軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

184 領地視察①

旧アルバル領。

ランドの手によりアンデッドタウンとなったこの地に、王都騎士団が視察に訪れていた。

領主であるランドと、最高戦力であるミルムは王都ギルドから出された緊急の個別指定依頼に駆り出されており不在だ。

そのため出迎えたのは領主代理、アルバル領騎士団団長であり、 唯(・) 一(・) の(・) 生(・) 存(・) 者(・) であるアイルだった。

「これはこれは、お出迎え感謝いたします」

「いえ、このようなところへ高名な王都騎士団の団長直々にお出でいただき光栄の至りでございます」

「ははは。いえいえ、私などここを治めるランド殿と比べればまだまだ……して、そのランド殿はどちらへ?」

事情など当然知っている団長ベリウスが、白々しくそう尋ねる。

「あいにく領主は現在不在にしております。突然の来訪でしたので」

「ああ、そうでしたか。いえいえ、お忙しいはずです。ですが我らも時間がないので……申し訳有りませんが貴方にお相手していただいても?」

「構いません」

「では早速ですが、領地の様子を拝見させていただければと思います」

ベリウスが連れてきていた調査員三名に指示を送る。

アイルの意思など確認せず、勝手に領内に散らせようとしたのだ。

だが……。

『おや、困りますなぁ。お一人で出歩かれては我らの主人に合わせる顔がありませぬ』

「なっ⁉」

思わず声をあげたのは副団長のガルムだった。

ベリウスはすんでのところで声を出すことはとどまったが、それでも目の前に突然現れた老人がまとうオーラに気圧されていた。

『そちらの団員の方々にはそれぞれ館の使用人をつけさせていただきます。何かあればお気軽にお声掛けいただければ……』

そうロバートが告げると、いつの間にか団員たちの直ぐ側にメイドたちが現れる。

生きた人間に比べればあまりに薄いその顔色や肌の白さ。

だが間近に迫られた団員たちはそんなものを気にする余裕などなかった。

「なんだこのプレッシャー……」

「これが……メイド?」

「メイドまで戦闘訓練を……?」

ロバート直轄のメイド集団。

その力量はすでにAランク冒険者パーティーであれば一人で相手取れるほどになっている。

種族はゴーストだが、ロバートのスペクターとの中間種族のような状態になっていると言えた。

本来ありえないことだが、ロバートの指導と死なないゴーストとしての習性が合わさった結果できあがった強制的な存在進化の結果だった。