軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第218話「五階層の初実践」

#第218話「五階層の初実践」

五階層はかなり難しい階層ということでミーティングや訓練を繰り返した。やはりオークの大きさ、そしてそれによる攻撃の重さが一番の問題だ。

弱点を狙う訓練、そして受け流しの訓練を繰り返し1週間。とうとう五階層の初実戦の日となった。

正直なところ、俺はかなり緊張していた。初挑戦の前に訓練を重ねたのは初めての経験、あれだけ訓練をしたのだから絶対にうまくいくはずという気持ちと、やはりそれだけ大変な階層だという気持ちが混ざり合っている。これでうまくいかなかったらどうしたらいいのだろう。

それを察したのか、ルナが声をかけてきた。

「レン、緊張しすぎだ。それでは実力の半分も出せないぞ」

「ああ、そうだな。分かってはいるけどやはり初めての五階層の実践だからな。どうしても緊張が先に出ているのかもしれない」

そして初めての五階層、そこに俺たちは足を踏み入れた。もちろんルナだけは何度も入っている階層ではあるが他のメンバーは初めての階層。

でも不思議だ。さっきまでは緊張していたのだけど実際に足を踏み入れたら緊張はほぼ無くなったような気がする。むしろワクワク感が強い。これまでの練習がどこまで通用するのか、早く試したくなってきた。敵が早く出てこないかとウズウズしてきたぞ。

「レン、緊張が解けたようだが今度は前のめりすぎだ」

「分かった。気持ちの持ち方は何とも難しいものだな」

ルナはよく見ているな。そしてよく分かったな。凄いものだ。

そこで俺は何度か深呼吸した。気持ちを落ち着けて敵を探す。見つかった。いきなり20体と最大数だがそれもいいだろう。早く試したい。

俺たちはすでに決めたフォーメーションで素早く動き出した。今日の俺のパートナーはラムと決まっている。他のメンバーもすでにパートナーガ決まっており敵が20体、すなわちオークが4体の場合は決まったパートナーで2体1で対応する。

オークが3体の時は3体1が2組と2体1が1組になる。これについてもすでにシミュレーションで決めている。敵が何体であろうとすでに決まったフォーメーションで倒すだけだ。

その五階層初挑戦は、ざっくり言えば“手応えあり、ただし課題も山ほど”という感じになった。

俺がオークと初めて戦った感覚としてはオークはやはりその攻撃が重いと感じた。さすがに強い敵だ。

でもまあ拍子抜けするほどに想定内だった。やはりルナの映像で何度も見て想定していたのが良かったのだろう。

そのため余裕を持ちながら何度も受け流しの確認ができた。

もちろん、これまでの相手の攻撃の方向を変える受け流しではそのまま剣を持っていかれる感覚がある。なので軽めの受け流しだ。相手の攻撃を少しずらすだけだが、そこに躱しを入れれば弱い受け流しでも問題はない。

何度か実戦で確認してその感覚を掴んでいく。

他のメンバーも基本的には俺と同じような感じのように見える。そこまで苦戦しているようには見えない。

受け流しの感覚、そしてオークのスピードの感覚、弱点を狙った時の相手に与えることができるダメージの確認、その時のオークの挙動のチェックなどを進めていく。

映像で何度もシミュレーションしたのだが、それを実戦でそれを再確認していく作業を進めた。そして、必要に応じて微調整していく感じだ。

あとは雑魚相手の調整もある。弱いとは言ってもピンキリだ。耐久性がそれなりにある敵もいるので一撃で倒せない場合もある。どの程度の強度の打撃で倒せるのか確認作業をしていく。

「ルナ、どう思う? 特に大きな問題はなさそうだが」

「ああ、そうだな。私が思ったよりもスムーズだ。びっくりしたよ。みんな強い」

ルナが褒めるのは珍しいな。まだまだ課題も多いがとりあえず初日としては順調ということだろう。

ただ、やはり初日で慎重に進んだこともあって討伐数はかなり少ない。これが大きな難点だ。初日は200体ほどの討伐となった。そのうちオークは約40体。

できるだけルナに集中させてレベルアップを狙ったが、これではルナのレベルアップだけでもまだまだ先になる。ルナがレベルアップした後はそれなりに楽になるとしても最初のレベルアップに時間をかけていては全体のレベルアップが遅くなる。

それでは駄目だ。

安全マージンを確保しながら、いかに効率を上げるか。それが今後の課題になってくる。それにはやはり繰り返しが必要、そして慣れが必要だろう。

俺の場合で言えば、やはり実践でも訓練と同じ問題が出た。弱点を狙うとどうしても威力が落ちる。俺の一番の課題はとりあえずそこになりそうだ。他のメンバーは人によって違う。例えばクーはやはり上背がないせいか受けが厳しそうに見えた。躱し中心の方がいいだろう。

でも逆に言えばオークからは攻撃の的を絞りにくい。それを逆手にとれば逆に攻撃をしやすいだろう。

人によって違う課題が出てきた。対応の仕方も人によって違ってくる。そして、その課題も他人から見れば違って見えるかもしれない。

自分で思っているよりも良い対応方法もあるかもしれないから他人の視点も必要だ。今日もミーティングが必要だな。マンションの使役モンスター側の部屋に集まろう。

五階層ではまだまだやることがある。焦らず、しかし確実に前へ進んでいこうと思う。