軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第二百二十七話 異世界産のものにドハマりする神々

「ふぃ~、いいお湯だったぜ」

『風呂はやっぱいいなぁ~』

『お風呂気持ちーねぇー』

ドラちゃんとスイと一緒に風呂に入り上がったところだ。

ここの風呂に入れるのも明日までか。

元が貴族の別荘ということで、ここの風呂も立派で広くてなかなかのものだった。

ここの風呂に入れなくなるのはちょっと残念だ。

『あるじー、寝る前に甘い飲み物欲しいなぁ』

『お、いいな。俺にもくれ』

風呂上りに飲む甘い飲み物っていうと、フルーツ牛乳だな。

「そんじゃ、2階行ってからね」

俺たちが寝床に使っている2階の主寝室には既にフェルが自分の布団の上でくつろいでいた。

「フェル、ドラちゃんとスイがフルーツ牛乳飲みたいって言ってるんだけど、フェルも飲むか?」

『うむ、飲むぞ』

ネットスーパーでフルーツ牛乳を買って、それぞれの皿に注いでやった。

「飲み終わったら皿はそのままにして、先に寝てていいからな。俺は隣の部屋でちょっと用足ししてくるから」

『ぬ、なにかあるのか?』

「あれだよ、あれ。神様たちにさ」

『おお、そうか。しっかり勤めるのだぞ』

しっかりかどうかはわからんけど、一応ね。

って、そうだ、神様ってことは……。

「なぁフェル、神様たちってこの世界のことは何でも知ってるのかな?」

『そりゃそうだろう。神なのだからな』

ふむ、そうか。

ならば、これから行くエイヴリングのダンジョンのことも知ってるかな?

情報収集としてちょっと聞いてみよう。

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

「みなさん、いますかー?」

そう聞くと、すぐに神様たちから反応がある。

『待ってたのじゃー』

『待ってたわよ』

『待ってたぜ』

『……ケーキ』

『おう、やっとか。待ちくたびれたぞい』

『やっと来やがったか』

……俺が言うのもなんだけど、神様たち 異世界(地球) 産のものにドハマりしてるよなぁ。

『仕方がないのじゃ。お主の世界のものは美味しすぎるからな!』

開き直りかよ。

さすがというか安定のポンコツぶりですな。

ま、いいや、さっさと済ませますか。

「それじゃ、いつものようにニンリル様からですか?」

『ポンコツとは何じゃッ、まったくお主は失礼なやつだのう~。妾の希望はな、いつものように不三家のケーキなのじゃっ』

おっと、神様たちは俺の考えてることが読めるんだったな。

気を付けよ。

ニンリル様はいつものようにケーキってことだね。

ネットスーパーの不三家のメニューを開いてっと。

お、新商品が出てる。

「ニンリル様、新商品でてますけど……」

『な、なぬっ?! 見せるのじゃっ』

「これです」

新商品のマンゴーを使ったケーキ類を見せた。

『ぬおぉぉぉっ、色鮮やかで美味しそうではないか! これは全部欲しいぞッ』

はいはい、新商品は全部ね。

マンゴーのロールケーキに、涼しげなガラスの器に入ったマンゴーのショートケーキ、それからマンゴーソースのかかったレアチーズケーキにマンゴーのジュレと果実の載った杏仁豆腐を次々とカートに入れた。

「残りはどうしますか? この前の続きだと、ホールケーキのメニューにある……えーっと、このフルーツがたくさん載ったタルトとミルクレープはまだでしたよね?」

『むほーっ、美味しそうなのじゃ。うむ、その2つはまだじゃったぞ。それも頼む』

フルーツタルトにミルクレープもカートへ。

残りの予算でいけるものは……。

「あと残りの予算内のものだと、このプチサイズのケーキの詰め合わせなんてどうですか? これでちょうど金貨1枚になりますよ」

『おおっ、いろんなケーキの詰め合わせか。良いではないか、それにするのじゃ』

はいはい、プチサイズのケーキの詰め合わせね。

よし、これでニンリル様の分は終わったな。

「次はキシャール様ですね」

『ええ、私よー。この間の化粧水とクリームね、すんごい良かったわよ~。翌朝の肌のハリが今までと違うんだもの、ビックリしちゃったわよ。だからね、あれと同じシリーズの美容液が欲しいの』

あれってそれなりの値段したもんな。

気に入ってもらえて何よりだ。

あれと同じシリーズの美容液か。

どれどれ…………ゲゲッ、30ミリリットルの美容液が銀貨8枚と銅貨5枚もするぞ。

「あ、あの、銀貨8枚と銅貨5枚とけっこう高いですけど、これでいいですか?」

『ええ。化粧水とクリームで効果を実感しているもの。きっと美容液も効果が高いはず。これにしてちょうだい』

美容のこととなると女性って躊躇ないね。

こんなちょびっとしか入ってなくて銀貨8枚と銅貨5枚か……男にはわからん世界だわ。

俺はそんなことを考えつつキシャール様が希望する美容液をカートに入れた。

「残りの銀貨1枚と銅貨5枚はどうしますか?」

『あ、残りは石鹸にしてもらえるかしら』

何でもキシャール様の従者をしている下級神の娘に分けてあげたから残ってないんだそう。

そんなことして 創造神様(上司) ?にバレたら不味いんじゃないですかって聞いたら「しっかり口止めしといたわ」とのこと。

石鹸のことをしゃべったらもうあげないって言ったら絶対に言いませんってキシャール様に誓ったんだってさ。

神と神との誓いだから、これを破ると大変なことになるらしい。

下級神の娘、石鹸のためにそんな誓いたててよかったのか?

ま、まぁ神の世界のことはわからないしね。

と、とりあえず石鹸だ。

「まずは前と同じローズの香りの石鹸がいいですかね?」

『そうね、それでお願いするわ』

「残りはどうしますか? 石鹸はけっこう種類ありますけど」

そう言って石鹸がずらりと並ぶ画面を見せた。

『あら、本当ね。んー、それじゃ異世界人クンのおすすめのでいいわ』

俺におまかせってことね。

それならば……俺が愛用している牛のマークの石鹸だな。

香りもいいし、すっきり洗えておすすめだ。

ちなみに俺は青い箱の方を愛用しているぞ。

あとはクリームみたいな泡が売りの石鹸も有名どころだしいいかも。

もう1つくらいいけるけど、どれがいいかな…………あ、このアメリカ産の石鹸もよく見かけるな。

よく見かけるってことは売れ筋なんだろうし、これでいいか。

俺は石鹸4種をカートに入れた。

よし、キシャール様の分も完了だ。

「次はアグニ様ですね」

『おうっ、アグニだ。オレは当然ビールだぜ! この前みたいにビールのつまみも頼みたいところだが、今回はビールだけだ。つまみは自分とこでも用意できるが、この異世界の美味いビールだけはお前からしか手に入んないからな』

手に入らないからなって、この前けっこう渡したよな。

確か1ケース+6本パックを3つだから、350ミリリットル缶で42本。

え、これ1週間で飲んじゃったの?

『いやー、動いた後のビールは最高だし、寝る前に飲むのもウメェしなぁ。気付いたら1本も残ってなかったぜ。ハハハッ』

ハハハじゃないですって、さすがに飲み過ぎだよアグニ様。

『大丈夫、大丈夫。毎日美味い酒が飲めるからか、いつもより調子がいいくらいだからな!』

前にキシャール様が神様だって神界にいるときは人と変わらないとか言ってたけど、寿命は相当に長いし病気もしないとも言ってたからな。

やっぱり人とは違うんだろう。

「それじゃ、本当に全部ビールだけでいいんですね?」

『おう、それで頼む』

そういうことならビールを選んでいきますか。

この間はA社のプレミアムなビールをケースで買ったから、今度はS社のプレミアムなビールをケースで買ってみよう。

S社のプレミアムなビールもアグニ様は美味いって言ってたからな。

A社のプレミアムなビールとYビスビールの6本パックだろ、それからA社の黒ビールも6本パックがあるからこれもだな。

あとはK社の麦の旨味にこだわったっていうビールにS社の昔からある黒いラベルのビールの6本パックだ。

よし、こんな感じでいいかな。

発泡酒もとも思ったけど、あえてビールにこだわってみた。

よし、これでアグニ様の分も終わりっと。

「次は……」

『私、ルカ。あなたがベルレアンの街で食べてたご飯も美味しそうだった。でも、ニンリルが頼んでたケーキ見たらやっぱりケーキがいい。私も新商品食べたい』

おう、ルカ様が珍しくグイグイ来るね。

「それじゃ、前と同じく今回もニンリル様と同じでいいんですか?」

『同じがいいけど、前に食べたアイスっていうのもまた食べたい』

アイスもか……。

「それなら新商品のマンゴーのケーキ類とフルーツがたくさん載ったタルトとミルクレープは同じにして、残りをアイスにしたらどうです?」

不三家のメニューを見せながらルカ様に説明していく。

「残りでこのカップアイスの中から8個選べますよ」

『ッ!!! とりあえず全部。残りはあなたが選んで』

全種類を買った残りは2個か。

俺が選んでいいっていうことだけど、ここはやっぱり定番のバニラとチョコだな。

これでルカ様の分も完了っと。

「次は……」

『当然儂らじゃっ』

『おうっ、俺らだな』

はいはい、酒好きコンビね。

『いやー参ったぞ。この前お主に選んでもらった酒はどれもこれも美味かったぞい。同じウイスキーと呼ばれる酒でも、それぞれ違うもんなだなぁとつくづく思ったわい。本当に異世界の酒は美味いのう』

『本当だぜ。今まで飲んでた酒は何だったんだって思うぜ。本当に美味い酒の味を知った今じゃ飲む気さえ起きないな』

本当にこの2人ウイスキーにハマってるねぇ。

まぁ、この世界の酒っていったら主流はエールって呼ばれるやつだもんね。

2人からしたら酒精が弱いってことだろうし。

「それで、何にしますか?」

『そこが悩み処なんじゃ。前回と同じ酒も捨てがたいし、新しい味とめぐり会いたい気持ちもあるからのう』

『そうなんだよなぁ。悩むよな』

酒好きな2人は相当悩んでそうだね。

『儂はやはり世界一のウイスキーは外せんと思うんじゃ』

『それは俺も同意だな。あと俺は丸みのある瓶のウイスキーも捨てがたいと思うぞ』

『おお、あれか。あれも美味い酒だのう。確かに捨てがたい。この2つは確定でいいじゃないかのう』

世界一のウイスキーと丸みのある瓶っていうと日本のメーカーのシングルモルトウイスキーか。

『なぁ鍛冶神の、残りは新しい酒でいいんじゃないか? 美味い酒とのめぐり会いは貴重だぞ』

『確かに。うむ、そうしよう、戦神の』

「それじゃ残りは新しい酒でいいですか?」

『うむ』

『ああ』

2人のお眼鏡にかないそうな酒っていうと……これなんてどうかな?

ウイスキーを飲まない俺でも名前くらいは聞いたことある。

それにシングルモルトウイスキーの最高峰って説明されてるし。

何々、シェリー樽で最低12年間熟成させた原酒でフルーティーな香りが特徴らしい。

「ちょっと高いですけど、こちらはどうですか? 俺はウイスキーには明るくないですけど、これの名前はきいたことあります。それに説明に”最高峰”って言葉がありますよ」

『『最高峰……』』

『うむ、それがいい』

『ああ、それだ』

よし、これに決定っと。

あとは……お、これなんかどうだろう。

説明書きによると、ライ麦の代わりに冬小麦を使っててまろやかな味わいらしいぞ。

「これもまだ飲んだことないものだと思うんですが、どうですか?」

『記憶にないな、戦神のはどうじゃ?』

『俺も見たことねぇな。うん、これでいいんじゃないか』

これも決定だな。

あともう1本くらいいけるな。

お、これなんかどうかな。

値段もちょうどいい感じ。

大寒波で冷やされて偶然生まれたって逸話のあるウイスキーだ。

「最後の1本ですが、これなんてどうです? これもお2人はまだ飲んでないと思いますよ」

『ああ、見たことねぇな』

『うむ、儂も見たことがないのう。これでいいんじゃなかろうか』

よしと、これで最後の1本が決まったな。

あとはいつもの通りに段ボールの祭壇に載せてと……。

「みなさん、どうぞお受け取りください」

段ボール祭壇の上から品々が消え、神様たちの歓声が聞こえた。