軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

十二英雄

エクニス高原の入り口に三十人の冒険者たちが集まっていた。

全員が白色を基調とした服を着ていて、魔法の武器を持っている。

白い鎧を装備した女戦士が紫色の髪をした青年に歩み寄った。

青年は金の刺繍をした服を着ていて、両腕に金の腕輪をはめていた。太めのベルトにはSランクの証である金色のプレートがはめ込められている。

「アスロム様」

戦士の女が十二英雄の名を口にした。

「周囲に魔族やモンスターの気配はありません」

「みたいだね」

青年――アスロムは紫色の瞳で冷たい風に揺れる草原を見回す。

「とりあえず、今日は斥候を出して、残りは夜営の準備をしようか」

「いいのですか?」

女が首をかしげる。

「ゼルディアを狙って、他の団やパーティーも動いている情報があります。彼らに先を越されてしまうかもしれまん」

「それはいいことじゃないか」

「いいこと……ですか?」

「ああ。重要なのは六魔星のゼルディアを倒すことで、誰が倒したかは関係ないよ」

アスロムはにっこりと笑った。

「僕たち以外の誰かがゼルディアを倒してくれるのなら、楽でいいじゃないか。犠牲者も出ないしね」

「は……はぁ」

女は目を丸くしてアスロムを見つめる。

「ははっ。さすがアスロム様ですな」

白銀の鎧を装備した体格のいい重戦士の男が笑い出した。

「六魔星を倒す名誉などいらないということですな。やはり、あなたこそが真の英雄です」

「そんなことはないよ」

アスロムは首を左右に振る。

「十二英雄の中には僕より強い英雄が何人もいる。彼らこそが真の英雄さ」

「俺はそうは思いませんね。真の英雄は強さだけではなく、心も清廉でなければ」

「私もダグラスと同じ考えです」

女が言った。

「アスロム様は強くて優しい完璧な英雄だと思います」

「テレサもダグラスも身内びいきが過ぎるよ」

アスロムは肩をすくめる。

「まあ、君たちの期待に応えられるように、明日からしっかりと隠れ村を探すことにするか」

「はいっ!」

神樹の団の団員たちが元気よく返事をした。