軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

復活のシルフィール

シルフィールはドラゴンの背から飛び降り、僕の前に立つ。

「シルフィールさん。体は大丈夫なんですか?」

「コリンヌの回復魔法と最高級の回復薬を使って、七割程度は復活したわ」

シルフィールは僕に顔を近づける。

「で、あの魔族はどこ?」

「今、あっちでキナコと戦ってます」

僕は北の方角を指さす。

「ダグルードは身体能力を上げる鎧を装備してるから、気をつけてください」

「気をつけて……か。Eランクのあなたに心配されるなんて、私も落ちたものね」

シルフィールは肩をすくめる。

「言っとくけど、人形の自爆攻撃にやられたのは百年に一度の油断だから」

「わかってます。シルフィールさんの強さを疑うことはありませんから」

「……そ、そう。わかってるならいいの」

シルフィールは緑色の瞳で僕を見つめる。

「まあ、いいわ。私は魔族を殺してくるから。あなたはどこかに隠れてなさい」

そう言うと、シルフィールは北に向かって走り出した。

僕は骸骨兵士たちと戦っているアルミーネたちに視線を向ける。アルミーネの隣にはコリンヌがいて、月光の団の団員の数も増えている。

シルフィールといっしょに来てくれたんだな。なら、僕はダグルードを狙う。キナコとシルフィールをサポートできるかもしれないし。

僕は魔喰いの短剣を握り締め、シルフィールの後を追った。

キナコとダグルードは屋根のなくなった神殿の中で戦っていた。

キナコは左腕から血を流していて、ダークグリーンのズボンが破けている。

シルフィールがキナコを守るように前に立った。

「ん? お前、生きていたのか?」

ダグルードが驚いた顔をした。

「当たり前でしょ。あの程度の自爆攻撃で死ぬなんてありえないから」

シルフィールは双頭光王の刃をダグルードに向けた。

「私の本気を見せてあげる。キナコ、あなたはもう休んでていいから」

「冗談はよせ」

キナコがシルフィールの隣に移動した。

「酒はなくなったが、俺はまだ戦えるぞ」

「無理しなくていいわよ。私だけでも勝てるから」

「二人ともいっしょにかかってこい!」

ダグルードが叫ぶように言った。

「お前たちに実力の違いを教えてやる!」

黄金色の剣が具現化し、それをダグルードが掴む。

「死んで後悔するがいい!」

「それは私のセリフだから」

シルフィールがツインテールの髪を揺らして、ダグルードに突っ込んだ。大きく左足を踏み出し、双頭光王を斜め下から振り上げる。

その攻撃をダグルードは黄金色の剣で受け止めた。

二つの武器がぶつかり合い、甲高い金属音が響く。

「なかなかいい武器だが……」

ダグルードは黄金色の剣を振ると同時に体を半回転させ、蹴りを放つ。シルフィールはぎりぎりでその蹴りを避けた。

「どいてろ! シルフィール」

キナコが地面を這うような姿勢でダグルードに近づき、肉球を突いた。ダグルードは左足を引いて肉球を避け、黄金色の剣を振り下ろす。その攻撃をシルフィールが双頭光王で受ける。

「ならば、これだっ!」

ダグルードは左手の指をシルフィールに向けた。五本の青白い光線が発射される。シルフィールは両ひざを大きく曲げて光線を避ける。

「肩を借りるぞ!」

キナコがシルフィールの肩に飛び乗り、高くジャンプした。空中で体をひねりながら、長く伸びた爪でダグルードの首を狙う。

ダグルードは左足で強く地面を蹴って、キナコの背後に回り込む。

「死ねっ! 猫人族!」

そう叫ぶと、ダグルードは黄金色の剣を突き出した。キナコは両手の肉球で黄金色の刃を挟む。

「キナコっ! そのまま、剣を掴んでなさい!」

シルフィールが片膝をついて、双頭光王を真横に振る。

ダグルードは黄金色の剣から手を離し、シルフィールから距離を取った。