作品タイトル不明
番外編 クローデリアとユウマの断罪2
「何か楽しそうなお話をされていたようですが」
クローデリアが応接室に入ってきた。
どこをどう聞けば楽しそうなのだ?
「いや、何、このユウマ君が私の大事なクローデリアを断罪しようとしてな、嗜めておったところだ」
おい、おっさん!
「そんな……断罪だなんて。私はクローデリア様ほどすばらしい方はいないと申しましたが……」
ともかく俺の無罪は主張しておかねば。
「そうよ、ユウマがそんなことするわけないじゃない。……で、ユウマは私の何が気に食わないの?」
俺が陰でクローデリアの悪口言ってたみたいになってるな。
「いえ、俺なんかが気に食わないなんて、言うのもおこがましいです。それでもあえて言えば、お美しすぎてお優しすぎるので、世の男どもを惑わせてしまうのが罪深いと……」
「ふーん」
セーフなのか、アウトか? どっちなんだ。
「クローデリアもユウマ君を断罪したいことがあるのではないか?」
公爵が露骨にアウト側に俺を追い込もうとしてくる。
「本当はすごい人なのに卑屈すぎる。それで『俺ごときが死んだところで……』みたいに、すぐ自分を犠牲にしようとするところ。私がそれでどれだけユウマのことを心配してきたか考えてほしいところだわ」
罪っていうか単に気に食わないことを言っているだけですよね?
「クローデリアを心配させるとは聞き捨てならないな」
公爵が俺を睨む。
「でもそういうところも含めて好きなの。心配するのも嫌ではないのよね。やっぱりこの人のことが好きなんだなぁって実感できて。それに、私が守ってあげればいいだけだし」
クローデリアの惚気に公爵は露骨に不快な表情を見せる。
「そうなんですよ。クローデリア様は、お美しくてお優しい上にお強いので、これ以上頼りになる方はいらっしゃいませんよ」
俺はクローデリアを賞賛する言葉を重ねる。
ここは攻めの好機!
「私の娘をゴリラの用心棒みたいに扱うのはやめていただきたいな」
ゴリラなんて言ってないだろうが!
「お父様、私のことゴリラなんて言わないで!」
「いや、私が言ったのではなくてだな……」
あんただよ。
公爵が咳払いをする。
「それにしても、おまえたちは大変な罪を犯したな」
そう言うと、公爵は真剣な顔で俺たちを見た。