軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第83話 キーマカレー

ということで、私はサッと調理をして日本の料理を作った。

残っていたカレールーを使って作った簡単キーマカレー。

合い挽きのひき肉と玉ねぎとカレールーだけで作れるため、キーマカレーは本当に時短料理としておすすめの品。

「ロッゾさん、シッドさん。ご飯ができました」

「うっわ! めちゃくちゃ良い匂いじゃねぇか!」

「本当に良い香りだな。佐藤さんは飯を作れるのか」

キーマカレーを見て、目を輝かせてくれている2人。

カレー同様にキーマカレーも見た目は良くないはずなんだけど、美味しそうと思ってくれていることは良かった。

最初の抵抗感がなければ、1口目から抜群に美味しく感じられるはず。

「お礼といったら何ですが、どうぞ食べてください」

「ああ! 腹も減ってるから食べさせてもらう。いっただきまーす! ――んぐッ! な、なんじゃこりゃ! お、おい、シッドも食ってみろ!!」

1口食べた瞬間に立ち上がり、興奮した様子でシッドさんにも食べるように促したロッゾさん。

この反応的に、ロッゾさんのお口に合ったようでニヤニヤしてしまう。

「言われなくても食うわ。――んぐッ! な、なんじゃこりゃ……美味すぎるだろ」

「なぁ!? 言っただろ! この料理、とんでもなく美味い!」

そこからロッゾさんとシッドさんは、ほぼ無言でカレーを食べ進めていった。

そんな様子をシーラさんは羨ましそうに見ており、私は少し余っていたキーマカレーをシーラさんに食べさせてあげることにした。

「わ、私も食べていいのですか?」

「ええ。余っている分だけですけどどうぞ」

「ありがとうございます!」

そこからは一心不乱でキーマカレーを食べている3人を、私は笑顔で見続けた。

自分で食べるのも好きなのだが、こうして美味しそうに食べてくれている姿を見るのが何よりの癒しになる。

「はぁー……本当に美味しかった! 佐藤さんは料理の天才だな!」

「私は天才なんかじゃありませんよ」

「いいや、紛れもない天才だ。俺はこう見えても金は持っているし、王都にある色々な美味い店を食べてきたが、佐藤さんの作ってくれたこの料理が1番美味しかった」

「そう言ってくれてありがとうございます。ただ、本当に食材が良いだけですので」

「謙遜しなくて大丈夫ですよ。長い間一緒にいる私ですら、佐藤さんは天才だと思いますので」

2人が褒めまくってくれるのは嬉しいけど、直接的に褒められると恥ずかしくなってしまうのはいつものこと。

「まぁ、また気軽に来てください。料理も余裕がある時は振る舞いますので」

「そりゃありがてぇ。DVDプレーヤーだけでも満足だったが、こんな美味い飯まで食わせてもらったらなぁ……。まだ建てたい建物は決まっていないのか? すぐにでも取り掛からせてもらうぜ?」

うーん……。

建物に関してはまだ決まっていないんだよな。

家を事前に建ててもらうのもありっちゃありだけど、食在庫なんかも欲しいし、娯楽のためだけの建物なんかも欲しいとは思っている。

いまだ案が纏まり切っていないため、シッドさんに依頼するのは決めかねている状況なのだ。

「建ててもらいたいものはいくつかあるんですけど、まだ決まっていないんですよね。場所とかも重要になりますし、もう少し練りたいとは思っています」

「ちなみにどんなものを考えているんだ? 俺も手伝える時は手伝うからよ!」

「まぁでも、いずれは食在庫を建てたいなと思っていますね。収穫した野菜とかを保管しておきたいので」

「うーん……食在庫ならすぐに建てちまっていいと思うけどな。どうせ畑の近くに建てるんだろ?」

「そうですけど、まだ食在庫が必要なほど作物を育てていないんですよ」

「必要になってから建てるじゃ遅いぜ? 明日からでも建てに来てやるぞ」

うーん……本当に悩みどころ。

シッドさんの言うことが正しいし、モージがいることですぐに畑が大きくなりそうな気もする。

すぐに建ててくれるといってくれているのだから、建ててもらった方がいいのかもしれないな。

「なら、建ててもらってもよろしいでしょうか? 詳しい位置についてはまた当日にお教えします」

「了解。早速、明日から作業させてもらうからよ。ロッゾも少し協力してもらうぞ」

「もちろんやらせてもらう! 良い飯を食わせてもらったし、佐藤さんとシーラのためなら働くぜ?」

「じゃあ、後で作ってもらいたいものを教えるから、食在庫を建て終える前に作ってくれ」

「おうよ! がっはっは、久しぶりに腕が鳴るな!」

ロッゾさんとシッドさんは乗り気になっており、2人で拳まで合わせている始末。

この間、兄弟仲が悪いと紹介されたばかりとは思えないほど、仲の良い兄弟にしか見えない。

……というか、実際に兄弟仲はいいはず。

「それじゃ俺達はもう帰るぜ。充電は途中だろうが、明日からまた通うから一時的に返してもらう」

「あー、充電は終わっていると思いますよ。どちらでも構わないと思いますが、お返ししておきます」

私は発電機で充電していたDVDプレーヤーを返却し、ロッゾさんとシッドさんを見送ることにした。

ふらっと充電しに来ただけだと思うけど、柵作りまで手伝ってくれたし、明日の食在庫造りまで請け負ってくれて、本当に頭が上がらない。

「今日はありがとうございました。明日もよろしくお願い致します」

「礼を言うのはこっちだ。今日もありがとな」

「秘密のDVDもめちゃくちゃ良かったし、ご飯もハチャメチャに美味かった! 佐藤さん、本当にありがとうな!」

「またいつでも遊びに来てくださいね」

「おうよ! 金が貯まったら、ここに移住しようかな! 何だか発展する気しかしねぇしよ!」

「発展するかどうかは分かりませんが、ロッゾさんならいつでも歓迎ですので来てください」

そんな嬉しい一言を残し、ロッゾさんとシッドさんは帰っていった。

まだ住人は5人だけだけど、従魔も増えてきたし、発展はしているのかもしれない。

もう少し発展させ、王都からこの別荘までのスノーディアによる定期便を走らせてもらえれば、一気に活発化しそうではあるんだけど……もう少し先のお話だと思う。

ただ、それとなくベルベットさんに話してみようかな。