軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

エピローグ

―――我がソレイユ王国のセシル王子が18歳で王太子となった日、国中の女性達が悩ましい溜息をついた。

青みを帯びたシルバーの髪は月光の様に気高く神秘的で、甘く細められた蒼玉の瞳は魔性の輝きを放ち、まるで1つの芸術作品の様に整った麗しい 顔(かんばせ) は見る人の心を捉えて離さない。

どこか色気を感じさせる唇を開き、低く僅かに艶を含んだ声で挨拶をすれば、腰が砕けた様に座り込む人が続出したのも無理ないだろう。

そしてそれと同時に、彼に寄りそう令嬢に羨望の眼差しが向けられた。

―――彼女はルーチェ・フルール子爵令嬢。

王太子の婚約者であり、医療用魔具の発展に貢献した人物…後に「救済の父」と呼ばれる4級魔導士であるフルール子爵の1人娘だ。

真っすぐな黒髪や少し上がり気味の瞳は気が強く見られがちだが、その実、非常に勤勉で素直な性格である彼女は、王太子は元より両陛下、レオルド王子にフィオナ王女、さらには王城で働く様々な立場の者たちからも高い評価を得ている。

かつて地味だと揶揄されていた外見もすっかり洗練され、凛々しい目元が印象的な知的で気品ある令嬢へと変貌を遂げた。最近ではそんな彼女に憧れ、スタイルを真似する令嬢も増えているのだという。

また彼女は度々、王宮魔導士に混ざり魔具の研究を行い、その膨大な魔力と知識を活かし成果を上げてきた。

その結果、高い能力を有する彼女を逃したくない魔導士団からは「彼女は魔導士になるべきだ!王太子妃にするなんて勿体ない」という不敬発言が飛び出し、同様に彼女を幼少期から見守っていた騎士団も面白がって煽るものだから、王城内は混乱を極め……

「王太子妃になると研究が出来なくなると聞きました。…とても残念です。王太子妃と魔導士、どちらの道かしか選べないなんて…」

「それは嘘です。比較して考え直す素振りを見せないでください。どこからのデマ情報ですか!?」

「魔導士及び騎士の方々が……」

「……少し、ノアを外して 話(・) し(・) 合(・) い(・) に行ってきますね」

「実力行使する気満々じゃないですか!?ま、待って下さい、セシル様!もう少し穏便に……、っ魅了は寒気がするのでやめてくださいぃッ!!」

……大人げない嫌がらせを受けて、二人の婚儀はもう少し先になってしまうのだった。