軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第821話 珠玉の出会いの証

レオニス達がラウルの歓迎会で大いに盛り上がった土曜日の夜。

その日のライトは、朝から張り切っていた。

何故なら、この土日は夏休みが明けてから初めての週末だからである。

ラグーン学園二学期が始まり、月曜から金曜までの五日間を学園生として平和に過ごしていれば、早くも冒険三昧だった日々が恋しくなるというものである。

朝のルーティンワーク、魔石回収と巨大野菜への水遣りをしっかりとこなし、レオニスと朝食を摂った後自室でベッドに寝転ぶライト。

久しぶりの週末をどう過ごそうか、のんびりと計画を立てる。

「さーて、今日はどこに出かけようかなー!」

「……っと、その前に。久しぶりに称号チェックでもしてみるかなー」

そう言いながら、ライトはマイページの称号欄を開く。

常時発動する特殊称号は『天空樹の加護』『海樹の加護』『氷の女王の加護』の三つが増えていた。

それらはこの夏休みの間に出会った、サイサクス世界における高位の存在達を表している。

そして、称号スロットで入れ替え可能な通常称号の一覧に移る。

今回新たに増えていた通常称号は、以下の通りである。

『竜族の友人』『竜の女王の背に乗りし者』『草むしりの達人』『エリトナ山の救世主』『農家見習い』『姉妹の絆を繋ぎし者』『黒妖狼の父』『蛇龍神の怨敵の養い子』『湖の覇者の親友』『守護神生誕の導き手』『神樹族の大恩人』『新人魔法使い』『柴刈りマスター』『首都案内人』『姉妹鑑定連敗記録更新中』

いつもながら、一目見ただけで概要がほぼ分かる称号達。

ライトはその一つ一つをじっくりと眺めていく。

『竜族の友人』に『竜の女王の背に乗りし者』……これは天空島に行った時のことだな。白銀の君さんの背中に乗って飛んだ空は、すっごく気持ち良かったなぁ……!

『草むしりの達人』……アレか、天空神殿と雷光神殿で閃光草をアホほど毟り取ったせいか……ディーノ村の家で毎回草むしりしてるせいもある、かも?

『エリトナ山の救世主』、死霊兵団の残骸を片付け終えたご褒美、か? あれもちゃんと片付けることができて、本当に良かった。

『農家見習い』……え、何で農家?……あ、もしかしてラウルの畑を手伝ってるせいか!? でもまぁ、食糧の自給自足ができるのはいいことだよな!

『姉妹の絆を繋ぎし者』……姉妹の絆というと、火の女王様と炎の女王様や、水の女王様と海の女王様を引き合わせたことを指しているんだろうな。遠く離れた兄弟姉妹の感動の対面は、何度見ても泣けるぜ……

『黒妖狼の父』、オーガの里で生まれたラニのことだな。思わぬところで生まれた使い魔の子だけど、これからもオーガの里でルゥちゃん達と仲良く暮らしていけるといいな。

『新人魔法使い』……あー、ファングで俺専用のワンドを作ってもらったからかな? 俺、いっつも物理系の必中攻撃しか使わないけど……フッフッフ、今世では魔法使いを目指してみるのもいいかも!

『蛇龍神の怨敵の養い子』……蛇龍神はデッちゃんで、その怨敵はレオ兄で、俺はレオ兄の養い子だからついたのか……デッちゃんともいつか和解できるといいんだがなぁ……

『湖の覇者の親友』、湖の覇者って、イードのことだよな? ……ああ、もしかして水神の鱗でイードの声が聞こえるようになったからか? 前の称号は『仲間』だったけど、今回は『親友』に昇格したんだな、何気に嬉しい!

『守護神生誕の導き手』……ああ、炎の洞窟で生まれた朱雀のことか!未孵化の守護神の卵を孵したの、朱雀で三度目だもんなぁ……まだ他にも生まれてない守護神いるんかな?

『神樹族の大恩人』……これはもう間違いなく、ツィちゃんの襲撃事件関連だよな。あれは本当に、本当にキツい戦いだった……廃都の魔城の四帝を倒すには、もっともっと力をつけて強くならないと……

『柴刈りマスター』、こりゃ咆哮樹の柴刈りのせいか。マスター認定を受けるほど狩りまくってたってことだな……よし、これからももっと狩りまくるか!

『首都案内人』、マキシ君の家族の人里見学ツアコンをしてたからかな……そういや最後のウルスさん達の見学が延期になったけど、いつ再開するんだろ?

『姉妹鑑定連敗記録更新中』………………これ、俺が悪いんか!? あの姉妹は、マジでコピペレベルのそっくりさんなんだぞ!? それを一人も見分けることができんのは、俺の目が節穴だからだってのか!?

夏休み中に得た、数々の珠玉の出会い。それらを思い出させてくれる称号に、ライトの頬も思わず緩む。

ただし、最後の姉妹鑑定に関してだけは納得がいかないライト。

あのクレア十二姉妹の区別が瞬時につくのは、親兄弟もしくはレオニスくらいのものではなかろうか。

しかし、レオニスにできてライトにできないはずはない。

この『連敗中』という甚だ不名誉な称号を、いつか返上してやる!とライトは心に固く誓うのだった。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆

称号を一通り見終えた後、ライトは外に出かける支度を始める。

休日に出かけたい先はいくつもあるのだが、今日は暗黒の洞窟に行こう!と決めたのだ。

その目的は、もちろん闇の女王とノワール・メデューサのクロエに会いに行くため。だが、それ以外にももう一つ目的があった。

それは『素材採取』である。

暗黒の洞窟に出る魔物は、何気にクエストイベントで得た生成レシピの材料となっているものが多い。

暗黒茸はセラフィックエーテル、暗黒蜂はコズミックエーテル、暗黒花はパラリシスパイシードリンクの材料である。

クエストイベントのエクストラクエストが始まった今、まずはそのお題である濃縮マキシマスポーション10個と濃縮ギャラクシーエーテル10個を作らねばならない。そのためには、下位の回復剤をひたすら作り続けて、アホほど貯め込んでいかなければならないのだ。

カタポレンの家を出て、暗黒の洞窟がある近所の岩山に向かって駆け出すライト。

最初の頃は片道五十分かけて行っていたが、今では二十分もしないうちに到着するようになった。

カタポレンの家から見えるあの岩山は、距離的には絶対にご近所さんではない。だが、二十分以内で到着するなら、それはもはや立派なご近所さんとなりつつある。

そうしてご近所さんの岩山の裏側に到着したライト。

暗黒の洞窟の入口の前で、アイテムリュックを腹側に装置し直す。

暗黒の洞窟で狩った魔物達を、その場ですぐさま収納するためである。

「……さ、今からガンガン狩るか!」

静かに気合いを入れつつ、暗黒の洞窟へと踏み入っていくライトだった。