作品タイトル不明
第113話 チョ〇ボレーシン……げふんげふん。②
――広大なサバンナ、そのど真ん中で。
小畑会の面々は、緊張感を漂わせその時を待っていた。
張り詰めた空気の中、七緒の【伴奏】により、派手なファンファーレが鳴り響く。そして、あー、あー、と。マイクで拡大された川辺の声が聞こえてきた。
『秋の涼やかな風と、穏やかな日差しの渋谷ダンジョン26層。記念すべき第一回小畑記念。サバンナ八千メートル。右回りの熱い戦いがいよいよ始まります。本日の実況は私、川辺。解説は伊波でお送りいたします。伊波さん、どうぞよろしくお願いします』
『まさか二度目の茶番をこんなに早くやる羽目になるとは思っていませんでした。伊波です。よろしくお願いします』
この状況を予想していたのだろうか。流れるようにマイクとスピーカーを用意されては、二人もやれないとは言えない。
それでも不本意ですと言わんばかりに、伊波は溜息を吐く。
『あのさぁ、僕あまり競馬に詳しくないんだけど。ウ〇娘をかじっただけのライトユーザーだよ? 解説なんてできるかな?』
『心配すんな! 俺だって一緒だし! ノリと勢いでなんとかなる!』
『ならないと思うんだけどな。まぁいいか。しかしサバンナ八千とはとんでもない長さですね』
『馬としてみれば確かにその通りです! でも今回は馬ではなく魔物のダチョウ! 8000でも感覚的にはマイルか中距離くらいではないでしょうか!』
『確かにステータス的に考えればそうなのか。改めて考えるととんでもないダチョウだね。思った以上に早く決着がつくかもしれません』
いよいよ集中してきたのか、伊波の表情も真剣なものになってくる。
そんな中、いよいよ本羽場入場が始まった。
『さぁまずは一枠一番。たまには忍ばず走りたい。影から飛び出しぶっちぎり。ハットリコタロー、鞍上は拝賀君』
『強くなって自信がついた影響でしょうか。いきなり前に出てきましたね。これが吉と出るか凶と出るか。個人的には応援してあげたいところです』
『二枠二番。走るよりも殴った方が強い。唸れ必殺ブロー。ランボウ、トシさん』
『出したら駄目じゃないのかそれは……』
『三枠三番。数少ない知性派。じっくり構えて、出るか勝利の言葉、今です! サクシコーメイ、マサ君』
『待て、慌てるな。これはコーメイの罠だ』
『四枠四番。シュガレスからの刺客がやってきた。最初から最後までクライマックス、兵藤さん』
『モモ〇ロスじゃないんだから……』
『五枠五番。その名は女神の愛羽の証。勝利の女神を見事ゴールまで運ぶことができるか。ベイグル、ミライさん』
『ベイグルのプレッシャーが正直可哀そうです』
『六枠六番。大事にしているからこそ、お前は俺のようになるな。その名に愛と悲しみを込めて。グンシン、世永さん』
『……うん? ごめん、これどういう意味?』
『ほら、ホストの……』
『――あ。ああ、そういう。優しさが染みるね』
『七枠七番。全ては俺から始まった。原点にして頂点。勝利の雄叫びを吐くのはゲロゲロ、チヨちゃん』
『汚いから吐くな。そこは叫べ』
『八枠八番。なぜ俺が強いかを知っているか? 元々強いからよ! マツカゼ、真帆さん』
『傾きすぎてコースアウトしないかだけ心配ですね』
『以上、優駿八羽による祭典となります。熱いドラマをご期待ください』
『ツッコミ所が多すぎてもう疲れた……』
ノリノリの川辺とは違い、伊波はぐったりと司会席で項垂れた。
両者の温度差がよく分かる光景だった。
『さて、各羽がウォーミングアップを初めておりますが、とても余興のレースとは思えない空気が漂っております。どの騎手も真剣、まるで抜き身の刃のような殺気さえ感じます。それも当然です。このレースの勝者は実際の競馬同様、順位に応じて賞金が出ます。なんと一着の賞金は小鈴食券十枚! 特に麻雀で巻き上げられた連中はここで取り返したいところでしょう!』
『実質一千万かー。本気にもなるね』
もはや遊びの金額ではない。稼いでいる人間の集まりとはいえ、アホかこいつら。
『もちろん金がかかっているのは騎手だけではありません! さぁ皆さんスタートは間も無くです! 羽券の購入はお早めに!』
『ますます荒れる気がするのは僕だけでしょうか。ちなみに君は買ったの?』
『もちろん! ゲロゲロに単勝五枚分です! 今日の夕飯に三人前は頂こうと思ってます!』
『勝てればの話だよそれ』
一口だけと強請られても、絶対にあげないようにしよう。
伊波は固く心に誓った。
『さて、どいつもこいつも一癖ある兵揃い。誰が勝つか予想が難しいです。解説の伊波さんはどう思いますか?』
『そうですね。正直、各羽の能力に関しては誤差でしょう。となると、鞍上の腕で勝敗が左右されます。そういう意味では、意外と女性の騎手は有利かもしれませんね』
『ほう? と言いますと?』
『単純にウェイトの小さい方がダチョウの負担が小さいですからね。距離が長いほどこの差は大きくなるでしょう』
『それは問題ありません! ちゃんと各自の体重聞き取りを行い、重りを乗せて揃えております!』
『そこまでやっているのか。ちょっとガチすぎない?』
『ちなみに、女性陣は体重の申告で嘘を吐きまくって一悶着ありました。さすがに10キロもサバを読むのは笑う――ヒッ!?』
『死にたいのか君は?』
女性騎手からのピンポイントから飛んできた殺気に、川辺は恐怖の声を漏らす。
ハッキリ言って、魔物より怖かった。
『だとしても、やはりゲロゲロとベイグルは有利ではないでしょうか? 乗り手の腕もさることながら、何よりも信頼関係が違います。人羽一体の絆を見せてくれるでしょう』
『いっ、いえ! 伊波さんのその予想は甘いと言わざるを得ませんね!』
『ほう? と言いますと?』
『これがただのレースならば伊波さんのいう通りでした。しかし、これは探索者のレースです。速度も大事ですが、何よりも大事なのは生き残る強さ! よって、このレースは普通の競馬にはない特殊性があります』
『なるほど。つまり?』
『妨害ありありです』
『それだけは追加しちゃダメなルールでしょ』
この連中にそんなルールを与えたらどうなるか、目に見えているじゃん。
頭を抱えた伊波に、川辺は補足する。
『妨害ありといっても、スキルによる遠距離攻撃は禁止です。危険な武器の使用も禁止。許されるのは体当たりといった肉体的接触くらいです。とはいえ、競馬と比べれば遥かに危険なのは間違いありません。斜行? 接触? そんなの関係ありません。当たった程度で調子を崩す方が悪い。むしろ当たってきたらぶっ殺せ! そのくらいの気迫を見せてほしいところです』
『なんて物騒なレースだ。しかし強くなったとはいえ、チヨちゃんがそこに混ざるのはちょっと心配かな』
『そうですね。ラフプレーを狙うなら相手を見極めなければなりません。仮にチヨちゃんを狙ったらブーイングの嵐は間違いありません』
「舐めんじゃねぇー! 私とゲロちゃんで皆殺しにしてやりますよっ!」
「グゥェエエエエエエエエエエ!!」
『なんであの子オレの援護を無駄にしてんの?』
『ああー、これはダチョウ以上にチヨちゃんが興奮してますね。あの子、こういう勝負ごとには熱くなるタイプなのかな?』
闘志があるのは結構なことだが、今の宣言で完全に目を付けられた。参加者全員がひっそりとチヨちゃんを窺っている。
これが吉と出るか凶と出るかは、まだ分からない。
オレの為にも頑張ってくれと、川辺は心で合掌を捧げた。
『どうにか無事にゴールをしてもらいたいところです。ちなみに拝賀君にやったらどうなると思います?』
『シカトでしょうね。あの子は何をやっても生き残るでしょう』
『それもそうか。ではミライさんでは?』
『よくやったと歓声が上がる――ヒィッ!?』
一際鋭い寒気が、伊波の背筋に走った。当然、ミライの殺気である。
ミライから逃げるように、伊波は改めて会場のダチョウたちを見回した。
『し、しかしこのルールではゲロゲロ、チヨちゃんペアが有利とは言えないかもしれませんね。ラフプレーに慣れてるとは言い難いでしょうし』
『いえ、そうとは限りません。羽主の小畑氏曰く、ゲロゲロに秘密兵器を仕込んだ、らしいです。これで食券はいただきだと』
『ほう、それは大した自信ですね。……もしかして、君がゲロゲロに賭けたのは?』
『当然、その話を知っていたからです! オレたちの勝利は決まったも当然だ!』
『なぜ僕にも教えなかったんだ。いや、しかし……』
ありなのかそれは? と、伊波は憂慮した。もはやインサイダーとか、八百長に近いのではと……。
見れば、楓太と天城が揃っていやらしい笑みを浮かべていた。どうやら天城も密かに情報を流してもらったようだ。当然その手にはゲロゲロの名が刻まれた羽券が……なんと十枚!
よほどの自信なのだろうが、その周りの連中の冷たい瞳に気づいているのだろうか。
仮に勝ったとして、勝利内容によっては認められるかどうか。
買わなくて良かったかもしれないと、伊波は正直ほっとした。
『なるほど。それなら勝てるかもしれませんね。……しかし、なんだか荒ぶってませんか?』
「グェエエエエ? グェエアアアアアア!?」
「ゲ、ゲロちゃん、どうどう……ッ! 落ち着いて、まだ早いよー。血祭りにあげる時間はもう少しだからねー……ッ!」
『さっきのチヨちゃんの宣言が効きすぎたのかもしれません! チヨちゃんも宥めようとしてますが、周りに威嚇しまくってますねー! これは応援されてやる気が空回ってる感があります! ――なんか嫌な予感がしてきた』
近づいたダチョウに対しガンを飛ばす様は、まるで意味もなく喧嘩を売ってくるチンピラの如し。どんなに前評判が良くても、パドックで見たらまず候補から外すような入れ込み具合である。
『いや、大丈夫だ。ゲロゲロを信じろ。アイツならやってくれる。――さぁ、各羽順調にゲートに入っていきます。スタートまで間もなくです!』
『まさかあんな物まで作るとは。暇人が多すぎないか?』
伊波が呆れている間に、ゲートには順番にダチョウが入っていく。
最後にオラついたゲロゲロがゲートインして、準備は整った。
――バカンッ! グェエエエエエエエ!!
そして、運命のゲートが開いた。
『さぁ各羽一斉に綺麗なスタ――ぎゃああああああああああ!?!?』
『汚い悲鳴』
川辺に実況をする余裕はなかった。
なんとゲロゲロはゲートが開いたというのに、翼を大きく広げ、片足を振り上げている。
実に迫力のある姿だが、レースにおいてこの出遅れは致命的といえた。
「ふざけんなバカやろー!」
「金返せー!」
観客の怒号と、まるで桜を思わせる羽券の紙吹雪。
それは俗に百二十億事件と呼ばれるあの伝説のレースを思わせた。
『あのバカ鳥マジでふざけんな!? こんなもの――』
川辺も衝動的に羽券を投げようとしたが、ハッと表情を変えた。
これだけのトラブルにおいても、ニタニタ笑いの止まらない楓太と天城の姿。
この状況でなお見せている、その余裕の意味は――
『――ご来場の皆様。羽券はレースが終わるまで保管ください。無くした場合、またご自身投げ捨てた場合、苦情は受け付けません。ゲロゲロぉ! オレはまだお前を信じてるぞ!』
『いや、実際にこれは功を奏したかもしれません』
スタート直後の羽群は、まさに混乱を極めていた。
妨害あり。ラフプレーが許されるからこそ、スタート直後の位置取り争いはより激しくなる。ガンガン当たるのは当たり前。押し返して、跳ね飛ばし、当たりながら無理矢理進んでいる。
「邪魔すんじゃねぇ雑魚がぶっ殺すぞ!?」
「邪魔なのはお前だボケが! 口だけで粋がってんじゃねぇ!」
「女子供が前に出るな! 大人しく後ろに下がってろ!」
「はぁ!? 引っ込めよジジイ! 今時男女だの年齢だの古いんだよ!」
お互い負けじと罵声を飛ばし、内容が酷くなるにつれドンドン当たりも過激になっていく。そしてとうとう、体勢が崩れて走りが乱れた者が現れた。
お互いに当たった勢いが抑えきれず、盛大にクラッシュ。その衝撃で騎手が振り落とされる。その二羽を置いて、無事なダチョウたちが進んでいく。
『ああーっと!? グンシン、世永ペアとクライマックス、兵藤ペアが転倒です!? その間に各羽が飛び出し、そして今、悠々とゲロゲロが通り過ぎていきました!』
『激しい位置取り争いでしたね。あれを避けることができたという意味では、ゲロゲロの動きは正解だったかもしれません』
体力の消耗を避けるという意味では、まさしく怪我の功名。
一番後ろを走ることになったが、それだけのリターンは得られたかもしれない。
「…………」
「…………」
そして落羽して残された二人は、むくりと起き上がる。怪我が無くてなにより。そう思っていたら、お互い無表情で睨み合い――凄絶な殴り合いを始めた。
『ああーっと、これは醜い! みっともない殴り合いです! お互いに自分が悪いとは全く思っておりません! お前のせいだと言わんばかりです! とても子供には見せられない!』
『二人は放っておいて、集団の動きを追ってみましょうか。どうやら羽群が安定してきたようです』
常人外れの身体能力と、高等技術の応酬。ハッキリ言ってチケットがいくらでも売れる喧嘩だが、血を見慣れてる探索者たちにとっては無価値でしかない。
負け犬は興味もないとばかりに、皆が飛び出したダチョウを目で追った。
『先頭、ハットリが一羽飛び出している。そこから三羽身後ろにベイグル。コーメイ、マツカゼが中団を作ります。更にそこから二羽身後ろの意外な位置にランボウ。そしてポツンと一人、ゲロゲロ』
『ゲロゲロは本当に一人ですね。ここから勝てるのか? しかしハットリは気持ちのいい逃げっぷりです』
『主人の気質が表れてますねー。逃げるのは得意だと言わんばかりです』
「拝賀ぁあああああ! テメェ負けたらぶっ飛ばすぞ!?」
「トチるなよ! そのまま行けえええええ!」
「そんなに飛ばしていいのかー!? ペース早いんじゃねぇのー!」
「目立ちたいからって無理すんなよ! スタミナ切れはカッコわりぃぞー!?」
『観客からの酷いヤジがとんできます! これは拝賀君もやり辛い!』
『いえ、見てください。むしろ小馬鹿にするように笑っています。この程度の精神攻撃はもはやなんとも思っていないのでしょう。図太い精神力にようやく実力が追い付いたということでしょうか。自信に溢れております。拝賀君、本当に成長したんだね……ッ!』
『やべっ、俺もなんだか泣きそうになってきた』
ミライさんにこき使われ、会議の度に裸に剥かれては、チ〇コを痛めつけられる。
あの拝賀君はもうどこにもいないんだなと、川辺と伊波は感動と一抹の寂しさを覚えた。
ヤジにも動揺しない図太さがあるならば、走りが乱れることはないだろう。
このまま先頭で、軽快に逃げ続けることも――
『――おおっと、どうしたことでしょうか? ハットリ、また速度を上げました! 四羽身、いや五羽身! って、これはちょっと暴走気味じゃね? 拝賀君の調子に乗る悪い癖が出たか!?』
『ああ~……いや、これは恐らく違いますね』
「くっ、ハットリ! 落ち着け、大丈夫だからっ!」
「グェ……ッ! グゥエェェエエエェェ……ッ!?!?」
拝賀はハットリに声をかけ、落ち着かせようとしている。しかしハットリは顔を引き攣らせ、何かに追い立てられるようにその速度を上げ続けていた。
その必死な表情から、川辺もようやく察した。
『これは……拝賀君ではなく、ハットリが暴走しているということでしょうか?』
『はい、その通りです。そして原因は後ろのミライさんですね』
二番手を走るのはベイグル。そしてその鞍上のミライは、静かにハットリを見据え――殺気を飛ばし続けていた。
『後ろの見えない位置から、ミライさんに圧を掛けられてはパニックになるのも当然です。拝賀君には効かないと見るや、即座にハットリにターゲットを切り替えるのはさすがの判断力。しかしえげつないですね』
『逃げ牽制って殺気を飛ばすことだったのか……』
よりにもよって一番怖い人から狙われ続ける。生まれたばかりのハットリには酷だろうと、実況席の二人はハットリに同情した。
これを続けられては先がない。それを拝賀も分かっていたのだろう。
拝賀は腰元のウエストポーチに手を突っ込み、さりげない動作でそれをばら撒いた。それは一瞬で行われ、後ろを走っている者からは突然それが現れたようにしか見えなかった。
「――チッ!」
「――えっ!? うわっ!? 危なっ!?」
しかし、後ろを走っていたミライと真帆は、これに瞬時に反応して愛羽に合図。無事にそれを避ける。さすがの反応と言えよう。
だがその二人が目隠しとなってしまったマサは、反応が遅れた。
――ブスッ!
「――グェエエエエエエエエエエ!?」
「おわっ! ちょっ、危なっ――ぐわぁあああああああ!?」
『おおーっと!? 何かを踏んだコーメイが盛大に転んだぁあああああ! マサ君はここで脱落! あっさりとした退場でした!』
『まきびしですねぇ。おそらくダチョウ向けの特注品でしょう。〈忍者〉である拝賀君らしい技です。いつの間に用意したんだろ?』
深々とささったまきびしに悲鳴を上げ、コーメイは耐えきれずその場に転倒。まきびしを踏んづけた足を高くあげ、涙を流しながら大口を開けていた。賢そうに見えた顔つきが見る影もなかった。
ランボウ、ゲロゲロにまで追い抜かれて、ようやくマサは体を起こす。あちこちにあざを作ったが、どうやら大きな怪我はないらしい。
「――ちょっと実況席! 今の反則じゃないんですか!? 武器は無しでは!?」
『有りです! 投げナイフは危ないので反則ですが、まきびしはオッケー!』
『むしろしっかりと決めた拝賀君を褒めるところです』
「いやそもそもアイテム使用有りとか聞いてないんですけど!?」
『聞かれてませんからね! 後で言っても遅いので、最低限のルールはちゃんと自分で確認しましょう! ちなみに拝賀君は密かにちゃんと確認しております!』
『勝つためにルールを確認し、コスい手も平然と使う。抜け目ないですね』
「いやズルいでしょ! こんなので負けを認めろと!? ラフプレーは受け入れるとしてもアイテムは無しでしょ!」
『マサ君。ようはマリ〇カートのバナナみたいなもんですよ』
『君はバナナを避けられなかったからといって、相手のせいにするのかな?』
「そりゃそうですけど! そもそもルールの告知を怠ってるって言ってんですよ!」
いくらブチ切れても結果は変わらない。
喚くマサを置いて、レースは中盤へと進む。