軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

PDの21階層

エルフの少女についてはわかった。

改めてアヤメのスキルについて聞く。

「私が覚えたスキルは……ごめんなさい。少し時間を置いてしまって期待させてしまったかもしれないけど、大したスキルじゃないんです」

アヤメが申し訳なさそうに言った。

「それなら、先に俺が言おうか?」

「いえ、私に言わせてください」

アヤメは手を振って言う。

「私のスキルは……その、即死魔法です」

「凄いじゃないかっ!?」

敵を一撃で倒せる魔法だよな。

「アヤメ、謙遜が過ぎると嫌味に聞こえるよ」

「ううん、ミルクちゃん、そうじゃないの」

アヤメはミルクにそう言って否定し、俺の方を見て、

「この魔法、スライムにしか効果がないんです」

と自分の魔法の欠点を言った。

あ……そういうことか。

スライムを倒しまくって覚えたスキルだもんなぁ。

「即死魔法(粘)というスキルです。しかも一度の発動で一匹しか倒せませんし、覚えた感じ、魔力の消費もかなり多そうで……」

「あぁ……まぁ、将来、超デカイスライムと戦うことになるかもしれないから、その時に使えるかもな」

「そうだといいんですけど。あ、でも魔力値が50も増えたのはよかったです」

アヤメが精一杯の笑みを浮かべた。

これがゲームとかだったら、メ〇ルキングやは〇れメタルを一撃で倒せる最強魔法って感じなんだろうけれど、現状だと俺が一撃でメタルスライムを倒せてしまうからなぁ。

最後は俺か。

と言っても、俺はスキル名を知っただけでその効果がわかるほどスキルマニアじゃない。

「俺が覚えたのは、対応力ってスキルだ。効果知ってるか?」

「対応力は防御系のパッシブスキルね。属性攻撃を受けたとき、一時的にその属性に対する防御値が大幅に上昇するの」

「一度攻撃を食らう必要があるっていうのは難点だが、前衛としては助かるスキルかもな」

ただし、属性防御が上がるイコール属性攻撃を無効化できるという意味ではないと思う。

火の属性を持つ剣で攻撃されたとき、火属性のダメージは完全に防ぐことができるが斬撃分のダメージは受けてしまう。

「じゃあ、レベル上げに行くか」

「ええ。ちなみに、ダンポン。黒のダンジョンのデータを持ってくることはできる?」

姫が尋ねる。

黒のダンジョンの方がレベル上げの効率は良さそうだよな。

「それはできないのです。ダンプルの作ったダンジョンは僕の管轄外なのです」

「だったら21階層と22階層の敵なんだけど、敵の湧く量を通常にすることってできる?」

「可能なのですよ。ええと、てんしばダンジョンの21階層と22階層でいいのです?」

「ええ、それでお願い。21階層に転移はできるかしら?」

「21階層への転移陣をあっちに作ったのです」

ダンポンが視線を向けた方向に扉が現れた。

扉を開けると転移の魔法陣が設置されていた。

どうやら5階層ごとに設置されている転移の魔法陣とは別枠らしい。

便利なものだ。

早速移動する。

「おぉ、ちゃんと工場になってるな……」

魔物だけかと思ったら、色々と再現されている。

「そうだ、メタルフライフィッシュと一回戦わせてもらっていいか?」

「いいけど何するの?」

「対応力の効果を確かめようと思って」

メタルフライフィッシュの攻撃は光属性の魔法らしいからな。

暫く探索すると、魔物の気配が。

ベルトコンベアが動き出し、メタルフライフィッシュが流れて来る。

数は一匹。

ちょうどいい。

メタルフライフィッシュが浮かび上がる。

みんな俺の後ろに隠れるので狙われるのは俺一人だ。

「さぁ、こい!」

メタルフライフィッシュが光線を放つ。

俺は両手でその攻撃をガードした。

「っつうぅぅぅぅ、結構痺れるな」

痺れる程度で済むのは強くなってる証拠なのだろうが。

メタルフライフィッシュは再度魔法の充填を始めた。

隙だらけだが待つ。

メタルフライフィッシュが光線を放つ。

先ほどと同じように腕で受け止めたが、今度は全然痛くない。

受け止めたっていう感じすらない。

「なるほど――これは使えるな。ほぼ無効化してる感じだ」

またも隙だらけのメタルフライフィッシュを剣で叩き落とす。

「効果時間はどのくらい続くの?」

「まだ続いてる感じがするな」

効果が切れたのは最初に魔法をくらってから5分後だった。

その後はみんなでレベル上げ。

やっぱりPDの21階層でも山ほどブロンズゴブリンが現れた。

一体一体の経験値は低いが、ここでは結構使える。

「解放: 雷竜巻(サンダートルネード) 」

アヤメの雷を帯びた竜巻が大量のブロンズゴブリンを殲滅。

相変わらず効果は抜群だ。

だが、ブロンズゴブリンは再び現れる。

「解放: 火砕(パイロクラスティック) 流(フロウ) 」

ミルクが唱えた魔法が大量のブロンズゴブリンを呑み込む。

光魔法を覚えて魔力が増えたことで使えるようになったらしい。

だが、ブロンズゴブリンは再び現れる。

「解放: 地獄の業火(ヘルファイア) 」

影獣化して放った黒い炎がブロンズゴブリンを呑み込む。

俺の魔力はもう空っぽだ。

再び、アヤメ、ミルクと交互に魔法を使っていき魔力が尽きたところで逃走。

逃げる道中に出てくるメタルフライフィッシュは姫とその分身達が倒しているので安全に逃げることができる。

ブロンズゴブリンも追いかけてこないしな。

そして、一階層に移動し、ダンポンの魔力回復サービスを利用。

魔力が完全に戻ったところで、もう一度21階層に。

ブロンズゴブリン殲滅ローテーションに戻る。

無限湧きポイントは、すなわち経験値稼ぎのポイントだ。

一体一体の経験値は低くても、これだけ倒せたらいいよな。

「魔物、出て来なくなってない?」

何往復もしていたら、ブロンズゴブリンの出現が止まった。

もしかして、工場の材料が尽きたのだろうか?

「泰良、なんかメタルフライフィッシュが全然出て来なくなったんだけど」

姫がやってきた。

どういうことだ?

「あの……私、高レベル探索者の配信で見たことがあるんですけど、21階層より下では特殊な条件を満たすとエリアボスが出てくるって聞いたんですが」

アヤメがなんかフラグを立てた。