軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第631話 二人の女王

そうして二つの神殿がある島に辿り着いたライト達。

まずパラスが先頭に立ち、神殿がある島に降り立つ。

その後に続いてレオニスが島に降り立ち、おぶっていたライトをそっと下ろす。

すると、島にいた光の精霊や雷の精霊がわらわらと寄ってきた。珍しい客人に興味があるのだろうか。

身長5cmから10cmほどの、手乗りサイズの小さな精霊達がライト達を取り囲む。光の精霊や雷の精霊だけあって、小さな精霊達もキラキラとした光をまとっている。

光の精霊は淡い黄金色っぽくて、雷の精霊は光の精霊よりも若干黄色が強めだ。雷の方が眩しく発光しそうなものだが、雷=黄色!というアニメ系彩色のテンプレ意識の現れか。

ちなみに精霊達の顔の作りや体型などの姿形は、どれも皆同じ。いわゆるコピペである。

BCOでは精霊類も他のモンスターと同じ扱いだったので、他の魔物同様コピペ量産対象なのだ。

とはいえ、属性の女王の幼児化=幼女バージョンなので、それはもうとても見目愛らしい姿をしている。

だが、何しろ光属性だけにキラキラと眩い。

ずっと直視しているとかなり目に良くなさそうなので、少し視線をずらして見るようにするライトとレオニス。

一方精霊達はきゃらきゃらと笑いながら、パラスやレオニス、ライトにまとわりついてくる。

特に初めて見る人族―――レオニスとライトが物珍しくて仕方がないのか、蜜に群がる蟻か蜜蜂のようにたくさん集まり過ぎて埋もれてしまいそうな勢いだ。

「「…………」」

精霊達にほぼ埋もれかけたレオニスとライト。彼らにへばりついた精霊達を、そっと摘みながら優しく引き剥がすパラス。

ペリッ☆と剥がされる度に『キャー☆』とか言いつつ、楽しそうに笑っている精霊達が何とも可愛らしい。

そうしてパラスは精霊を引き剥がしては空中に解放しつつ、周りにいる精霊達に話しかける。

「ユグドラエル様の命により、光の女王と雷の女王を訪ねて来た客人をお連れした。すまぬが、ここを通してもらえるか?」

クスクスと笑いながらライト達から離れて、今度は手を引っ張る精霊達。どうやら神殿に連れていってくれるつもりらしい。

ライト達には精霊の言葉は分からないが、『いいよー♪』『こっちこっちー♪』とか言いながら案内してくれているっぽいのが分かる。

精霊達に手を引っ張られたライト達。彼女達に引き連れられるようにして、右側の神殿―――天空神殿へと入っていった。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆

『ようこそ、人の子よ』

『人の身でありながら、よくここまで来れたわね!』

天空神殿に入ったライト達を、何と光の女王と雷の女王が出迎えた。

二人同時に出迎えられるとは思ってもいなかったので、ライトもレオニスもびっくりしている。

「じょ、女王様が二人いる!?」

「うおッ、眩しッ!」

光の女王と雷の女王、どちらも光り輝く眩い存在。

それが同時に並んでいるのだ、あまりに眩し過ぎてライトもレオニスもとても目を開けていられない。

二人とも思わず眉に手を翳して目元に影を作るが、それでも眩し過ぎて女王達の輪郭すらよく見えない。

『ああ、確かに私達一体だけでもかなり眩しいでしょうね』

『あらいけない、これでは人の子達の目が焼きついて失明してしまうわ』

『光を弱めてやらねば』

女王達が慌てて自身の出力?を抑え、光量を極限まで弱める。

強烈なフラッシュライトにも等しかった光量が収まったことで、ようやく目を開けることができたライト達。

女王達の輪郭もちゃんと見えるくらいになって、ほっと一安心だ。

「……光の女王に、雷の女王とお見受けする」

すぐに冷静さを取り戻し、女王達に問いかけるレオニス。

レオニスの問いに、女王達は微笑みながら答える。

『然様。私は光の女王、全ての光を司りし 精霊(もの) 』

『同じく。我は雷の女王、全ての雷を司りし 精霊(もの) 』

嫋やかな光の女王に、溌剌とした雷の女王。

その声だけでその性格が伺い知れる。

女王達からの答えを得たレオニスは、すぐに自分も名乗る。

「俺はレオニス。見ての通り人族で、冒険者をしている。炎の女王の依頼により、全ての属性の女王達の無事を確認して回っているところだ。……って、ライト、どうした?」

いつもなら、レオニスの後にすぐにライトが続けて自己紹介をするところなのだが。何故か固まっているライト。

いや、何故固まっているのかは分かりきっている。

属性の女王達の姿に見惚れているのである。

属性の女王もまたコピペで、目鼻立ちや造形は基本的に全て同じだ。基本的の姿形に、色やエフェクト、髪型などをそれぞれの属性の特徴を表した色に変えているだけである。

だがその見目麗しさは格別で、どの女王もそれぞれに際立つ美しさがある。

その匂い立つような色香に、ライトは毎回ノックアウトされているのだ。

ぃゃぃゃ、そうは言ってもどれも同じ絵がもとなんでしょ?と思い侮ることなかれ。色が違うだけでも結構変化して見えるものなのだ。

ライトにしてみれば、その美しさはいくら見ても見飽きることなど絶対にないし、新たな出会いがあれば都度感動するくらいに前世のBCOでは大好きなキャラ達だったのだ。

毎回毎度ライトがノックアウトされるのも、致し方ないというものである。

レオニスに肘で軽く突っつかれたライトが、ようやく我に返る。

そして慌てて自己紹介をし始めた。

「あッ……は、初めまして!ぼくは、ライトと言います!レオ兄ちゃんと同じ人族です!光の女王様と雷の女王様に一度にお会いできるなんて、とっても光栄です!」

『まぁ、幼子なのに口がお上手ね』

『可愛いことを言ってくれる子ね!』

他者と出会うことがあまりない女王達。ライトの率直な喜びの言葉に、女王達もまた素直に喜び喜色を湛える。

ライトが初対面の属性の女王達に対して語る言葉は、いつも偽らざる本音である。前世で大ファンだったからこそ、実際に目の前で会うことができて本当に心底喜んでいるのだ。

それが女王達にも真っ直ぐに伝わり、結果女王達のライトに対する心証も良いものになる。

「ライト……恐ろしい子!」

早速キャッキャウフフ☆なオーラを醸し出すライト達に、レオニスはただただ絶句しつつ白目を剥きながら慄くしかなかった。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆

お互いに自己紹介を終えたところで、ぼちぼち本題に入る。

『ところで……炎の女王の依頼で私達に会いに来た、と言っていたけれど。それは一体どういうことかしら?』

『その証拠は示せるの?』

女王達は、ライト達が持っている他の女王達の勲章からその気配を感じ取っているはずだ。

だが、その気配だけに頼ることなくちゃんとした証拠の提示を求めてきた。

女王達の問いかけに応じ、ライトとレオニスはジャケットやマントの内ポケットから炎の勲章を取り出してそれぞれ差し出した。

「これが、炎の女王が俺達に託した証だ」

『確かに……炎の女王が生み出した品に間違いないわね』

『というか、他の女王達の気配も幾つもあるのだけど……もう既に何ヶ所も見て回ったの?』

「ああ。今までに回ってその無事を確認できたのは、水の女王、火の女王、闇の女王、海の女王だ。今回光の女王と雷の女王の無事確認できれば、後は氷の女王と地の女王、風の女王を残すのみとなる」

雷の女王の問いに、これまでライト達が訪ねた女王達をレオニスが挙げていく。

その間ライトは、内ポケットからさらに各属性の女王達からもらった勲章を次々と取り出して、二人の女王に全部見せていった。レオニスの話が真実であることを裏付けるためである。

ライトの提示を目の当たりにし、女王達が目を丸くして驚いている。

『まぁ、もうそんなにたくさんの姉妹達と会ってきたの……それはすごいわね』

『どの場所も、訪ねるだけでも結構難しいでしょうに……やはり我等姉妹が勲章を授けるだけの力はあるようね!』

『疑うようなことを言ってごめんなさいね。私達って、普段は地上の者達と接することがほとんどないから、貴方達の話をどこまで信じていいものか全く分からなくて……』

各勲章を直に見たことで、今度こそ二人の女王はライト達を信用する気になったようだ。

ライト達に向かって、素直に謝罪を口にした光の女王。

天空島の者達が人見知りなのはライト達にも分かるので、光の女王を責める気は全くなかった。

「いいえ、女王様達のお気持ちも十分に分かるので、そんな謝らないでください!」

「そうだな、人族が天空島に到ること自体が困難だからな」

ようやく二人の女王達の信用を得たライト達は、属性の女王達の近況も含めて、地上で起きている様々な出来事を話していった。