軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

外伝 第十七話 冒険者登録

「ボリカッサの街でも人が多いって思ったけど、王都はもっと人が多いね。中に入れるのにも時間がかかりそうだし」

「朝は出入りの人が多いから、仕方ないよ」

数日歩き続けて、リスバーン村から王都の城門の前にまで到着したけど、故郷の村とは比べ物にならないくらいの人の多さにげんなりとした。

じろじろ、見られるし、人に酔いそう。

「アルフィーネ、大丈夫なのか? 顔色が――やっぱり、村で仕事を探した方が――」

「だ、大丈夫だって! ほら、前が進んだよ!」

入城できる番が、自分たちにきたことをフィーンに告げる。

「あ、ああ。無理だけはしないでね」

フィーンは衛兵たちに村の名を告げ、王都に来た理由を話していく。

その間も別の衛兵からは、こちらが嘘を吐いてないか、探るような視線を向けられた。

はぁ、居心地悪い。これから、ずっと出入りするたんびにコレをされるのか……。

冒険者も上位になれば、免除されたりもするって先輩の冒険者が言ってたはず。

ほんと、早いところ冒険者になって、実績を積んで昇格しないと。

そんなことを考えていたら、衛兵たちのチェックは終わり、王都の中に初めて足を踏み入れることができた。

「でかい……店も住居もいっぱいある。さすが王都だね」

「う、うん。外からは城壁で見えなかったけど、こんなにすごい街だとは思ってなかった……。あたしたち、冒険者ギルドを見つけられるかな」

村の何十倍も建物が立ち並ぶ通り沿いを歩きながら、最初の目的地である冒険者ギルドを探していた。

これは想定外だった……。簡単に見つけられると思ってたけど、無理かも。でも、フィーンが先輩冒険者の人から場所を描いてもらった地図を持ってるし、大丈夫よね。

「たぶん、もらった地図だとこっち。王家の紋章である大鷲と似た意匠が掲げられた建物があるはず……なんだけど」

「大鷲の意匠……」

周囲を注意深く見まわしながら歩いていると、それらしき建物が見えた。

「フィーン、あれじゃないの!」

建物の周りには、武装した冒険者っぽい人たちの姿もたくさん見える。

「たぶん、アレだ!」

「じゃあ、行こう! 早いところ冒険者登録しよう!」

冒険者たちで溢れ返った建物に向かい、二人で駆け出す。

建物の中は、今日の依頼を探す冒険者たちが行き交い、かなりざわついた様子だった。

外よりも人の密度があがって、より一層、気分が悪くなりそう。

なんで、こんなにいっぱい人がいるのよ! 全く、もう!

人の多さに文句を言いたくなったが、それをあたしが言うと、フィーンが村に帰ろうって言いだすんで必死で押しとどめる。

「アルフィーネ、登録窓口はこっちだって! 早く、来て!」

人の多さに辟易してたあたしと違い、フィーンは持ち前の人当たりの良さから、優しそうな冒険者の人を捕まえて登録窓口の場所を聞き出してくれた。

やっぱ、フィーンて頼りになる。

あたしじゃ、あんなふうに知らない人に声がかけるなんてこと、一生できなさそう。

剣の腕だったら、負ける気は全然しないけど、それ以外のことはフィーンには敵わないと思う。

「分かってる。すぐ行くから!」

あたしは、ふぅと気合を入れると、人波をかき分けてフィーンのもとに向かった。

窓口では、色々と聞かれたけれど、問題なく冒険者になることが認められ、晴れてあたしたちは王都の冒険者ギルドで鉄等級冒険者となることができた。

担当の人から新人同士で何名かパーティーを組むようにと勧められたが、見ず知らずの他人と一緒に行動するなんて真っ平ごめんだった。

なので、強硬に反対して、フィーンと二人でパーティーを結成している。

「アルフィーネ、僕らだけで大丈夫かなぁ……」

「大丈夫! あたしとフィーンなら、問題なくやれるって!」

大丈夫、きっと問題ない。村で散々野生動物は狩ってきたし、魔物だって楽勝よ。うん、そう大丈夫!

「とりあえず、登録もできたことだし、依頼は明日からにして、まずはコレをどうにかしないといけないと思うの」

二人だけで冒険者稼業することを決めた不安をかき消すため、村からずっと腰に差してた練習用の木剣から、実戦に使える武器を手に入れることをフィーンに提案した。

「武器かぁ……欲しいけど、お金はそんなにないよ。中古の剣でも買えるかどうか……」

フィーンがお金を渋るのは、生活するためのお金も考えてるだろうけど、いい武器ないと依頼もこなせない気がする。

「今はいい武器を手に入れる方が先決だって思う。あたしとフィーンの腕を活かせる武器があれば、お金も稼げるはずだし」

「それは、そうなんだろうけどさ」

珍しくフィーンがあたしの意見に賛同をしてくれない。

いつもなら、『しょうがないな』って言ってくれるのに。

やっぱ、孤児院から離れた王都で生活しないといけないのが影響してるのかな。

いつもみたいにはいかないか……。

拒絶を示したフィーンにちょっとだけ、苛立ちが起き、知らぬ間に爪を噛んでいた。

「アルフィーネ、また爪噛んでるよ」

「あ、うん。やめる」

フィーンに指摘され、すぐに爪を噛むのをやめた。

うーー、でも、やっぱ剣を手に入れたい。

いい剣がないと、冒険者としていい仕事ができないだろうし。

あー、もどかしい。

「よう、そこの若けぇの二人。オレに酒代を出してくれれば、極上の剣を一本ずつ打ってやるぜぇ。そんなおもちゃみてーな木剣じゃなくて、本物が欲しいんだろ?」

フィーンをどう説得しようか悩んでいたら、背後から酒臭い息を巻き散らした中年のおじさんが声をかけてきた。