作品タイトル不明
第381話「訓練の終了と課題」
#第381話「訓練の終了と課題」
ダンジョンの二か所同時氾濫は大きな混乱となった。対応策としては俺たちと自衛隊特殊部隊のチーム分けだ。
その対応策がうまくいくかどうか分からないので、基本的には毎月、軌道訓練を行うことになった。
今回はその第一回目。俺たちAチームは沖縄、そしてルナたちBチームは1時間後に北海道に向かう想定で進んだ。
俺としては沖縄に初めて足を踏み入れ様々なことを感じた。デモ活動家の人たちがやたらと多いのだ。
平和活動家の主張も理解はできるがやはり自衛隊も米軍も必要だと個人的には思う。この辺りはデモ活動家の人達とは主張が正反対なので分かり合うのは困難だと思う。
思い起こせば俺にも分かり合えない人間がいた。名前は確か……出てこない。そうだ、思い出した、司だ。あいつとは一生分かり合えない気がする。
そもそも、あいつは同じ人間とは思えないほどに分からない。他人の迷惑を考えず、ずかずかと他人の心に入り込もうとする。
今後も分かり合うのは絶対に無理だと思う。まあ、もう会うことすらもないだろうけどね。
そんなことを考えているうちに、沖縄の自衛隊基地内の訓練場についた。まずは情報部隊と実行部隊が現地情報を確認するなどの訓練対応をした。共に人数が少なくなったのでやることが多くて大変そうだ。
基本的な訓練が済んだ後は自衛隊特殊部隊の人達と俺たちが軽く手合わせをした。申し訳ないけど俺たちはダンジョン内の力を保持しているので、相手が自衛隊の人達と言えども全く相手にならない。
できるだけ手加減しての手合わせだ。時には四方八方から攻撃をしてもらったけど、全く問題ない。その攻撃を全て受け止めて寸止め攻撃で返した。
藤原さんと白石さんが目を輝かせている。
「やっぱり、すごいな。全くかなわない。頼もしいよ」
「ありがとうございます」
「今後も訓練で時間が空く時には模擬戦に付き合って欲しい」
「もちろんですよ。要望があれば何でも言ってください」
リーダーの俺にいろいろと話かけてくるので、とりあえず無難に対応したつもりだ。これでいいよね?
その後はまだ少し時間があるということで近隣ダンジョンにも向かった。そして五階層で討伐。五階層ならば4人でも問題なく対応できる。
ただ、六階層は4人だけだとまだ厳しい。どうしてもリスクはあるだろう。興味はあったけど不要なリスクは取らないということで六階層には入らずに沖縄でのダンジョン活動を終了した。
ともかく、俺たちは問題はなさそうだ。
地上でもダンジョンでも普通に動ける。それで俺達側の確認は十分だ。
全行程が大きな問題もなく完了。その後はヘリに乗り込み、そのままとんぼ返りとなった。
初めての沖縄だったけど観光する時間はやはりなかった。印象としては暑いのと活動家が多いというぐらいで……ちょっと悲しい。
でも海などの景色は綺麗で本当に素晴らしかった。次に来る時には楽しみたいと思う。ああ、そうだ。次は現地の食べ物も堪能したいところだね。
何ならひよりと二人だけで来るのもありかもしれない。恋人らしいこともあまりできてないから、そろそろ何とかしないと愛想尽かされる可能性すらあるかも。その辺りは注意したいところだ。
そうしてヘリに乗り込んだ。ヘリ内で、いろいろな話をしながら立川駐屯地へ帰還。俺たちが1時間先に出動したこともあってルナたちはまだ戻ってきていない。
しかし、しばらくしてルナたちも戻ってきた。ルナに聞くと北海道側も俺たちと似たような流れだったらしい。
北海道の自衛隊基地にヘリが降りたち、その後は基地内で軽い手合わせなどの訓練。そして北海道にあるダンジョンの五階層で討伐。
やはりルナたちBチームも地上、ダンジョンでの活動共に大きな問題はなしということだ。
ただし、それは俺たちに限っての話。自衛隊特殊部隊側はやはり双方のチームの負担が増している。
これまで十人で回していた業務を、事実上半分でこなすことになるからだ。
ヘリ操縦士も、現時点では各チーム一人。本来はヘリは二人で運行するのが基本らしい。
それはそうか。一人の操縦士に何かあれば即リスクだ。基本的に二人以上の操縦士がいないとまずい。
そのため、今回はそれぞれのチームで副隊長役として動いていた白石さん、岩崎さんもヘリ操縦免許取得へ動いているらしい。
自衛隊特殊部隊の方は本当に大変そうだ。やはり人員を少し増やした方がいいのではないかな?もちろん情報管理の面で簡単に増やせないのは分かるけどね。
ともかく、俺たちは二チームに分かれただけで特に何もないのはありがたい。やることは基本的に全く同じで変わらない。
そして現時点で大事なことは強くなることだけ。すなわち、できるだけ早くレベル7になることだけだ。
その気持ちが更に強くなったこともあり、立川駐屯地に帰還、解散となった後に、そのまま恩方ダンジョンの六階層に入り軽く討伐をした。
そして、その日の活動が終了。
慌ただしい一日だった。とりあえずは二か所同時氾濫があったとしても何とかなりそう。
自衛隊特殊部隊の方の負担が問題ではあるが、そこは俺たちではどうしようもない話。
俺たちは俺たちのできることを進めて行こうと思う。