軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第645話 久しぶりの休日

ウィカが白銀の君とともに水に消えてからすぐのこと。

十秒もしないうちに、ウィカが戻ってきた。白銀の君の言いつけ通り、本当にすぐ帰ってきたようだ。

「うなぁーん♪」

「ウィカ、お疲れさま!」

「ウィカも、いつもありがとうな。ウィカへのご馳走もたくさん用意しとくから、また皆でいっしょに遊ぼうな」

「にゃにゃにゃ!」

ウィカがライトの胸に飛び込み、ライトもウィカを抱っこしながら頭を撫でてウィカの働きを労う。

ライトだけでなくレオニスやラウルにも労われて、ウィカはとてもご機嫌そうに糸目笑顔になる。

「じゃ、ぼく達も帰るね」

「また天空島への行き来で世話になるが、よろしくな」

「にゃごにゃーご!」

レオニスがライトをおんぶし、空に浮いていく。

ウィカに見送られながら、ライト達はカタポレンの家に戻っていった。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆

「ライト君、レオニスさん、おかえりなさい!」

「マキシ君。ただいま!」

「おう、マキシもお疲れー。ぃゃー、さすがに今日は疲れたな」

「ご主人様達もおかえりー。晩飯の支度はできてるぞー」

「ありがとう!」

カタポレンの家からラグナロッツァの屋敷に移動したライトとレオニス。

早速食堂に移動すると、既に帰宅していたマキシとラウルがライト達を出迎えた。

テーブルの上には、ハンバーグやサラダなど晩御飯の用意が既にできている。

「皆、天空島はどうでしたか?」

「うん、すっごく楽しかったよ!」

「いいなー、僕もいつか天空島に行ってみたいです!」

「マキシ君も、連休になったら行こうね!」

「はい!」

晩御飯を食べながら、マキシに土産話をするライト達。

天空樹ユグドラエルは、マキシの生まれ故郷である八咫烏の里にいる大神樹ユグドラシアの兄姉。それ故マキシもいつかはユグドラエルに会いたいようだ。

晩御飯を食べ終えた後は、広間に移動する。

食後のデザートとともに、土産話の続きをするためである。

だが、デザートを運んでくるラウルを待っている間に、ライトはロングソファの上で寝てしまった。

ライトにとっても初めての天空島の旅はとても楽しくて有意義だったが、それでもかなり疲れていたようだ。

レオニスもマキシも、ライトを無理に起こすことはせず、微笑みながら静かに見守っている。

食後のデザートを運んできたラウルが、トレイを一旦テーブルの上に置き、ロングソファの上でスヤァ……と眠るライトの顔を覗き込む。

「何だ、ライトはもう寝ちまったのか」

「うん、かなり疲れていたみたい」

「今日は一日中ずっと出かけてたしな」

「まぁな。竜の女王の背に乗って天空島に行ったり、女王達に会ったりしてきたもんな。さぞ疲れたろう」

眠っているライトのほっぺたをちょん、ちょん、と突っつくラウル。ライトは夜寝ると朝までずっと寝るタイプなので、多少突っつく程度では起きないのだ。

相変わらず寝顔だけは歳相応のライト。ふにゃふにゃとした寝顔を一頻り眺めた後、ラウルが向かいのソファに座るレオニスに問いかける。

「どうする、今日はこのままこっちの屋敷に泊まっていくか?」

「いや、俺が連れて向こうに帰るわ。朝の鍛錬もあるしな」

「そうか。ご主人様もお疲れさん」

「ラウルも今日一日ご苦労だったな。そういやお前の目的だった、ドライアドの加護だかはもらえたのか?」

「おう、おかげさまでドライアド達から無事加護をもらえて、植物魔法もちゃんと使えるようになったぞ」

「そうか、そりゃ良かったな」

レオニスがテーブルの上に置かれた珈琲を啜りつつ、ラウルを労う。

ラウルは途中ライト達と別行動を取っていたが、加護を得るためにドライアド達に会いに行ったり、そのドライアド達から超モテモテだったり、無事獲得した植物魔法をテストしたり。ラウルはラウルで何かと忙しかったことは間違いない。

その甲斐あってラウルも成果を得られたと聞き、レオニスも喜ぶ。

「ラウル、お前も疲れたろう。明日は俺も一日休むから、お前もゆっくり休め」

「ありがとよ。お言葉に甘えさせてもらって、明日は植物魔法のテストやマカロン作りに勤しむとしよう」

「それ、全然休みじゃねぇじゃん……」

「どっちも俺の趣味の範疇だから問題ない」

「ま、お前が楽しく過ごせて休暇になるってんなら、それが一番だけどよ」

雇用主であるレオニスが、せっかくラウルに丸一日休むように言ったのに、ラウルは魔法の実践やらお菓子作りに励むという。

それでは休んだ気がしないのではないか?と思うレオニスだが、ラウルにとっては十分に立派な休日となるらしい。

特に今日は、ドライアド達に何度もマカロンを振る舞ったので、ラウルの手持ちのマカロン在庫はほぼスッカラカンだ。全種類合わせて百個以上はあったはずなのだが、ドライアドも三十人くらいいたのであっという間に底をついてしまったのである。

そのスッカラカンな在庫を補充するために、明日のラウルはマカロン作りに勤しむのだろう。何ともラウルらしい休日の過ごし方である。

「次にお前と出かけるのは、ラギロア島だったか?」

「おう。俺はラギロア島までは行かなくてもいいが、その手前のエンデアンまでついていくわ。ジャイアントホタテの貝殻処理依頼をこなしたり、海産物の買い出しもしたいからな」

「そっか、お前も忙しいね……ま、それまでお前ものんびり過ごして英気を養いな」

「そうさせてもらうわ」

ラウルとの話も一通り済ませたレオニス、ソファで未だ熟睡しているライトを抱き抱えてカタポレンの家に帰っていった。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆

ライト達が天空島から帰ってきた翌日。

この日は前日の疲れを取るために、皆完全オフにして休暇を取る日である。

カタポレンの家の自室でぐっすり寝ていたライト。いつも起きる時間より少し遅くに目が覚めた。

「ンーーーッ……よく寝たぁー……」

ライトは布団から起き上がり、両腕を上に上げて思いっきり背伸びをする。

背伸びの後、はぁー……とため息をつきつつ布団から出て鍛錬用の服に着替える。病気で寝込んでいたり、泊りがけの外出でもしているのでなければ、いつ何時であっても朝の鍛錬は欠かさないのだ。

着替えてからレオニスのいる寝室を覗くと、レオニスもまだグースカと寝ている。レオニスもまた昨日の天空島の旅は結構疲れたようだ。

ライトは外に出て、少し高くなったお日様の光を浴びながら先にラウルの畑に水遣りを済ませ、鍛錬に出かけていった。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆

朝の鍛錬を済ませて家に戻り、起きていたレオニスとともに遅めの朝食兼早めの昼食を摂る。

昼食を食べながら、昨日出かけた天空島の話で一頻り盛り上がった後は各自自室に戻って休む。

ライトが先に食堂を出る際に、レオニスから「夏休みの宿題、早め早めにやっておけよー」と声をかけられたライト。「はーい!」と元気よく返事をしつつ部屋に入る。

今日はまだ夏休み二日目だが、確かにレオニスの言う通りで夏休みの宿題はさっさとこなしておかなければならない。

これからエリトナ山やらラギロア島やら氷の洞窟やら、出かける予定が山ほどあるのだ。

部屋に入ってから一時間ほど、ラグーン学園の夏休みの宿題をこなすライト。

その後休憩とばかりにベッドに寝転びながら、マイページを開いて眺め始める。

真っ先に開いたのは、イベント欄のクエストイベント最新ページ。

お題の材料が天空島由来の素材と知り、当分は採取できないことが分かりきっていたのでここ最近は全然開いてもいなかった。

だが、昨日ようやくその天空島由来の素材『閃光草』をたくさん採ってきたので、早速クエストイベントのページを開いたという訳だ。

「はぁー……このページの先頭、閃光草のせいでクエストイベントがずーっと止まっていたけど……ようやくこれで、何とか先に進めることができる」

「長かった……すんげー長かった……」

感慨深げに呟くライト。

この最新ページの9ページ目に到達したのが、三月の半ば。春休み突入直前の頃の話だ。

そこから何と約四ヶ月もの歳月が経過してしまったが、天空島という最難関をクリアした今、ようやくその先に進むことができる。

長い時間がかかってしまった分、クリアした時の喜びもまた 一入(ひとしお) というものである。

クエストイベントの最新ページの内容は、以下の通りである。

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★小人族の危機に備えよ act.6 【深潭の微睡み】を作ろう!★

〔深潭の微睡み 原材料〕

【41.閃光草の針葉10個 報酬:500万G 進捗度:0/10】

【42.濃縮グランドポーション1個 報酬:マキシマスポーションレシピ 進捗度:0/1】

【43.氷蟹の甲羅3個 報酬:50CP 進捗度:3/3】

【44.濃縮コズミックエーテル1個 報酬:ギャラクシーエーテルレシピ 進捗度:0/1】

【45.青色のねばねば1個 報酬:100CP 進捗度:1/1】

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「とりあえず、昨日採ってきた閃光草を部位別に分けないとなー」

「あと、グランドポーションとコズミックエーテル作りもしとかないといけないか……材料、あとどれくらいあったかな?」

「つか、そういやこれとはまた別に、闘水や退魔の聖水も作らなきゃならんかったっけ……そっちの材料も見とかなくちゃ」

クエストイベントの内容を精査しながら、ライトは独りごちる。

まず、昨日採取した閃光草で今すぐ必要なのは針葉、葉っぱの部分だ。針葉以外の茎や根、たんぽぽの綿毛のような穂の部分と切り分けておかねばならない。

また、針葉以外の部分もいつか必ず使う時がくるはずなので、それらも全部とっておく予定だ。

そして他の項目、No.42とNo.44の濃縮回復剤。これらもまた新たに作らなければならない。

グランドポーションはエディの孵化に、コズミックエーテルはミーナの孵化に使ってしまってほとんど手持ちがないためだ。

これは、使い魔の卵の孵化用の餌にするために絶対に欠かせない条件だったため、それらを使い切ってしまったことに何ら悔いはない。

とはいえ、通常小売価格3000Gもする高級回復剤を大量消費した後の補充もまた一苦労である。

ただ、そこら辺は原材料さえあればいつでも作ることができる。もっとも、原材料の中には闘水や退魔の聖水など、別途作成しなければならないものも含まれていて、それはそれでまた別途手間がかかり大変なのだが。

今日はレオニスがともに在宅しているので、大っぴらにレシピ作成を展開することはできない。レシピ作成作業中に部屋に入ってこられでもしたら、大変なことになるからだ。

今日は閃光草の部位分けだけすることにして、他に揃えなければならない原材料をピックアップしていくライト。

今日は本当に骨休めとして家でのんびり過ごしつつ、クエストイベントの次の段階に進むための準備に取り掛かるライトであった。