軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

入場条件

ライバルめ! 今度は何を見つけたのですかな?

そんな訳で俺達は観光地化されているカルミラ島の鍾乳洞へと行きましたぞ。

すると鍾乳洞内の一画に球体の空間の歪みのような代物が出来上がっていました。

「これって活性化中のボスがいる所で確認できる奴だよね」

「だな。見た覚えがある」

「そうですな」

「この島にもあるんですね……もしかして、あのイベントと連動しているとするなら……」

トンと触媒を樹が球体の前に設置すると球体の歪みが大きく広がりましたぞ。

「なんだろう……入口が出来たって雰囲気だね」

「薄々感じていましたが、あのコンテンツの入り口でしょう。できれば行かない方向でどうにかしたかったですが、やらなきゃいけ無さそうですね」

「それ以外に手掛かりがないようだしな。踏破するか」

錬と樹がため息を吐きながら言いますぞ。

他に手立ても見つかっていませんからな、挑戦してみるのが良いでしょうな。

「これってあれだよね。みんなが話していたやり込み要素な感じの奴」

「ええ、他に手掛かりは無いですし、一気に行って調べてきましょう。こんな姿ではありますが僕たちなら行けるでしょう。皆さんも居ますし」

「行き当たりばったりだがな。何もしてないよりましだ」

「行きますぞ!」

「行きますわ!」

「ふええええ……」

という訳で俺達は球体の歪みへと近づきますぞ。

ブオン……っと球体は形状を変えて門みたいになりましたな。

そこから進もうとした所で、ゴン! っと音がしましたぞ。

ユキちゃんが壁に頭をぶつけたように額に手を当てておりますぞ。

「なんだこれは? 入れないぞ?」

クロタロウが翼を門へと近づけると透明な壁があるようにピッタリと何かに着けておりました。

「これは……」

リースカやラフえもんも同様に壁に手を当てましたな。

波紋のように何かが弾いている感じですぞ。

「ちょっと確認するなの」

ライバルが壁に手を当てて魔法を唱えますぞ。

「なの……物凄い強固な障壁なの。しかも流れ込む活性化のエネルギーから精製されているから壊しても即時再生する挙句弾く性質を持っているみたいなの」

「なんて厄介な……」

「俺たちの読みははずれだったって事か」

俺達はみんなの背から降りて壁を確認するために手を伸ばしますぞ。

すると壁を俺の手はすり抜けてしまいましたぞ。

「え?」

お義父さんも樹も錬も揃って驚きの声を上げました。

「あー……もしかしてさ。入場条件……今の俺達の状態って事だったりして」

「……そのようですね」

「なんていうか……仕組まれているのが分かるな」

「つまり勇者だけしか入れないダンジョンって事ですぞ」

ここにきてユキちゃんたちが参加できないとは困った事態ですぞ。

「とはいえ、僕たちしか挑戦できないならやるしかないですね」

「くぅううう。悔しいですわ! 元康様!」

「大丈夫ですぞユキちゃん! この程度のダンジョン、ユキちゃんの手を煩わせる程でも無いですからな! 俺が出かけている間の後を任せますぞ!」

「わかりましたわ元康様!」

悔し気にしているユキちゃんに俺は言葉を送りますぞ。

ユキちゃん達ならきっと何があっても俺たちの代わりに対処できるはずですからな。

「イツキ様ぁ……」

「いつきくん……」

リースカとラフえもんが樹を心配げに声を掛けますぞ。

「そんな心配しないでください。元はと言えば僕が試しに使った魔法が発端ですからね。原因を完全に特定できていませんがやって行くしかないでしょう」

樹は安心して待っていろとばかりに胸に手を当ててリースカ達に答えておりました。

で、錬はクロタロウから降りて振り返りますぞ。

「それじゃ行ってくる」

「行ってこい! レン!」

「クロタロウ……」

「行って、元の姿に戻ってボッチ仲間に戻るんだ!」

「……」

錬の目が呆れに染まって行きますぞ。

「なんだかな……それじゃサクラちゃん、メルティちゃん、ガエリオンちゃん。何かあったらよろしくね」

「わかったー」

「はい。有事の際の指揮は任せてください」

「色々と調べてみるなの」

お義父さんもサクラちゃん達への挨拶を終えましたぞ。

「ところで樹、この手のイベントってさ、周囲の島にあるダンジョンクリアとかでメインダンジョンでの障害が省かれるとか無い?」

「ありえますがまずはその障害に遭遇してから考えればいいでしょう」

「そうなるかー、それじゃ出発だね」

という訳で俺達はダンジョンの入口へと入って行ったのですぞ。

ダンジョン内に入りましたが……中は洞窟のようですな。

勇者四人でそのまま進んで行きますぞ。

そのまま進んでいくと扉がありましたな。

「んじゃ進もうか……よいしょ、あれ? 開かない?」

「えーっとゲーム設定だとここに掛かっているランタンを持って行くと進める設定だったはずです」

俺たちの身長で丁度良い所に壁に掛かっているランタンを樹は手に取りますぞ。

するとゴゴゴ……と扉が開きましたな。

「へー……このランタン、名前を出陣のランタンって言うみたいだね」

「そのようですね。一応設定では特定階層にある焚き火台にこのランタンの火を点灯させるのが目的だったはずです」

「ああ、とりあえず尚文が持って居てくれ、手が空いても大丈夫だろ」

「わかったよ。陣形を組むとして俺が先頭が良いよね」

お義父さんが樹からランタンを受け取り俺たちより一歩前に出て歩き出しますぞ。

次に錬が続いて俺がその後、最後尾は樹ですな。

「樹たちは覚えがあるみたいだけど、ここって結局ゲーム時代だとどんなダンジョンな訳?」

「エンドコンテンツ的なランダムダンジョンだ。100階層まであって魔物を倒しながら階段を見つけては潜っていく、生憎開拓生物姿でやるものじゃないがな」

「俺の方でも同じですな」

錬と俺はネットゲーム組なので認識の齟齬はあまり無いようですぞ。

「そうなんだ? 樹の方は?」

「仕組み自体は同じですね。ただのやり込み要素で実績も何もないイベントでしたので好きじゃないとできませんがね」

「あんまり旨味の無いイベントなんだね。ゲーム知識通りに最下層まで行っても何もなかったら骨折り損になりそう」

お義父さんの言葉に樹と錬は問題ないとばかりに微笑みましたぞ。

「尚文、俺たちのゲーム知識は黒幕が仕掛けた罠だって元康やガエリオンが言ってただろ」

「その罠である知識で旨味が無いコンテンツという事は逆においしいかもしれませんよ? そもそもプレイヤーがこんな状態になるなんて知りませんでしたし、もしかしたらクリア報酬が相当良いものかもしれません」

「あー……ゲーム知識がある勇者程、無駄と思ってやらないなら何かいい事があるかもしれないって事だね。問題は今の俺たちの状況なんだけど……」

確かにそうですな。

まずはこの姿から元に戻ることが優先されますぞ。

「差し当たって、俺たちがこんな姿になった事の意味とか考えてみようか、そもそも開拓生物ってなんで四種なんだろう?」

「ここでそんな事を考えるんですか? って魔物が出てきましたね」

バイオレッドブロブが跳ねて来ますぞ。

「さて、どの程度ですかね」

先制攻撃とばかりに樹が銃で狙撃するとバイオレッドブロブは消し飛びましたな。

「ふむ……外とあまり強さは変わらないようですね」

「今の俺達が弱体化して1からとかじゃなくてよかったね」

「あり得たのが怖いですね。その場合、僕たち聖武器同士の反発で経験値が全く入らない状態になりますが」

「むしろその場合、一人で潜った方が有利だな」

「そうなると俺は何もできなくなるんだけど……」

確かにお義父さんは攻撃できませんからな。

その場合は逃げに徹するか何かしなくてはいけませんぞ。

……? 何かあったような覚えがある気がしますが気のせいですかな?