軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

次に行くダンジョンは――

ラーニングはユニークスキルではなく、確認されているスキルらしい。

ただし、激レアで、過去に数例しか報告はされていないそうだ。

「俺の見てるホームページには情報ないんだけど」

「ダンジョン局の公式ホームページでしょ? 私が見てるのはGDCグループが経営する会員サイトだから情報量が違うの」

なんだそれ、ズルい。

もしかして、俺が黙ってるPD生成もそこに書かれていたりするのだろうか?

後で見せてもらうとして、いまはラーニングだな。

魔物の持っているスキルを記憶、魔力を消費して使用できる。

覚えられるスキルの種類や記憶できる数は熟練度が上がるほど増えていく。

「ラーニング。最初の使い勝手は非常に悪い。覚えられる有用なスキルも数もほとんど無いに等しい。でも、極めればその効果は私の分身やミルクの薬魔法をも越える最強スキルの一角になりうるスキルよ」

「最強? それって――」

「そうね、私たちでも知ってる魔物でいえば、ゴーストの空中浮遊、物理無効、壁の透過って聞くだけでも凄いと思わない?」

――!?

それは凄い。

簡単に習得できないかもしれないが凄い。

ていうか、ゴーストが浮いてたり攻撃が透けたり壁を通り抜けたりするのってスキルだったのかっ!?

「深い階層に行けば魔法を使ったり反射したり魔力を吸収したりする魔物もいるし、ブレスを吐くドラゴンなんてものもいるわよ」

「パパに呪いを掛けたような魔物だって――呪いを使う魔物って、たぶん呪いを解呪することもできる可能性が高いはずだから、それをアヤメちゃんが使えるようになったらパパの呪いも――」

「少し飛躍し過ぎな気もするけど、まぁそういうことね。いずれは大きな力になる。世界一を目指す私たち天下無双には必要なスキルね。アヤメ、グッジョブよ!」

「私がやったことって円周率覚えただけなんですけどね」

いや、俺も挑戦したんだけど10桁以上覚えられなかった。

本当にアヤメグッジョブだと思う。

「そうね。今度の土曜日は四人で京都のダンジョンに行きましょう。アヤメにラーニングしてほしいスキルがあるのよ」

「はい、頑張ります!」

「京都のダンジョンって、伏見稲荷だったよね? そういえば行ったことないかも」

「伏見稲荷ってことは西大寺経由でいいかな――」

「みんな頑張ってね。私は大阪から応援してるよ」

「真衣もポ〇モン頑張ってね。ポ〇モンしてる間は出社しなくていいわよ。代わりに経過報告だけはメールでお願い。連絡用と攻略サイト閲覧用のスマホ一台貸してあげるから」

「う、うん。就職して最初に任せられた仕事がポ〇モンとは思わなかったよ、ホントに」

水野さんは少し困ったように言った。

ちなみに、姫からダンジョン局の情報サイトには載っていないけれど、確認されているスキル一覧を見せてもらったが、PD生成スキルに関する情報はやっぱりなかった。

家に帰ってから、クロと一緒にPDのダンポンのところに行ってお土産を渡す。

説明をする前に、ダンポンはそれを食べた。

「これも美味しいのです! なんて食べ物なのですか?」

「イカ焼きだよ」

梅田に行ってくるのなら買ってきてほしいって母さんに頼まれていたので三十枚くらい買ってきた。

食べきれない分は冷凍すればいつでも食べられる、我が家では買う時は一人十枚って決まっている。

ダンポンの分も10枚買おうと思ったのだが、ここには電子レンジがないから、ダンポンの分は今食べられる分だけ買ってきたが、喜んでもらえてよかったよ。

まぁ、ダンポンには勝手なことをされたが、こいつのお陰で、政府も余計なことを言ってこないからな。

「クロも食べるか? シロにも分けたい? 子犬にイカ焼きはたぶんいろいろと良くない気がするからダメだ」

イカは大丈夫でも、ソースはアウトだろ。

確か玉ねぎとか使われているはずだ。

「シロとはあとでチュールを一緒に食べような。」

二匹ともチュール大好きだもんな。

これで納得するかと思ったら、クロが再度要望を出してきた。

「え? 一緒にダンジョンに行きたい? いや、今度は京都のダンジョンに行くけど、伏見稲荷はペット禁止なんだよ」

一応調べてみた。

昔はペットと一緒に行ける参道として紹介されていたらしいけれど、なんか令和4年から全面禁止になっているらしい。キャリーに入れてもダメなんだとか。

「クロとはPDで一緒に頑張ろうな」

と俺がクロのお腹を撫でて言うと、

「ん? タイラ、伏見稲荷に行くのです? 僕も行って友だちに会いたいのです」

とダンポンがそう言ってきた。

ダンポンか。

こいつはペット枠だろうか? それともぬいぐるみ枠だろうか?

意見が分かれるところだと思う。

「お前、ここから出られるのか?」

「出るんじゃないのです」

「近くにPD作れってことね」

きっと京都Dにいるダンポンとポ〇モンの交換でもしたいってことだろう。

俺は快く了承した。

ここからずっと出られない不自由な生活をしているんだ。

そのくらいは別にいいだろう。

「その時、タイラにも友だちに会ってほしいのです」

「ん? いいぞ」

PDの中なら時間経過もそれほど気にしなくていいだろうし、別にいいか。

ダンポンの仲間なら、お土産も持っていってやらないとな。

何かお土産を買っていかないとな。

さて、いまから本番だ。

俺はD缶をいっぱい並べた。

「今日はやけにいっぱい並べるのですね」

「ああ、仲間が強くなって来たからな。今度は俺も強くならないと。名付けて、普段サボっていた分のD缶を一度に開けて、スキルをガッポガッポ覚える大作戦だ」

「そのまんますぎて、ネーミングセンスが最悪なのです」

悪かったな。

いいんだよ、作戦名なんてどうでも。

クロも呆れたような目でこっちを見るな。

お前、一応その名前で納得してくれたじゃないか。