作品タイトル不明
買い物と職業集め
俺の命の恩人冒険者パーティー『クリムゾンダンス』に会うことが出来て、お礼と新たな依頼をした。
買い物をした後に一度ウチに帰る為に別れ、一週間後に再度落ち合う予定だ。
さて、村では売って貰えなかったのでモラーザの街で買って帰らないとね。幸い一週間サバイバルで魔物を狩り続けたからその魔物素材を換金した。
そのお金で色々と備えないとね。
キャンプ道具や魔道具、あとは武器や防具なんかも欲しいな。
あとは調理器具や調味料なんかも。
俺は冒険者ギルドの受付嬢のお姉さんに聞いてギルド提携のお店で揃えていく。さすがギルド推薦のお店。品揃えは良いし、品質も申し分ない。
故郷の村なんかでは、手にはいらなかったろうな。
キャンプ道具、調理器具、調味料なんかは同じ店で揃える事が出来た。
武器防具店に来てみたが……
「駆け出しが使えるモンはウチの店にはねーよ」
うわ〜、頑固一徹なドワーフの職人って感じのずんぐりむっくりのヒゲモジャオヤジが、俺に向けて怒鳴ってるな。腕なんかは太いし……パワーが凄そう。『パワー』ってやってくんないかな。
う〜ん、威勢良く言われるとイジリたくなるじゃん。
「ならどのくらいの冒険者なら売ってくれるの?」
「フン、ワシが認めた冒険者しか売らん」
おー、やっぱりドワーフって感じだね。さて、どうしようかな……
「あっ、アレなんかどうかな……アオイ、アイアンクラブを出してくれない」
ドワーフのオヤジの前で、アイアンクラブを丸々一匹出してみた。実はギルドに全ては卸して無いんだ。武器防具なんかにも使えるかと思って……
「ん? おいおい、アイアンクラブじゃねーか。まさか……小僧が狩ったのか?」
ドワーフのオヤジを目を一度、二度と瞬きをしてアイアンクラブの状態を確認しだした。
「もちろん俺とこのスライムのアオイで狩ったよ」
肩に乗ったアオイはビヨ〜ンと触手を伸ばした。
「ガハハ、まだ冒険者にもなれない小僧と最弱魔物のスライムがアイアンクラブを狩った?」
笑い転げている。でもアイツらみたいなバカにしている雰囲気ではない。むしろ……
「いや、スマンかった。久々に骨の有るヤツがワシの前に来たと思ってな、ガハハ」
まだ、豪快に笑っている。まあ、認められたという事なんだろうな……
「親方、俺は合格なんですか? なら……」
「ああ、分かっているさ。小僧になら武器を売ってやる。このアイアンクラブを元に作るか?」
いくつか要望を言って一週間後にまた街に戻るから、それまでにお願いした。前払いで幾らか払い店を出た。
武器防具店の次は魔道具店に寄ってみた。
…………魔道具って高い。火を着ける魔道具やランプみたいな魔道具なんかは比較的安めだけど。
それでも庶民の一ヶ月分くらいの生活費と同額がかかるようだね。
ただ欲しかった魔道具はいくつかあった。魔物避けの魔道具や安眠の魔道具など……でも高くて買えなかった。今回は見送りかな。必要な物資や武器防具、『クリムゾンダンス』への依頼などでもうほとんど残って無いんだよな。
じゃあ、用事も済んだからこの前に出来なかった、ジョブ因子吸引を行わないと。ようやくアイツらの存在価値が出て来たな。
精々、俺の役に立ってくれよ。クズヤロー達。
俺はその日のウチにモラーザの街を出て、故郷の村に帰る。行きと同じように『身体強化』を発動して走り抜ける。左腕が無くなる前と後では、信じられないくらい強くなったもんだな。このままドンドン強くなって見返してやるさ。
来る時と同じように一日半かけて、故郷まで帰って来た。
相変わらず門番はガミガミ言っていたから、透明になったアオイ分裂体をくっつけて実験をした。
『ジョブ因子吸引』発動。う〜ん、すぐには吸収が終わらないみたいだな。時間が見られれば……ジョブ因子吸引をしている透明アオイ分裂体を触ってみると、
【名前】アオイ
【職業】アオイ分裂体
【スキル】
・スライムな身体(吸収・分裂・合体・擬態・縮む・膨張・分解・発酵)
・ジョブ因子吸引(兵士:三日)
おっ、見れた見れた。そうか兵士の因子を手に入れるのに三日かかるという事だね。
その間はアオイ分裂体は密着したままにしないとダメ。地味にめんどくせー。
まあ、やっぱり強力な効果には副作用があるという事だろうね。
ガミガミ門番に兵士サンキューっと思いながら、アオイ分裂体よろしくと合図を送る。
家に向かいながら村人にアオイ分裂体を、次々と貼り付けていく。
農家や生産系などは、比較的早めに完了するみたい。
反対に戦闘系は時間がかかる。兵士の三日は早い方だね。
一応、スキル授与前の子供にも使ってみたけどコレは空振り。
そんな事をしていたら……いきなり石を投げて来た子供がいた。これに対して石を右手で受け取り、子供と一緒にいたオヤジに投げ返してみた。
もちろん、頭を狙ったヘッドショットでは無く手足を狙う安心パックだよ。
子供の父親はまさか自分が狙われるとは思わずに、いたので避けられない。石に当たった父親が文句を言いに来たから……
「人に向かって石を投げる事しか、子供に教えられない親が何を言ってる? 石を投げられたら人はどうなるのか? 石を投げられた人がどう思うのかを、父親であるアナタで試してみたよ。どうかな? 少しは分かった?」
なにも言えなくなった父親をぶん殴る。子供にお前のせいで父親が殴られてるんだぞと、優しく教えてあげるのだった。