軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

183 ギルドマスターの失態②

「おい……ありゃ一体なんだよ……」

「魔物? にしたってでかすぎるだろ……」

「Sランク冒険者って化け物ばっかだな……」

その様子を受け、納得できない男が一人。

「こ、こんなもの! 偽物に決まっている! 貴様らギルドを欺こうとした罪は重いぞ!」

「またそれなの? 芸がないわね……前にも言ったけれど、ギルドマスターが正しく物の価値を見られないような施設で、冒険者は安心して活動できるのかしら?」

「ぐ……ぐぬぬ……」

周囲の冒険者たちと俺たちを見比べ、何も言い返せなくなったカイエンがそこにはいた。

「神竜一匹。この時点で払い切れるのかどうか確認がしたくてな。払いきれるならあと二匹はあてがあるんだ」

「当て……まさか貴様ら……」

「神竜は三匹いたでしょう?」

「なっ⁉ 待て……神竜三匹だと……この一匹でも王都ギルドの予算では……まず軍務卿に確認をとって……それから……」

ぶつぶつ言い出したカイエンに追い打ちをかける。

「おっと、あれだけ大口叩いたんだ。まさか一匹も買い取れないとは言わないな?」

「ぐっ……」

「神竜一匹……この国の国家予算三年分くらいになるかしら?」

「国家よさ……馬鹿なことを言うなっ! ただでかいだけの竜だろう!」

「へえ? 鱗一枚とっても既存の鉱物や素材では傷一つ入らないこの貴重な革を、ただでかいだけの竜?」

「肉は良質な栄養源になる。骨ももちろん素材になるし、内臓は錬金術師に渡れば最上級ポーションがいくつでもつくれるだろうな」

「ぐ……」

「まあ、私たちはどっちでも良いわ? 王都ギルドのマスターともあろう人間が大口を叩いた挙げ句お金が足りませんと引き下がっても、借金を背負ってでも買い取るでも、はたまた査定を偽って価値に見合わない買取を強要しても……ただし最後の選択を取ったとき、王都のギルドから冒険者は消えるだろうけれど」

ミルムの言葉を受けて見守っていた冒険者達が大きくうなずいた。

「くっ……貴様ら……」

「良いからどうするか答えなさい」

ミルムのプレッシャー。

ギルド職員たちの憐れむ目。

そして、冒険者たちの値踏みするような眼差し。

「借金生活か。あんたの総資産じゃまるで足りないだろうし、何してもらおうか……」

「ぐ……申し訳……ありません……当ギルドでは手に余るものでございまし……た」

悔しさで顔の形が歪む程に表情を引きつらせながら、なんとかカイエンは言い切った。

「ふふ。そう。残念ね。じゃあ持ち帰りましょう」

「そうしよう。ああ、悪いけど金が払えないんじゃ依頼は受けられない。この依頼、俺は降りるぞ」

「なっ……では竜三体などどうすれば……!」

「知らないわよ。それを見繕うのが貴方の仕事でしょう?」

「くっ……」

完膚なきまでに打ちのめされたカイエンは、もはや何も出来ず立ち尽くしていた。