軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

149 職人セラ

「遺体があるからと言っても……俺のスキルって霊体を捉えて初めて使える気がするんだけどな……」

「貴方、いつも対象なんてあとまわしで手当り次第じゃない」

「なんか人聞きが悪いな……」

でもまあ確かに最近は対象を指定してやるより広域にとにかくスキルを展開するほうが多かったかもしれない。

まあ……やってみるか。

「【ネクロマンス】」

──セラと盟約を結びました

──スキル【目利き】を取得しました

──能力吸収によりステータスが向上しました

──使い魔強化により使役する使い魔の能力が向上します

「できたようね」

「そうみたいだな」

ネクロマンスに成功した感覚はミルムと共有される。

状況がつかめないマロンさんはそわそわしていたが……。

『む……ここ、は?』

遺体から霊体だけが起き上がるようにセラが目覚めた。

「セラ……! セラなのか!」

『む……マロン……どうしたの、そんなに慌てて……?』

「セラ……良かった……セラ……」

事態についていけていないセラに対して、マロンさんはただひたすら涙を流していた。

『そう……私は、死んだんだね』

マロンさんを落ち着かせ、とにかく状況を整理するために一度全員でテーブルに座る。

マロンさんはセラを娘同然にかわいがっていたらしい。

道理で必死になるはずだ。

「ありがとうございます……」

涙ながらに感謝するマロンさん。

ただ死んでることは変わらないだけに感謝されて良いものかも微妙だな……。

まあ当人であるセラは気にする素振りをみせていないし、保護者のマロンさんが感謝しているのならそれでいいのか。良いということにしよう。

『状況は、わかった。助けてくれてありがとう。できればすぐ、工房に戻りたい。今なら、前より良いものが作れる気がする』

セラのマイペースっぷりはこのわずかな時間話しただけでわかるほどのものだった。

同時に興味の全てを装備製作に傾けているために寿命が長いのに常識がないともマロンさんは言っていた。

まあ想像とは違う方向ではあったが、職人らしい職人であると言える。そういう意味では信用できる相手だった。

「ロバート」

『はっ……こちらに』

「この領地の鍛冶施設はどこに?」

『元々冒険者が多かった地域柄ですから、各地にございますが……最も設備が良いのはこの城下町で廃墟となった場所かと』

「じゃあそこを片付けて……」

『いつか使うと思っておりましたのですでに準備は整っております』

さすがの対応だった。

「というわけだけど、見ていくか?」

『ん……場所はどこでもいい。設備がなければ、それから作る』

頼もしい限りだった。