軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第964話 命の対価

ドラリシオ・マザーの花の手の上で、母に会えた喜びに歓喜し涙するブルーム達。

そんな彼女達に、マザーは花の手を己の顔に近づけながら話しかけた。

『貴女達……その顔をもっとよく見せてちょうだい』

マザーの優しくも穏やかな語り口に、四体のブルーム達は花の手で顔をぐしぐしと拭いながら頭を上に向ける。

マザーの花の手の上で、スン、スン……と鼻を啜りながら泣き止み、母の顔をじっと見つめるブルーム達。

母と娘達はしばし見つめ合い、母の方から徐に口を開いた。

『貴女達は、エミリィの後裔ね……あの子も、とても心優しい子だったわ……』

「母様……私達は、エミリィ母様のことを何も知りません……」

「私達ガ、分かるのハ、ここにいル、オ母チャンのこト、だけデ……」

「他のことハ、何モ、分からないノ……」

「ごめんなさイ……」

マザーはブルーム達がどの系譜に連なるかを、一目みて看破した。

だが悲しいかな、当のブルーム達にはマザーが言う『エミリィ』なる者の存在に心当たりがないようだ。

しかし、それもある意味仕方がない。何せマザーが言う『エミリィ』とは、マザーが最初にこの世に生み出した四姉妹のうちの一株のことなのだから。

マザーがこのサイサクス世界で生を受けて、約百年後くらいに初めて自家受粉で儲けた四株の娘達。

上から順にサーラ、グレース、ジェシカ、そしてエミリィ。

エミリィとは原始の四姉妹の末妹であり、つまりはここにいる四体のブルーム達の源流であった。

しかし、全てのドラリシオ達の本能に等しく刻まれているのは、祖であるマザー唯一体のみ。分家の始祖である源流エミリィのことまでは、彼女達には分からなかった。

そのことに対し、罪悪感でしょんぼりとしているブルーム達。マザーの顔を見るために見上げていた顔も、次第にまた俯いていく。

そんな四体に、マザーがまた優しい声で語りかける。

『貴女達がエミリィのことを知らないのは、無理もないわ。だってあの子達は、四千年以上も前に私が生んだ、私の初めての子達だもの』

「そうなんですね……」

「……そしたラ、エミリィオ母チャンは、今どこニ、いますカ?」

「エミリィオ母チャンにモ、会いたいでス!」

「オ母チャン、教えテ、くださイ!」

無知を謗ることなく教えてくれるマザーに、今度は三体の妹達が源流の祖に会いたい!と言い出した。

マザーにも会えたんだから、その次の母であるエミリィにも会いたい!と思うのは当然のことだ。

だが、ワクテカ顔のブルーム達に対し、マザーは少しだけ困惑気味に答えた。

『エミリィは……いいえ、あの子達はもうこの世にはいないわ。私以外のドラリシオは、どんなに長く生きられても千年くらいまでしか生きられないの……』

「じゃあ……もうエミリィ母様は……生きてはおられないのですね……」

『ええ……』

「エミリィ、オ母チャン……」

「エミリィオ母チャンにモ、会いたかっタ……」

「……うウッ……」

マザーの悲しい通達に、四体のブルーム達はまたも俯き涙する。

せっかくなら、エミリィ母様にも一目お会いしたかった……そんな思いを胸に抱きながら、姉が仲間達の遺骸の入ったバスケットをギュッ……と抱きしめる。

それに気づいたマザーが、姉に声をかけた。

『その、胸に抱いている篭は……何か大事なものでも入っているの?』

「はい……これは、私達の姉妹の身体の一部です……」

マザーの問いかけに、姉はバスケットを水平に置いてそっと蓋を開けて中身を見せる。

バスケットの中にある、数多の葉や蔓、花びら、球根等々。

それらを見たマザーの目が見開かれる。

『……何故そんなにも、たくさんの『一部』が入っているの?』

「私達は、もともと百体以上いました……」

『百体? それは一体どういうことなの?』

「私達が生まれたのは、砂だらけの、とても乾いた地で……」

『ちょ、ちょっと待って……貴女の言っていることが、私にはよく分からないのだけど……何故ドラリシオが、森の中ではなく砂だらけの地などで生まれるの?』

「それは……」

一見取り留めのない姉の説明に、マザーがかなり混乱している。

姉にしてみれば、仲間達の遺骸の説明をするにはまずノーヴェ砂漠で彼女達が生まれ落ちたことから話を始めなければならない。

だがマザーには、そこからして意味が分からない。

何故なら、ドラリシオ達が生まれるのは基本的に森の中であり、百歩譲っても平地まで。間違っても水が一滴もないような砂漠で生まれることなど、まず絶対にあり得ない話なのだ。

そんなマザーの混乱ぶりに、姉もまた困惑する。

自分達が砂漠で生まれたのは紛れもない事実なのだが、何故そんなことになったのかまでは彼女達自身与り知らぬことだった。

何をどう説明していいか、分からずに困っているブルームを見て、それまでアクアの少し後ろにいたレオニスがマザーの前に出て声をかけた。

「マザー、そこから先の説明はこっちでしよう。ラウル、ブルーム達をここまで連れてきた経緯を、お前の方からマザーに話して聞かせてやってくれるか?」

「……了解」

これまでの経緯の解説役に、レオニスはラウルを指名した。

それは、今回の事件の全ての経緯を最もよく知り、ブルーム達を救うために懸命に動いてきたラウルこそが適役だと思ったからだ。

そしてラウル自身もまたそのことをよく理解している。ブルーム達を助けたからには、最後まで責任を持って面倒を見なければ己が納得できない。

ラウルはアクアの後ろから前に出て、レオニスの横に並び立ちマザーの前に出た。

そしてラウルが見てきた今回のこと全てを、マザーに語り伝えていった。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆

「……と、いう訳だ」

『………………』

事件の経緯を全て話し終えたラウル。

ラウルの言葉が途切れてからも、なおもしばしの静寂が続く。

いや、静寂の中に啜り泣く声だけが響いていた。

そして、ラウルの話をずっと静かに聞き入っていたマザー。

未だになお口を開かぬマザーだったが、花の手の上に乗せられたブルーム達をじっと見つめている。

そして徐に花の手を動かし、己の頬に近づける。

『愛しい我が子達よ……生まれたばかりの身だというのに、そんなにも……そんなにも辛い目に遭ってきたのですね』

「母様……」

「オ母チャン……」

大きな母の優しい頬ずりに、照れ臭そうに応じる娘達四体の眦に再び涙が溜まる。

そしてマザーの閉じられた黄金色の瞳の眦からも、一筋の雫が零れ落ちる。

哀れな娘達を思う雫が、一つ、また一つ、ブルーム達の頭に降り注ぐ。

マザーの零す一雫は、小さなブルーム達にとっては浴槽をひっくり返したような大量の水にも等しい。

マザーの涙でびしょ濡れになったブルーム達。彼女達が懸命に死守してきた仲間達の遺骸入りのバスケットまでずぶ濡れのびしょびしょである。

だが、彼女達がそれに慌てたりすることはない。

母の愛に包まれて、皆これまでにない安堵を得ていた。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆

マザーとブルーム達の感動の対面。

極限とも言えるその美しき光景に、感激の涙を流す者達がいた。

「遠く離れた母娘の再会……ううッ、何て感動的なんだろう……」

「全くだ……血の繋がった家族ってのは、どんなに遠く離れていても思い合うもんだもんなぁ……」

「ブルームさん達も、マザーさんも、母娘同士がちゃんと会うことができて、本当に良かったねぇぇぇぇ」

「ああ、俺も貰い泣きしちまうぜ……愛する家族同士ってのは、本当にいいもんだよなぁ」

滝の如き涙をダバダバダーと流す人外ブラザーズ。

いつの間にかアクアがレオニスの横に来ていて、ライトとレオニス、二人してブルーム達の感動の対面シーンを見て壮絶な貰い泣きをしていた。

そして、貰い泣きをしていたのは人族代表の人外ブラザーズだけではない。

カティアとチルドレン達もまた大いに涙していた。

『あの小さなブルーム達に、そんな過酷な過去があったとは……』

「そんなことも知らずに、私達はあんな酷いことをしてしまったのね……」

「本当に……本当に、ごめんなさいぃぃぃ!」

「私達、心を入れ替えて、これからは絶対に良いお姉ちゃんになるわ!」

「「「うわぁぁぁぁん!」」」

カティアはホロリと涙を流し、チルドレン三体は人外ブラザーズに勝るとも劣らない勢いでダバダバと滝涙を流している。

ラウルがマザーに語り聞かせたブルーム達の壮絶な過去に、涙を禁じ得ないようだ。

突然縄張り内に入り込んできた、未知の侵入者達。その中にブルーム達もいた。

チルドレン達にしてみればそれはただの侵入者の一団で、生かすも殺すも自分達の気分次第に過ぎない。

そんな瑣末な侵入者に連れられたブルームなど、自分達の仲間ではない。むしろ侵入者達と同罪であり、ドラリシオの群生地を土足で踏み荒らす犯罪者でしかなかった。

だが、そんな軽い気持ちで出したちょっかいにより、チルドレン達は手痛い目に遭った。

上位種であるレディーのカティアに怒られて、さらには水神アクアにまでちょっかいを出したことでカティアにますます激怒され、果ては群生地滅亡の危機まで招いてしまった。

そうした怒涛のお仕置きに、チルドレン達は己の浅慮を恥じて本当に深く反省していた。

そこへきて、ブルーム達がこれまで経験してきた壮絶な過去を知ったチルドレン達。骨の髄まで己を恥じるばかりだった。

しかし、そんなチルドレン三姉妹が思わぬ方向に暴走し始める。

「でも、私達が言うのも何だけど……この子達をそんな酷い目に遭わせてきた奴等は、絶対に許せないわ!」

「そうよそうよ!私達に仇なす人族なんて、滅ぼしてしまいましょうよ!」

「それ、いいわね!ろくでもないことしかしない人族なんて、この際滅ぼしてしまった方が世界のためにもなるわよね!」

泣きながら怒りに打ち震えるチルドレン三姉妹が、何やら物騒なことを言い出した。

チルドレン達の横にいたカティアが、思わずギョッ!とした顔になり窘める。

『貴女達、またそんな突拍子もないことを……』

「そんなことないわ!これは正当な報復よ!」

「ええ、ブルーム達に酷い仕打ちをした人族には、相応の報いを受けてもらわなければならないわ!」

「あの子達が弱くて報復できないというのなら、あの子達の代わりに私達が出てもいいわ!」

『だから……どうして貴女達はそうすぐに喧嘩に走ろうとするの……』

懸命に宥めようとするカティアに、チルドレン達はほとんど聞く耳を持っていない。

だが、チルドレン達が『正当な報復』と言う気持ちも分からなくはない。

人族の醜くも勝手な欲望により、ブルーム達が残酷な仕打ちに遭ってきたのは間違いない事実なのだから。

しかし、人族とてそれをただ黙って受け入れる訳にはいかない。

罪を犯した悪徳商人やその顧客達だけならともかく、人族全体に連帯責任を負わされてはたまったものではない。

ましてや『人族を滅ぼしてしまえ』とまでひとっ飛びに飛躍されてしまっては、完全に過剰報復もいいところである。

ここでレオニスがチルドレン達の前にズイッ!と進み出て、ドスの効いた低音で話しかけた。

「……おい。人族を滅ぼすってんなら、まず俺が相手になるぞ」

「「「ピャッ!?」」」

「俺だって人族の一員だしな? 一番先にこの俺と戦ってもらおうじゃないか」

「「「……ピャ……」」」

「つーか、俺一人倒せんで人族殲滅なんて到底叶わんからな? ……さて、どこで 殺(や) り合う? 何ならここで今すぐ始めてもいいぞ?」

「「「…………」」」

チルドレン達を藪睨みするレオニスから、今にも 射殺(いころ) されそうな鋭い視線と『ズゴゴゴゴドギャガガガ……』という地の底を大いに揺るがすドス黒いオーラが陽炎のように揺らめき立ち上る。

あまりにも凄まじい圧を放つレオニスに、それまで息巻いていたチルドレン達がビクンッ!と飛び上がり無言になる。

それはまさに『売り言葉に買い言葉』という状況。

人族そのものに喧嘩を売ったチルドレン達が、レオニスの怒気に怖気づいて早々に引っ込めば良し。だが、チルドレン達が引かずになおも報復を強行するとなれば、ここでレオニスが率先して喧嘩を買わねばならない。

チルドレン達の血の気の多さはレオニスも知るところであり、ここで身体を張って食い止めておかなければ、本当に後日チルドレン達が人族を襲いかねないのだ。

そんな両者のやり取りに、カティアがはぁ……と小さくため息をつきながら介入しようとした、その瞬間。

マザーがレオニス達に向かって声をかけた。

『双方とも、おやめ』

◆◇◆◇◆◇◆◇◆

マザーの凛とした厳かな声が響き渡った後、辺りはシン……と静まり返る。

しばしの静寂の後、マザーが徐にその口を開いた。

『確かにこの子達が酷い目に遭ったのは、愚かな人族の欲望のせいに間違いない』

「だったら……!この子達が人族に復讐する権利だってあるはずです!」

『だけど……この子達をここまで連れてきてくれたのも、そこにいる人族―――レオニスの力添えがあってこそ成し得たもの』

「「「……ッ!!!」」」

マザーの言葉に、一度は反論しかけたチルドレン達も黙り込む。

ブルーム達を直接救助したのは、ラウルとマキシ達八咫烏の尽力だ。だがその先のドラリシオ達の願い『母のもとに帰る』という望みを叶えるには、ラウル達の力だけでは到底及ばなかったのも事実。

レオニスの案でアクアに助力を願い出て、アクアの水中移動でカタポレンの森に連れてくることができたのだ。

そのことを決して忘れてはならない―――マザーはそう言っているのだ。

『もしこれが、妖精や八咫烏達の力だけでここに戻ってきていたなら……私も人族への報復に出ていたことでしょう。ですが、レオニス。森の番人たる貴方が、我が娘達をここまで連れてきてくれた。このことに私は深く感謝しているのです』

「そりゃ良かった。俺が首を突っ込んでいなけりゃ、人族はマザーによって滅ぼされるところだったのか」

『ええ、そう捉えてくれて構いませんよ』

マザーの言葉に、レオニス以外の者は皆背筋が凍り震え上がる。

もしもこの巨大なドラリシオ・マザーが、報復のためにカタポレンの森を出て人里を襲撃したら―――小さな街ならひとたまりもないだろう。

マザーが首都ラグナロッツァにまで辿り着けるかどうかは不明だが、それでももし万が一ラグナロッツァにマザーが出現したら、大騒ぎどころの話ではない。

それこそ竜騎士団や鷲獅子騎士団総出で迎撃する事態になるだろう。

考えただけで恐ろしい話である。

震え上がるライト達を他所に、レオニスだけはカラカラと笑いながらマザーとの会話を続ける。

「まぁなー。俺がここに迷子を届けにくるのも、これでもう四回目だもんなー」

『森の番人には、本当に世話になってばかりですね……』

「今までの三回に比べたら、今回のブルーム達の受難は段違いだがな……でも、マザーならこの子達を十分に癒やしてやってくれるだろう?」

『もちろんです。想像を絶する苦難を乗り越えて、ここまで来てくれたんですもの』

「なら安心だ。俺も人族の組織に黙ったまま、ブルーム達をここまでひっそりと連れてきた甲斐があったってもんだ」

レオニスとマザーの和やかな会話が続く。

レオニスが毎回『ドラリシオ迷子のお届け便』になっていることに、マザーは若干恐縮しているようだ。

もっともレオニスにしてみれば、迷子を親元に送り届けるのは大人の義務!と思っているので、恩着せがましくするつもりなど微塵もないのだが。

そんなレオニスに、マザーが改めて話しかけた。

『レオニスよ、此度ばかりは何がしかの報奨を以てその働きに報いねばなりません』

「ンー? 別にそんなもんいらんぞ? 俺だって別に、報奨欲しさにこいつらを届けた訳じゃねぇしな?」

『そうはいきませんよ。そう言って貴方、今まで一度も何も受け取らずにきたでしょうに』

「いいじゃねぇか、今回もそれで」

報奨の話を始めたマザーに、頑として報奨を受け取ろうとしないレオニス。

どうやらこれまでのドラリシオ迷子のお届け便でも、レオニスは特にこれといった報奨の類いは一切受け取ってこなかったようだ。

何とも無欲な配達人だが、その無欲さとカタポレンの森全体への献身によってレオニスは数々の信頼を得てきた。

それにより、今回もまたドラリシオ・マザーの報復という事態を回避できたのだ。

しかし、レオニスはそれで良くてもマザーの方は納得できない。

なおもマザーの説得は続く。

『いいえ、それでは私の気が済みません。これまで届けてもらった迷子とは違い、今回は正真正銘娘達の命を救ってもらいました。これはその対価です。四体もの娘達の命が報奨に値しないなどとは、絶対に言わせませんよ』

「ぁー……それもそうか……」

マザーの強い語気に、レオニスも右手で頭をガリガリと掻きながら呟く。

ブルーム達四体の命の対価と言われれば確かにその通りであり、それを受け取らないのは『ブルーム達の命にそれ程の価値はない』と言っているも同然である。

レオニスとてそんなことは絶対に思っていないし、ブルーム達の命を軽んじている訳でもない。だが、これ以上マザーからの報奨を固辞することは悪手でしかないことを、レオニスも瞬時に理解した。

「ンー……じゃあ、今回はありがたく頂戴することにしよう。……で、何をもらえるんだ?」

『何か望みはありますか? 私でできることなら何でも叶えましょう』

「じゃあ、俺達がこの群生地に入っても攻撃されんようにしてくれないか? この先もし同じようなことが再び起こった時に、毎回毎度事情を知らんチルドレンやレディーに攻撃されたら敵わん」

『そうですね……では、これを授けましょう』

マザーはそう言うと、頭と顔の境に生えている蔓を無造作に一本引き抜き、そのままレオニスに差し出した。

『この蔓を用いて、腕輪なり装飾品を作り身に着けなさい。そうすれば、この里に入っても襲いかかってこられることなどなくなるでしょう』

「おお、そりゃありがたい。これだけの量があれば、ここにいる全員の分が作れるな!」

『ええ。レオニス以外にも、ここにいる全ての者達が功労者であり、我が娘達の恩人です。是非とも皆の分も作ってやってください』

「ありがとう!マザーの感謝の気持ちは確と受け取った、心より感謝する」

マザーからの思わぬ報奨に、レオニスは破顔しながら空間魔法陣を開き仕舞い込んでいく。

蔓というにはあまりにも長く、その太さはレオニスの太腿くらいありそうだ。

だがこれは生木の状態だからであって、乾燥させればもっと細くなるだろう。

乾燥させる前に適度な長さに切ってから細く割いておいてもいいし、加工方法はいくらでもある。

そうしてドラリシオ・マザーの蔓を加工した品々は、ライト達の今後の活動に更なる助力をもたらしてくれるだろう。

そして、マザーの方もレオニスに無事報奨を受け取ってもらえることができて、満足そうに笑みを浮かべている。

人族と妖精族と八咫烏族、そしてドラリシオ一族の更なる親交が深まった瞬間だった。