軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

096

ちなみにレイに挑んだ他の団長は完全にレイに遊ばれていたが、こちらが終わったのをみてレイが武器を噛み砕いたことで終了した。

エースの相手は最初の鍔迫り合いの時点で吹き飛ばされたのが見えていたのでとっくに終わっている。

そしてアールの相手に至っては、もう始まってすらいなかった。

「ひっ……」

アールの前にはガタガタと震えて立ち尽くす騎士。

本家の【竜の咆哮】を直に浴びたんだろうな……。

「いやぁ……本当に強いね」

セシルム卿が拍手をしながら近づいてくる。

「このぶんだとドラゴンゾンビも楽勝だったんじゃないのかい?」

「まさか。私は身体を半分持っていかれたわよ」

ミルムの言葉にざわめいたのは騎士団員たちだった。

「嘘だろ……!? フリュード団長の攻撃をあんなにあっさり躱してたのに!?」

「いやそもそもあの強さでそんな苦戦する相手って……」

「なあ……俺たちが行かなくて、良かったんじゃないのか?」

どうやら目的は達成できたらしいな。

騎士団員たちの顔から敵意が薄れたのを感じた。

「あなたのほうが苦戦したんじゃない?」

「そうだな……死にかけたし、そもそも最初は身動きすら取れないくらい力に差があったからな」

意図を汲み取って話に乗っかる。

狙い通り、騎士団員たちだけでなく、団長のグロイスを含めてこちらに対する見方が柔らかくなった気がした。

「で、本番はこれからなんでしょう?」

ミルムが期待を込めてそう告げるが、セシルム卿の返事は歯切れが悪いものだった。

「はは。そりゃあ団長よりも一騎打ちが強い団員はたしかにいるんだが……いまのを見て挑めるほどの者は……」

セシルム卿がそう言いながら団員たちを見渡すが、一斉に目をそらした。

そんな中、一人だけ前に進み出る騎士がいた。

「失礼します!」

「おや?」

現れたのは先程の金髪の騎士、アイルだった。

「アイルが行ったぞ……」

「よくあんなの見たあとでいけるよな……流石アイルだ」

「確かに今一番強いのはアイルかもしれないよな。気も強いけど」

周囲からの評価も高いようだ。

そしてきつい印象の見た目通りの性格であることもうかがえた。

「確かにそうだねえ。いい経験になるかもしれない」

「では……」

「だが」

やる気満々のアイルをセシルム卿は制してこう言った。

「もっといい案があるんだ」

「いい案……?」

セシルム卿の言葉にアイルが首を傾げていた。