作品タイトル不明
回収と回収
故郷の村などこの周辺の村々で、今ぐらいの季節に流行る『クラウチダウン』と呼ばれる風土病。
嘔吐・熱が出てうずくまる様子からつけられた名前だ。死亡率は低いが薬が無いと、一ヶ月近く病床に伏せる事になる奇病の一種。
そして、故郷ではパンデミックの予兆が出ているようだね。薬になるホーンディアは二匹だけを、ラウラのオヤジがケガをしながら取って来た。近くのホーンディアは俺とアオイで、狩りをしていたからね。遠くで強敵に出会ってしまったんだね。かわいそうに……遠い目をしている、ルディ君でした。
そしてホーンディア一匹のツノに対して作れる薬は、十人分……村は三百人。誰が優先的に貰えて、誰が後回しになるのか見ものだな。フフフッ……
さて、故郷でとりあえずやるべき事は、終わったからソロソロお楽しみににいこう。
この三日間で回収可能な、ジョブ因子を貰ってしまおうか……
「アオイ、ジョブ因子吸引が終わった、分裂体を戻してくれ」
「キュイ、キュイ」
アオイは触手で敬礼をやってみせた。だんだんと芸が増えてくね、アオイ。
村人に着いていたアオイの分裂体が、徐々に集まってくる。それがアオイに、ドンドンと合体をしていく。
アオイは合体する度に、キュイキュイっと言ってる。
そして獲得したジョブ因子はコレらだ。
【戦闘系】
兵士、喧嘩士、蛮族
【魔法系】
見習い魔法使い、見習い僧侶
【生産系・その他】
行商、労働者、村民、遊び人
まぁ、三日間で得られるジョブなんて、下級なんだろうからこんなもんだな。でも、ジョブってなんかの拍子で上位になったりするんだよ。だから鍛えていくと……例えば行商から、上位に位置する商人になったりするんだ。
ジョブ因子吸引をして準備は出来たし……モラーザへ向かおう。その前に試してみるでしょう……ジョブ因子を。
「アオイ、喧嘩士をセットだ。いくよ、一心同体発動」
【名前】ルディ
【レベル】6
【ジョブ】喧嘩士
【年齢】15歳
【性別】男
【種族】人族
【ジョブ】スライム士
【スキル】
・『スライム』:ユニーク
・『転生者』:ユニーク
・突進
・身体強化
【魔法】
・ライト
〘ジョブ因子を確認しました。スキル転生者に『着せ替え』が発現しました〙
着せ替え……持っているジョブ因子を交換する事が出来る。持っていない因子はダメ。
ほうほう。俺だけではなくアオイにも適用されそう。
う〜ん、これなら……
あっ、それよりもモラーザへ向かおう。喧嘩士よ、見せてもらおうか。キミの実力を……
モラーザへ向かい走り出す。今までよりも速く、身体が少し軽くなったみたい。なんかキレもいいな。
今までよりも二時間早く、モラーザへ着いたよ。
まずは冒険者パーティー『クリムゾンダンス』と合流する前に……
「オヤジさん、来たよ。頼んであった武器と、防具は出来たかな?」
そう、武器防具を頼んであったドワーフのオヤジさんの所にきた。武器防具が無い状態で、冒険は出来ないからね。回収しないと……
「おう、小僧出来てるぞ。全てがアイアンクラブを軸に、魔物素材と金属を合わせているまずは……」
短剣、ショートソード、ロングソード、槍、ハンマー、オノ、杖、グローブ
一通り買っていた。ジョブ因子を手に入れる前提で、頼んでいたんだ。そして防具にはワイルドベアーと、グリーンウルフの革を使った革鎧。軽くて丈夫だね。
「ありがとう。流石にいい出来だね。コレで大丈夫かな? またよろしくね」
「おう、いつでも来い。小僧ならまた作ってやるぞ」
支払いを終えて、冒険者ギルドに向かった。
これで頼んでいた、武器防具の回収は終わった。
街の薬剤師さんに薬の作成をお願いしてから、冒険者ギルドへ向かった。
はやる気持ちを抑える事もしないで、冒険者ギルドへと急いだ。
冒険者パーティー『クリムゾンダンス』と合流する為に、冒険者ギルドに着くと……そこには既にクリムゾンダンスのメンバーが揃い、俺を待ってくれていたようだ。
俺が姿を見せたことで、笑顔で手を上げてくれていた。
誰かが待ってくれる、ただこれだけなのに……スキル『スライム』を手に入れてからはこんな光景を見なかったんで、もの凄く嬉しくて泣きそうになった。
ここで冒険者ランクについて、触れておく。
冒険者ギルドでは、冒険者として活動するのにランクをつけている。
それはベテランや新人を分けるだけでなく、実力や人柄なども考慮され分類している。
この、冒険者ランクによって管理する事により、無謀な真似して亡くなる者を減らすのが目的だ。
このランクが無い時は難易度が高いダンジョンなどで、亡くなる者も多く出て問題になっていた。
そこでこのランク制を採用して、無謀なダンジョンアタックや強敵の討伐要請など、制限を掛けることに成功した。実際にランクとは以下の通り。
Gランク……初心者
Fランク……見習い
Eランク……初級
Dランク……下級
Cランク……中級
Bランク……上級
Aランク……特級
Sランク……英雄級
SSランク……大英雄級
SSSランク……伝説級
このようなランク分けをされている。普段は左側で呼ばれる。俺を助けてくれた『クリムゾンダンス』は冒険者ランクはCランク……中級冒険者となる。
Cランク冒険者にになるには冒険者ギルドが求める実力はもちろん、人柄などを合格しないとなれない。
『クリムゾンダンス』は冒険者ギルドが認めている、冒険者という事になるのだ。