軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

094

グロイスは巨体を生かした大剣使いのようだ。

スピードよりパワーで戦うタイプ、だとすれば、【超怪力】の力の見せ所だ。

グロイスが大剣を上段に構え、姿勢を低くしてこちらへ改めて視線を飛ばしてくる。

「いくぞ……!」

グロイスの初動はこちらの予想していたパターンから大きくかけ離れたものだった。

「なっ!?」

「ふんっ。油断したな」

なんとグロイスはたった一歩の踏み込みでこちらの射程内まで飛び込んできたのだ。

完全に不意を突かれた俺の頭に、身体ごと叩き潰すほどの一撃が振り下ろされる。

──ガンッ

「なにっ?!」

だが今度はグロイスが驚く番。

体格差の大きい俺がその一撃を剣で受け止めたからだ。

「おいおい……寸止めだったからか?」

「いや、あれはそんな威力じゃなかっただろ……」

「それに寸止めだとしても、団長の一撃はほんとに直前まで威力が落ちないんだよ。剣で受けられるのはおかしい!」

ギャラリーになっていた騎士団から声が上がる。

「ぐっ!?」

上から大剣を押し込もうとするグロイスだが、動かないどころか俺に押し返され始めている。

「おい!? 団長が押し負けてる?! しかも下からだぞ?!」

「馬鹿な……こないだ来てたAランクの冒険者だって歯が立たなかった団長なのに!」

「いやでも! 団長がつええのは力だけじゃないだろ!」

不利と見たグロイスが鍔迫り合いを解き、あっという間に射程外へ飛ぶ。

あの巨体であの身のこなしはすごいな……。

にしても、スキル様様だな……。【超感覚】【超反応】【超怪力】は本当に、これのおかげで俺の守りはある意味自動的だと言っていいほど堅いものになっていた。

中でも【超怪力】はエースたちと戦ったときに得た頼りになるスキルだ。

まあロイグに力負けしなかったんだからこんなところの騎士に負けるとは思っていなかったけど……。認めたくはないがあれでロイグは実力だけは本当にすごかったからな……。いやあの性格で騎士団長になるほどだったんだ、実力が抜きん出ていなければありえない話だ。

あのパーティーで単体でSランクに一番近かったのもロイグだろう。むしろ実力だけなら十分Sランクでおかしくはなかった。周囲の目を気にしてリーダーのフェイドよりランクが高くなるのを避けただけだったはずだ。

と、余計なことを考えてる場合じゃない。

「勝負の途中に考え事たぁ、随分舐められたもんだなぁ!?」

横薙ぎの剣撃が振るわれる。

これもスキルのおかげできっちり止められるんだが、問題はここからだった。