軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第74話 早い仕事

「お願いですか? 私にできることなら、なるべく聞きますが何でしょうか」

「早速で悪いんだが、充電とやらをしてほしいんだ。実は今日にも訪ねてきたのは、充電を使い切っちまったからなんだわ」

申し訳なさそうに出したDVDプレーヤーは確かに充電が切れており、何も映らない状態になっていた。

まぁ6時間ではすぐに切れてしまうか……。

ここに来る面倒も考えたら発電機も渡してあげたいところだが、流石に15000NPの発電機を簡単にはプレゼントできない。

「もちろん構いません。一昨日も伝えた通り、こちらに来て頂けたら無償で充電しますので。数時間ほどで充電はマックスになると思います」

「それなら良かったぜ! 作業している間に充電は終わりそうだな」

「ええ。確実に終わると思います」

「それを聞けて安心して作業に臨むことができる。んで、俺は一体どんな家を建てりゃいいんだ? 一応、普通の家を建てられる準備はしてきたが」

そう言ったシッドさんの後ろを見てみると、冬の時にダンジョン街まで向かった時に乗ったスノーディアのような魔物が引いている馬車が3台止まっていた。

丸太が見えているし、ちゃんと準備をしてやってきてくれたらしい。

「ちょっと待っててもらってもよろしいでしょうか。こんなに早く訪ねてくるとは思っていなかったので、少し同居人の方と話してからお伝えします。シッドさんも中で待ちますか?」

「いや、従業員もいるから馬車の中で待っている。決まり次第、呼びに来てくれや」

「分かりました。すぐに決めますので、少しだけ待っていてください」

シッドさんにそう伝え、私は急いでシーラさんを呼びに行くことにした。

朝も早いため、まだ寝ている可能性があるが……相談すると決めたからには、しっかりと話し合っておきたい。

「シーラさん、起きていますか?」

「起きていますよ。どうぞ、中に入ってください」

そう言われてドアノブに手をかけたのだが……思えば、シーラさんの部屋に入るのはこれが初めて。

変な気を起こさないように深呼吸をしてから、私はシーラさんの部屋へと入った。

女性らしい部屋を想像していたのだけど、シーラさんの部屋は非常にシンプル。

ベッドとタンス、それから剣しか置かれていない部屋だった。

「おはようございます。こんな朝早くにすみません」

「いえ、起きていましたので大丈夫ですよ。それよりもどうか致しましたか?」

「実は、王都で依頼した大工さんが訪ねてきまして、家を建てたいから希望を教えてほしいと今さっき言われたんです」

「もう来てくれたのですか! なら、外に出た方が詳しく説明した方がよろしいですね」

「はい。どこに建ててもらう等をある程度まとめてから、すぐに伝えにいきましょう」

こうして私とシーラさんは、どの場所にどんな建物を立ててもらいたいかをまとめた。

待たせているということもあり、かなり雑になってしまったため、事前に決めておくべきだったと少し後悔している。

ただ、流石に家を建てると決まってから、こんなに早く動いてくれると思わなかったから仕方がない。

雑に任せてしまうことになるが、ロッゾさんのお兄さんであるシッドさんなら何とかしてくれる……はず。

それから私はシッドさんにまとめた情報を伝え、早速仕事に取りかかってもらった。

これから建物が増える可能性も考慮し、立てて貰う場所は別荘や畑から少し離れた場所。

元施工管理職に就いていた身としては、どんな作業を行うのか気になってしまうため、畑から見えない位置に建ててもらうことにしたのだ。

今日来た人数はシッドさん含めて4人。

一切こだわりのない平屋とはいえ、シッドさんは10日ほどで建ててしまうと豪語したこともあって非常に気になる。

日本は色々と基準が厳しいこともあるけど、それでも3〜4ヶ月はかかってもおかしくないからね。

つまり10日ほどで建ててしまうということは、魔法の力を駆使して建てるということ。

実際にシッドさん以外の3人は、大工さんとは思えないぐらいの細身の方達だったからな。

……気になる。非常に気になるけど、私は自分がすべきことに注力しなくてはいけない。

シッドさんへのプレゼントと、ソーラー式発電機を購入したことで、NPも結構使ってしまったためその分も頑張らないといけない。

頬を叩いて集中し直した私は、雑念を取り払って農作業に取り掛かったのだった。