軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第364話「レベル4モンスターの脅威」

#第364話「レベル4モンスターの脅威」

最初のレベル4モンスターの氾濫は、A国で発生した。出現したのはダンジョン内部と同じくウルフ型だ。

「レベル4のモンスターが氾濫したと思われます。すぐにドローンでの対応をお願いします」

「了解。氾濫したダンジョン、氾濫規模と今後の予想を教えてくれ。レベル4モンスターを考慮した新兵器も投入する」

レベル4モンスターの氾濫は脅威だ。

しかしさすがはドローン最先端のA国だ。レベル4の発生をある程度は予測していた。冷静なやり取りが進んだ。

そしてまずは、モンスターの氾濫直後から大量のドローンによる一斉攻撃を仕掛けた。

四方八方からドローンがレベル4モンスターを狙ったのだ。数十のドローンの一斉攻撃。爆発が起き、煙で視界が遮られた。

「さすがにレベル4でもひとたまりもないだろう」

「やったか?」

しかし、煙が晴れた後に出てきたのは、ほぼ無傷のレベル4モンスターだった。何が起きたのか理解できず、現場に向かった人員はすぐさま映像を解析した。

その映像を見て驚愕。

彼らは今までのモンスターとは全く違った。スピードが速い、とにかく速いのだ。しかも知能が高い。

レベル4モンスターは飛来するドローンを視認すると瞬時に軌道を読み、回避していった。これまでには見られなかったドローン同士の同士討ちが見られた。

そしてレベル4モンスターは次の瞬間には、他の場所を疾走していた。

「いつの間に違う場所に?」

「これまでの単純な攻撃では無理だ。違うパターンを試せ!」

レベル3までのモンスターとは明らかに違う。スピードが違う、それだけでも十分脅威だった。

さらに、知能がある。ドローン攻撃を軽く避けた。時には同士討ちを誘った。更に彼らは味方モンスターを盾にもした。

それはダンジョン内の四階層でも見られた挙動と同じものでもあった。

四階層ではレベル4モンスターが、レベル1~レベル3のモンスターを引き連れて相手を攻撃する。

時には自分を守るための盾にする。

時にはレベル1~レベル3までのモンスターだけを意図的に前線へ押し出し、自らは背後に回る。そして相手戦力を見極めるのだ。そして隙があればそこを攻撃してくる。

レベル1~レベル3までのモンスターとは明らかに挙動、そして知能が違う。相手の戦力を見て、瞬時に戦略を立てて行動するのだ。

時には倒れた味方の屍すら盾に利用した。自らが生きるために何でも利用する。その生存本能と知能のなせる技なのだろう。

もちろん、耐久力も高い。攻撃が当たりにくいだけでなく、当たってもなかなか決定打になりにくい。

自らの弱点を悟っているのであろう。その弱点をうまく隠して動いている。

さらに盾を使うことで、有効打が極端に減った。

A国は量産型だけでは厳しいと考え、これまでは使わなかった高火力型ドローンをも大量に投入した。レベル4モンスターに対抗するための新兵器である。

他の機体で注意を引きつけ、その隙に火力重視型で狙撃する。

戦術としては正しい。しかし、それでも十分ではなかった。いくら高火力でも盾があると威力は半減する。中途半端な火力増強はそこまで意味はなかった。

そして、最大の恐怖は夜だった。暗闇の中を、レベル4ウルフは高速で移動した。

明らかに人里を目指す動きだった。やはり知能が高い。

知能を持つ存在が、明確な目的をもって都市方向へ向かう……それはこれまでの単なる氾濫とは呼べない脅威だった。

人里を目指す理由ははっきりしない。しかし理由はどうでもいい。人里に入ってしまったら。被害はただではすまない。

A国軍は緊急にバリケードを設置し、重装備部隊を展開。ぎりぎりのところで都市部への侵入を食い止めるべく奮闘した。

ドローンだけでなく装甲車や戦車なども多数出撃した。

何とかぎりぎり都市への侵入は食い止めた。

だが被害は甚大。多数のドローンが消滅し、インフラが破壊された。

そして「ドローンとの戦力比は1:200以上」とされた。現時点では上限がないのである。

運が良ければ200程度のドローンで対応可能。

しかしうまくいかなければ、いくらドローンがあっても倒せない。新たな高火力ドローンなどの開発、投入、更には他の戦力との連携が必須という結論に達した。

現場の兵士たちはその脅威に絶望した。

「さすがにもう無理だ……レベル3までとは全く違う」

「これはもう人類では対抗できるレベルではない。次にこれ以上の氾濫が起きたら終わりだ」

そう口にする者もいた。

思えば、レベル3氾濫からかなりの時間があった。そしてレベル4のモンスターはレベル3までとは全くスピード、パワー、耐久力、そして知能が高いことは分かり切っていたのだ。

本来なら、レベル4モンスターが氾濫するまでに次世代兵器の開発を急ピッチで進めるべきだった。

だが多くの先進国は、新兵器開発よりも既存兵器のコストダウンを優先してしまった。数があれば何とかなると考えてしまったのだ。

効率化。量産化。価格競争。それが裏目に出た。

レベル4モンスターの出現は、世界に問いを突きつけた。人類は、レベル4モンスターの出現で滅ぶのではないか?

そんな声が、各国の世論に広がり始めた。当然、日本も例外ではない。

世界は再び、大きな岐路に立たされていた。