軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

新築パーティを行おう①

アリスによる家の案内もひと段落したあとは、母さんや父さんを含めたリリアさんの屋敷の関係者にも家の紹介をしたり、両親やアニマたちの部屋を決めていたりしていたら、いつの間にか夜も更けていた。

その夜に「わざわざ別々にすることもないだろう」という料理長の提案により、リリアさんの屋敷でいままで通り夕食を食べていると、その席でリリアさんに新築のパーティについて尋ねられた。

たしかに家ができてはい終了というわけにもいかないので、そういった知り合いへのお披露目的なものも必要になってくるだろう。

そんなわけで翌日から新築記念のパーティについて企画することにしたのだが、ここで王宮……ライズさんから、パーティの日程を少しだけ遅らせてくれないかというお願いの手紙が届いた。

というのも現在王城では三国の合同会議が行われている最中みたいで、ライズさん、クリスさん、ラグナさんも是非パーティには参加したいので、可能であればそれが終わってからしてもらえないだろうかという内容だ。

俺としてもパーティの主催側は初めての経験なので、ある程度時間が合った方ありがたかったし、もちろんライズさんたちにも来てもらいたかったので、すぐに了承の返事を出した。

そしてそのあとで、パーティの準備をすることになったのだが……なにをどうしていいかさっぱり分からず、準備はまったく進まない……なんてことはなかった。

「そうですね。料理の材料はこのリストで問題ないでしょう。ツヴァイ招待客の対応に関して貴女の方が適任でしょうし、任せても構いませんか?」

「えぇ、問題ありません。ではアインは会場を含めた内部の準備、私は招待客の選定やスケジュール調整といった外部の準備を担当しましょう」

「ツヴァイ、パーティに参加した客に記念品などを配るのはどうでしょう?」

「そうですね、問題ないでしょう。ただあまり高価すぎるものはやめておいた方が無難でしょう。そちらに関しては私の方で当たり障りのないものを手配しておきます。問題は、来客が持ってくるであろう祝いの品に関してですが……」

「そちらは問題ありません。倉庫の位置は把握していますし、運び込む準備も整っています。いざとなれば、クロノアあたりに協力を要請して、『空間の権能』を用いて対応すればいいでしょう。カイト様のためとなれば、クロノアも嫌とは言わないでしょうしね」

「……」

……えっと、そろそろ突っ込んでいいかな? なんでこのお二方は、さも当然のように主催側として参加してるの? かなり入念に打合せしてるんだけど!? い、いや、ありがたくもあるんだけど……いや、本当にどうしてこうなった?

展開についていけず呆然とする俺の前で、アインさんとツヴァイさんはテキパキとパーティの準備を進めていった。

「……おかしいよね? 俺が主催側のはずなのに、なんにもやることがないって……」

「あはは、アインもツヴァイも張り切ってたからね~。せっかく志願してくれたんだし、任せちゃっていいんじゃないかな?」

「おかしいと言えば、部屋が変わったはずなのに、当然のように待機してるクロもなんだけど……俺の部屋の場所はアリスから聞いたのか?」

「いや、ボクの部屋から直通で来れるように空間を調整――あっ、そうだね! シャルティアから聞いたんだよ!」

「ちょっと待て、なに言いかけたいま……」

気のせいかな? 自分の部屋のはずなのに、俺に隠されている機能がいくつか存在するように思ってしまうのは、気のせいなのかな……いや、たぶん気のせいじゃねぇな。絶対あの門以外にも、なんか仕込んでやがる。

そんなことを考えていると、部屋の壁の一部……なにもないところが、まるでドアのように開き、アリスが顔を出した。

「……そういえばクロさん、カイトさんの両親への顔合わせっていつにします?」

「う~ん。やっぱり、パーティがひと段落してからの方がいいんじゃないかな? いっそうパーティの時にするって手もあるけど、アイシスは応接室じゃないと難しいだろうしね」

「いや、待て、こら、アリス。お前いまどこから出てきた……」

「え? いや、それは隠し部――そんなことより、パーティまでに考えることがあるんですけど!」

「……ちょっとお前にはあとで話がある」

これはあとで問い詰めねばなるまい。具体的には、この屋敷に俺に説明されてない隠し機能がいくつ存在するかという内容を……。

俺はとぼけた表情を浮かべるアリスを見て、大きなため息を吐いたあとで口を開いた。

「……はぁ、それで? 考えることって? 屋敷の使用人とかを雇うって話かな?」

言うまでもなく、リリアさんの屋敷と同じサイズである俺の家は巨大だ。とてもじゃないが、アニマ、イータ、シータの三人……そこにキャラウェイさんを加えたとしても、掃除したり庭の整備をしたりは難しいだろう。

となると必然的に使用人を雇う必要があると、そう思って尋ねたのだが……。

「いや、そっちは問題ないですし、どの範囲の知り合いまでを招待するかについて話し合いましょう」

「そうだね~ボクの家族も皆着たがってたけど、全員ってわけにはいかないしね」

「……へ? いや、えっと……ごめんちょっと待って」

予想していたのとは全く違う反応に首を傾げたあと、俺は確認のために一度部屋の外に出る。

そしてハミングバードでアニマを呼んで、疑問に思っていたことを尋ねた。

「アニマ、この家……完成から今日で三日たつわけだけど……掃除とかって、さすがにまだ手を付けてないよね?」

「……いえ、その、自分やイータやシータの部屋の家具の移動も含め……『イルネス殿がすべてひとりでやってしまいました』」

「……へ?」