軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第82話 柵作り

「ロッゾさん、声が大きいですよ」

「あぁ、すまねぇ! 昨日のDVDを思い出してつい興奮しちまった! ……なぁ、あのエッチなDVDも佐藤さんが用意したものなのか?」

「そうです。シーラさんが近くにいるので大きな声では言えないのですが、シッドさんが女好きだということで用意したんです」

「本当にすげぇな! あんな綺麗な人初めて見たぞ!」

「喜んでもらえて良かったです。……と言いますか、結局兄弟で貸し借りしたんですね」

気まずいということで、ロッゾさんに隠れるようにAVを渡したのだが、共有するのであれば隠す必要なかったな。

ただ、配慮としては間違っていなかっただろうし、今回は仲が悪いと言っていたけど……本当は兄弟仲が良かったというだけのお話だろう。

「ロッゾがどうしても気になるっていうから仕方なくな」

「だってよぉ、シッドの奴が毎日のように自慢してくるんだぜ? そりゃ気になるってもんよ!」

「とにかく、お二人の仲が良いみたいで私は嬉しいです」

「「仲良くねぇ!」」

全力で否定してきたのだが、完全に息も合っているところから仲が良いようにしか見えない。

今はNPがないからできないけど、いずれはロッゾさんにソーラー発電機をプレゼントしてもいいかもしれないな。

DVDプレーヤーを使う以上は充電をしなくてはいけないし、兄弟でのやり取りがきっと増えるはず。

「とりあえず充電をしておきましょうか。少し預からせて頂きますね」

「ああ、よろしく頼む!」

ということで、私はDVDプレーヤーを預かって充電を開始した。

その間に2人はシーラさんと話していたようで、かなりタジタジとなっているのが遠くから見えている。

「いやいやいや、頼まれたら断れねぇなぁ。暇だし、手伝うか」

「だな! 充電終わるまでは時間がかかるんだろ? なら、俺が手伝わせてもらう!」

「ロッゾさん、シッドさん。ありがとうございます」

3人の下へ向かいながら話を聞いていたのだが、どうやら柵作りのお願いをしていた様子。

シーラさんからお願いされたということもあるだろうけど、快く引き受けてくれたみたいだ。

「柵作りを引き受けてくれたんですか?」

「美人さんに頼まれたら断れねぇよ。それに柵ならすぐに作れるだろうしな」

「そういうこと! ちゃちゃっと作っちまおうぜ!」

「ロッゾさんとシッドさんが手伝ってくれるのは心強いです。私は指示さえしてくれれば動きますので」

ということで、ロッゾさんとシッドさんも交えて柵作りを行うこととなった。

基本的には私とシーラさんは運搬係で、木材の加工はロッゾさんが行い、組み立てはシッドさんが行うという流れ。

ロッゾさんの加工技術もさることながら、シッドさんの建築能力の高さには驚かされる。

家を建ててくれた時は見ることができなかったから、つい見入ってしまう。

「佐藤さん、手が止まっているぞ。動かねぇと今日中に終わらないからな」

「すみません。シッドさんの建築技術が凄くて見入ってしまいました。これは魔法も使っているんですか?」

「ああ。建築のためだけに、俺は土魔法を覚えたからな。筋肉に加えて、魔法も扱えるからこその建築だな」

シッドさんが語ってくれたように、加工された大量の木材を筋力で運びつつ、運んでからは魔法を使いながら建築していっているのだ。

手先も非常に器用なようで、細かな作業にも余念がないし、王都一の大工さんなのは間違いないだろう。

惚れ惚れするような速度で作られていく木の柵に目を奪われつつも、私も必死で運搬作業を行う。

農業とは違う、単純な肉体作業に筋肉が悲鳴を上げていたけど……頑張ったお陰もあって、3時間ほどで柵を立てることができた。

「うし、こんなもんだろ。佐藤さん、何か気になるところとかはあるか?」

「いえ、完璧な仕上がりだと思います。トゲトゲもいい感じですし、害獣だけでなく魔物でも追い返せる仕上がりです」

「その上、空にはクロウがいますからね。昼間は私やルーアさん達が戦えますし、夜はワイトパラディンとなったスレッドがいますので、誰も近づけないと思います」

「守りは盤石ですね。出入り口も作ってくれましたし、こちらから裏山に行くのは簡単なのもいいです」

「気に入ってくれたみたいで良かった。まぁ今回のは軽い仕事で勝手に手伝ったから、カウントしなくて大丈夫だ」

「俺も無償で大丈夫だぜ! 勝手にやっただけだしな!」

「お二人とも、本当にありがとうございます」

私にとっては超重労働だったのだけど、シッドさんやロッゾさんは何てことない顔をしているし、本当に軽い仕事って感じだったのだろう。

ただ、無償で手伝わせるというのは悪いし、充電まではもう少しだけ時間がある。

ルーアさん達の歓迎会で使った食材を使って、軽い日本料理を振舞ってあげようか。

2人にとっては軽い仕事とはいえ、仕事終わりのご飯はきっと美味しく感じるはず。