軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

お前の配下だろ、早くなんとかしてくれ

シロさんからのプレゼントも受け取り、残るヤバい方であるエデンさんの順番は最後。それはでは少し、心を落ち着けられそうな気もする。

いや、本当に……忘れがちになってしまうが、準備期間は1日……いや、半日程度だ。だというのに、皆しっかりしたプレゼントを用意してくれており、なんともありがたい限りである。

そして、シロさんの次はクロノアさんが机に置けるサイズの時計をプレゼントしてくれた。これはやはり、時を司る神だからということだろうか? 落ち着いた大人っぽいデザインで、個人的には非常に好みなのでありがたく使わせてもらおう。

クロノアさんの次に壇上に上がったのは、イルネスさん……そういえば、ちょうど祝福を受けた頃だったっけ? イルネスさんが俺の専属として正式に付いてくれたのは……。

イルネスさんはベルとリンの姿が刺繍された上品なハンカチをプレゼントしてくれた。僅か半日で非常に精巧な刺繍……流石としか言いようがない。

イルネスさんの次に俺が知り合ったのは、ジークさんだ。正確には、この時期に初めて言葉を交わして挨拶をしたと言うべきだろう。

「カイトさん、誕生日おめでとうございます」

「ありがとうございます!」

「変な話ですが、こうして言葉で祝福の気持ちを伝えられるというのは、すごくいいものです。声を取り戻したかいもありますね……いつも、ありがとうございます。愛しい貴方に、両手いっぱいの祝福を……これからも、ずっと、貴方らしく健やかでいてください」

そう言いながらジークさんが差し出してくれたのは、ジークさんがいつもしているマフラーによく似た白いマフラーだった。

俺の着る服は黒系統が多いので、その辺りのバランスも考えて選んでくれたんだろう。すごく嬉しい。

『さて、次はアイシスさん、よろしくお願いします』

「……うん」

次はアイシスさん……どんなものを用意してくれたんだろうか? アイシスさんも財力で言えばけた違いであり、とんでもないものが飛び出しそうな方ではある。

しかし、他の方に比べると、まだ常識的な気がするのでそこまで不安はない。

「……カイト……誕生日……おめでとう」

「ありがとうございます!」

「……これ……カイトへの……プレゼント」

「これは……花の冠、ですか?」

アイシスさんが俺に贈ってくれたのは、色とりどりの花で作られた冠。

「……カイトに教わった通り……作った……カイトのこと……いっぱい……考えて」

たしかに以前俺は、アイシスさんにシロツメクサの花冠を作ってプレゼントしたことがある。そして、作り方を教えてほしいと言われ、一緒に作ったことも……。

数か月前ではあるが、なんだか少し懐かしい気さえするのは、それだけ濃い日々を過ごしてきたというころかもしれない。

「ありがとうございます。大切にします」

「……カイト……生まれてきてくれて……私と出会ってくれて……ありがとう……大好き……これからも……よろしく」

「はい。こちらこそ」

ジークさんの時もそうだったが……心温まるとは、こういうことを言うんだろう。ジンワリと心の奥底までしみこんでいくような嬉しさは、俺がすごく幸せ者であると実感させてくれた。

アイシスさんのプレゼントが終わり、本来なら次はアリスの番ではあるが、彼女は進行特権とやらで順番を変えているので、先にレイさんとフィアさんの番になった。

レイさんとフィアさんが用意してくれたのは、珍しい形の葉で作られたエルフ族に伝わる手作りのお守りだった。

そして、ふたりの次は、アニマ。そういえば、初めであったときは、強烈な性格に驚いたっけ……それがいまでは、俺にとって欠かせない家族のような存在になっている。

アニマがプレゼントしてくれたのは、落ち着いたデザインの万年筆。最近では俺に届く手紙を一手に引き受けてくれている彼女らしいプレゼントで、とても使いやすそうだった。

その次はリリウッドさん。彼女も六王というすさまじい存在ではあるが、極めて常識的な方なのでまったく心配はしていない。

プレゼントしてくれたのは、木造りの小物入れ、小さいながら精巧で木目がまたいい感じだ。筆箱ぐらいのサイズだから、リリアさんに貰ったペーパーナイフやアニマに貰った万年筆を入れるのもいいかもしれない。

その後も次々と俺のもとにプレゼントが届いた。イータとシータは靴と手袋を、シグマさんとバッカスさんがダンベルのようなものをそれぞれプレゼントしてくれた。

「お誕生日おめでとうございます。私も己の事のようにうれしく感じます」

「あ、ありがとうございます……パンドラさん」

そうか、次は偽幻王として出会ったパンドラさんか……うん、そういえばこの方もシロさんたちとは別の意味でヤバいお方だ。

いったいどんなプレゼントを……。

「……申し訳ありません。あまり時間がなく、無難な贈り物になってしまいましたが……」

「……あの、えっと、なんですかこれ?」

「荒縄と蝋燭です。消耗品ですので、いくらあっても困らないかと思いまして」

「……あ、ありがとう、ございます」

そのふたつを消耗品と呼べるレベルで使ったことなんて、いままでの人生で一度もないんだけど!? というか、赤くてデカい蝋燭って……これ、どう見てもSMグッズ……。

ぶ、ぶれねぇ、本当にぶれないよこのひと……超怖い。

「ちなみに、私はいつお誘いいただいても構いません! 縛り方もお教えいたしますし、心行くまでこの体を使って練習を……」

『パンドラ、ハウス』

「……シャルティア様? そ、そうですね。失礼いたしました。私があまり長く時間を使うわけにはいきませんね。この話は後ほど……」

『いや、二度としなくていいですから……さっさと戻って、隅っこで座ってなさい』

「そ、それはつまり、放置プレ……」

『違います』

拝啓、母さん、父さん――なんというか、パンドラさんはある意味平常運転だった。あの恍惚とした表情が怖すぎる。アリス――お前の配下だろ、早くなんとかしてくれ。