロセスで構築された代物のようなんだが……よく分からん。何にしても調べなきゃ始まらん」

剣の人や弓の人、槍の人も一緒に来てるよ。

ごしゅじんさまが馬車から降りてメルちゃんとお話する時みたいにその場所の偉い人の所へお話に行ったんだよ。

それからごしゅじんさまは帰ってきて、これからどうするかお話をするみたい。

みんな揃ってごしゅじんさまからの指示を待ってるよ。

「あー……これから俺達は突如現われたダンジョンの調査をする事になった。何でもこのダンジョンは入ると暗くなってみんなバラバラに別れてしまう仕組みが働いているそうだ、ただ、合流は出来るそうだ」

「そうなのですか……ちょっと不安ですね」

「そうだな……後は錬、先発で入ったお前の話を聞いておきたい」

「ああ、俺とエクレール、ウィンディアで調査をするために入った。わかった事はダンジョン内には影みたいな魔物がいる、途中脱出出来る扉がある事と、聖武器や七星武器、眷属器なんかの武器持ちは入るとLvと武器がリセットされてダンジョン内で該当する武器を入手するまで変化出来なくなる。脱出するとリセットが解除されるという事だ」

えっと、よくわかんないけどねーツメが上手く使えなくなるみたい?

「それと該当武器を持っている者は落ちている武器が全て該当する武器に変わる仕組みらしい」

「勇者補正って事か……龍刻の砂時計にもなんか今まで見ない装飾があるし……一体何なんだろうな。それと何処かで聞いたようなシステムをしてやがる摩訶不思議な迷宮かよ」

「まーかーふしーぎー」

「フィーロは黙れ。緊張感が無くなる」

「えー……」

なんか楽しそうな言葉だったから言ったけどごしゅじんさまに黙ってて言われちゃった。

「となると俺は単独だとまともに戦えないから、待機している方が無難か?」

そうごしゅじんさまが呟いた所でね、アトラちゃんがごしゅじんさまの盾から出て来るよ。

「尚文様、盾を経由して迷宮の砂時計から情報が来ましたわ。尚文様は迷宮内の罠を明確に見て簡単に取り外して魔物が引っかかるように仕掛けられるそうですわ。それとすぐに仲間と合流出来る様になっていると」

「……精霊共が遊んでこんな場所を作ったんじゃないのか? なら帰るぞ」

「そう思って色々と尋問をしましたが精霊も分かっていない様子ですわ。ただ……あまり良い状況ではないのでは、と懸念を抱いてますわ」

チッ! っとごしゅじんさまが舌打ちするよ。

「どちらにしても本格的な調査をしないといけなさそうだな。みんな、そんな訳だから一緒に迷宮に入って調査をするぞ」

「はい。皆さん。行きましょう」

フィーロよくわかんないけど、ごしゅじんさま達と一緒にダンジョンに入る事になったよー。

洞窟の中をどんどん進んで行くとね、後ろの明るい所から先が暗くなっていくの。

お姉ちゃんが光の魔法を使って居たりね、みんな灯りを持ってるよ。

で、進んで行くとね。いきなりまっくらになっちゃったの。

「話通り暗くなったな。みんな、ちゃんと――」

ってごしゅじんさまの声が途中で聞こえなくなっちゃったよ。

それからすぐに暗いのが無くなって明るくなるよ。

フィーロの目には洞窟の道が見えるよ。ちょっと広いみたい。

持ってるツメがね。メルちゃんに教わったツメじゃなくなって最初のツメになっちゃったよ。

「ごしゅじんさまー? どこー?」

ごしゅじんさまさっきまでいたよね?

別れちゃうけどごしゅじんさまとすぐ再会出来るってお話だったはず。

後ろに誰かの気配がするよ。だからフィーロ振り返ったの。

「フィーロたーん!」

「槍の人だ! やぁああああああああああああああああああ!」

「待って欲しいですぞフィーロたぁああああん! バラバラに別れるというのに最初からご一緒とはこれぞ正に運命の導きですぞー!」

「やあああああああああああああああ!」

フィーロ必死で槍の人から全力で逃げるよ。

途中でね、魔物とかに会っちゃったけど気にしてたら槍の人に追いつかれちゃうから急いで蹴って走り抜けてったよ。

「ぉおおた――」

「やああああああああ!」

できる限り槍の人の声が聞こえなくなるまでフィーロ、洞窟の中を何階もずーっと下って行ったの。

びゅーん!

でね。やっと槍の人の声が聞こえなくなって一安心してフィーロ周囲を見渡すの。

「ここどこー?」

どこー? ってフィーロの声が木霊して聞こえてくる……声に反応して魔物が出て来るけど、フィーロのキックですぐに倒せたよ。

でね。ツメとか落ちてたから拾おうとしたらツメの中に吸い込まれちゃった。

えっとーこっちのツメの方が強いから変えるよ。

他に首輪とかー服も落ちてたから拾ってごしゅじんさまに後で渡そうと持って行くよ。

「ごしゅじんさまー!」

うー……ごしゅじんさまどこだろー? 途中でカチって音がしてちょっとの間めまいがしたりね。気持ち悪くなっちゃったり、突風で壁に飛ばされたりしてフィーロ嫌になってきたー!

早くごしゅじんさまに会いたいー! ってフィーロ頑張って進んで行くよ。

剣の人が言ってた出口を探すの。きっとごしゅじんさまも出口を見つけて出て来るはず。

そうして進んでくとね。

「くんくん……あ、フィロリアルの匂いがするー」

誰の匂いか分からないけどこの洞窟にいる魔物とは別のフィロリアルの匂いがしたよ。

仲間と合流出来るってお話だったからきっとこの先に誰かいるんだと思うー。

だからフィーロ、合流するために匂いの方へと行くよ。

するとねー最初、槍の人と一緒にいたような広い場所に出てね、そこに匂いの元のフィロリアルがいたの。

桜色でねー羽の先が白いフィロリアルがフィーロの方を振り向くよ。

あ、目も同じ桜色だよ。

誰だろー? 初めて見るフィロリアルでね、フィーロと同じくクイーンの姿だよ?

「あ、フィロリアルがいるーだれー?」

「フィーロの名前はフィーロー!」

「サクラの名前はサクラー!」

そうなんだー?

サクラって名前のフィロリアルみたいだよ?

槍の人が育てた子なのかなー? 村じゃ見た事無いよー?

でも槍の人、他でもフィロリアル育ててると思うから会ったこと無いフィロリアルがいても不思議じゃないよ。

「サクラはどこからきたのー?」

「えっとねーナオフミ達とねーダンジョンを調べに来たらサクラはぐれちゃったのー」

「フィーロもねーごしゅじんさまとダンジョンを調べに来たらはぐれちゃったんだよー」

「そうなんだー?」

ごしゅじんさまのお名前をサクラは言ってるみたい。

同じ名前の人? たぶんごしゅじんさまだよねー?

槍の人じゃなくてごしゅじんさまのフィロリアルなのかな?

この子、ごしゅじんさまなら分かるのかなー?

「なんかー何処かで会った事あるー?」

「んー? フィーロわかんない。村の巣で会った事あるー?」

「んー? 村はわかんなーい。ナオフミのお城はー?」

ごしゅじんさまってお城持ってるのー?

メルちゃんのお城かな?

「そのツメー」

「フィーロのツメー?」

サクラがフィーロのツメを見てるよ。

「ガエリオンが持ってるツメに似てるー」

「これフィーロのだよー!」

ドラゴンがフィーロのツメ持ってるとかやー!

「そうなんだー? じゃあ別のなのかなー?」

サクラはフィーロの事全然知らないフィロリアルみたい。

フィーロ、人の姿になるとサクラも人の姿になるよ。

背格好はフィーロと同じみたい。

「あ、声が聞こえる。おーい」

ってごしゅじんさまによく似た声がするよ。

声の方を二人で見てると暗闇からね、ごしゅじんさま……?

「あ、ナオフミだー」

盾はごしゅじんさまと同じのを持ってるけど、優しそうなごしゅじんさまだよ?

ああいう顔した時のごしゅじんさまって何か変な事を考えてる時だってフィーロ知ってるの。

けどごしゅじんさまはサクラの方を見て首を傾げてるよ。

サクラ大丈夫ー? ああいう時のごしゅじんさまって変な事にフィーロ達を巻き込むよー。

あ、でも機嫌が良いときは撫でてくれるからそんなでもないのかな? 最近、ああいう顔してる時があるし。

メルちゃんが警戒しすぎだって言ってた。

「そこにいるのは……サクラちゃん? だけど背が低いし幼い……ユキちゃんと同じくらいだ。あれ? 目の色が桜色? いや、前に元康くんが言ってた様な……」

んー? ごしゅじんさまが槍の人をくんって呼んでる?

「それに隣にいるのは元康くんが言ってた、フィーロちゃん!? 間違いない。前に見せてもらった絵にそっくりだ」

なんかごしゅじんさまに似てるけど何か違うね。

「うん! フィーロの名前はフィーロ!」

「そ、そうなんだ。けどこの二人って同一人物のはずじゃ……」

「まーかーふしぎー」

「その子はサクラちゃんに似てるけど小さいし目の色が違うけど……こんな所にフィーロちゃんがいたってのも不思議だなぁ。だけど上手く話して帰っても元康くん怯えててどうなるかわからないし……うーん」

「ごしゅじんさま、槍の人にフィーロを会わせようとするのー?」

「いや、そういうわけじゃ……けどガエリオンちゃんの話じゃフィーロちゃんってサクラちゃんで別の可能性って話なんだよね……?」

「サクラはサクラだよー?」

「あ、うん。そうなんだけどね。一体何が起こってるんだと思って……やっぱりこの迷宮が原因なのかな?」

ごしゅじんさまがブツブツと考えをし始めてるよ。

「ごしゅじんさまみたいだけどなんか違う。摩訶不思議ーなんかおもしろーい!」

「まーかーふしーぎー」

「まーかーふしーぎー!」

「いや、なんか二人とも緊張感無く言ってるけど笑える冗談が言える状況でもないからね?」

って、フィーロ、何か優しそうなごしゅじんさまと、サクラとダンジョンで合流したんだよー。

とりあえずこの三人で進んでいくんだってー。