軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

下層の門

そんなこんなで警戒して俺達は中層を下へと進んでいったわけだけど、その後は特に目立った事はなく、俺達は順調に階層を進行して言った。

いや、それ以降異常がなかったわけじゃない。相変わらず本来なら中層にいないハズのモンスターの姿は見受けられたし、捕食行動などの行動も見受けられたんだけど、新しい異変は見れなかったって事だ。

俺達はそんなモンスターの中を出来るだけ戦闘にならないように進み、無事中層の最深部に到達していた。

今、俺達の前には下層へと続く 門(・) がある。

「他の人の配信で見たことはありますけど、本当にゲームか何かのポータルみたいなんですね」

上層と中層は普通にダンジョンとしては繋がっているんだけど、下層は直接的にはつながっていない。

下層はいわば亜空間のようなものとなっており、その間は門と呼ばれる縦に長い楕円形の球体で繋がっている。ワープポータルという奴だ。

まぁ下層って普通に空があったり明らかに地中じゃないからね。

「これ、横から見るとどうなってるんだろ?」

配信で正面からの映像は見たことがあるけど、側面からは見たことなかったからちょっと気になってたんだよね。ととと、と小走りに近くで見ると結構でかいサイズの門の横側に戻ってみると、殆どその姿が見えなくなった。──どうやら厚さが殆どないらしい。

「成程、本当に扉みたいに空間が繋がっている感じなのかな」

とりあえず確認したい事はできたので、再び小走りに皆の元へ戻る。うーん、それにしても……

「これ最初に飛び込んだ人の度胸すごいですよねぇ……」

作りとしては空間と空間を繋ぐ窓みたいなもんなんだけど、じゃあ向こう側が良く見えているというとそうではない。うっすらと向こう側に"色"は見ているんだが、その光景は歪みすぎてどんな光景なのかはさっぱりだった。

「さすがにいきなり突っ込んだりはしないけどな」

そんな俺の疑問に答えてくれたのは藤原さんだった。

「普通に顔突っ込めば向こう側は見れるから、それで確認してからだ」

「顔突っ込むだけでも覚悟いりません?」

「最初に突っ込んだのは"勇者"だよ」

ああ……勇者さん、能力自体はオーソドックスだけど、そのレベルが規格外らしいからな……体を護る手段とかいくらでも持ってるか。

「まぁ今ならドローンで事前偵察できるけどな」

「あ、電波届くんですか」

「普通の電波は届かないんだけどな。まぁ"大魔導"の謎技術だな……じゃないと下層の配信なんてできないだろ」

「あ、そっか」

普通に下層配信できている時点で電波を届かせる手法はあるんだよな。しかしこのダンジョンの開拓ってやっぱり"勇者"と"大魔導”っていう異世界帰還組の功績が大きいんだな。

「さて、トワちゃん準備はいいかしら?」

あ、なんかおのぼりさんみたいな行動してた俺を待っててくれたのかな。ちょっと申し訳なさを感じつつ、俺がコクリと頷くとまず最初に各務さんが門に飛び込み彼女の姿が消える。

続けて泊さんが飛び込み、ついで藤原さんの指示で俺が飛び込む。飛び込んだ後に何かあった時のために、オールラウンダーな藤原さんが殿なんだろう。

そうして歪んだ景色の門に飛び込んだ俺の視界が、一瞬で変化する。

最初に飛び込んできたのは青。頭上に広がる青空だ。それから視線を降ろせば赤茶けた大地が目に入る。その大地は平坦とはいえず丘陵地帯のように小山がそこかしこに存在しており、その所々には巨大な岩や中層でも見た植物の類が見受けられた。空と小山の向こう側に見える山脈みたいなものを除けば、中層の景色と大きな違いはないかもしれない。

ただやはり空があるせいで、先ほどまでの場所の続きの空間とはとても思えないけど。

「とりあえずここの光景は変わってないわね」

「だな。下層は特に変化はない感じかね?」

先に飛び込んだ二人の言葉を聞く限り、今の所大きな変化はないようだけど。

「どうしましょう? 俺が空から偵察しましょうか?」

俺に続いてこちら側に姿を現した藤原さんの顔を見てそう問うと、彼は首を振った。

「いや、やめておこう。エリア自体が変化していたなら頼む予定だったが、どうやら地形は変わっていないようだったからな。下層は空を飛ぶ敵や遠距離攻撃を行ってくるモンスターもいるし、上空からだと異変にも気づきづらいだろうからな」

「了解です」

一応俺なら結界があるから下から狙われても問題はないんだけど、ここは従っておこう。何か起きた時に戦力は集中しておいた方が良いだろうし、今回は時間制限があるわけでもないしな。後確かに異変を調査するなら上空より地上から見て回った方がいいだろうな、そもそも俺元の下層の状況わからないから何が変化したのかよくわかんないし。

「んじゃ、どうするおっさん。地竜の巣の方へ向かってみっか?」

「わざわざモンスターの多い方へ向かうのか?」

「何もない方に向かっても調査にならんべよ」

「それもそうか……各務とトワちゃんもいいよな?」

「問題ないわ」

「OKです」

行動指針に関してはお任せだ。ただここでちょっと仕事しておくかな。俺は腰にぶら下げた(アイリスはサイズを変化させられるので、一番小さいサイズになってもらっていた)アイリスを手に取るとサイズを元に戻し念じた。

──感知領域。