軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第352話 襲撃者の情報

戻ってきたシーラさんとヘレナを招き入れ、まずは話を伺うことにした。

どんな魔物が迫ってきているのか、どんな理由で攻めてきたのか、聞きたいことがたくさんある。

「こんな夜中に集まっていただき、本当にありがとうございます」

「前置きはいらないよ。どんな状況なんだい?」

「クロウからの情報によれば、国境の方角から数百体の魔物が迫ってきている状況です」

「魔物の種類は分かっているんですか?」

「スカルナイトやスカルライダー、さらにデッドプリーストやデッドメイジといったアンデッド系の魔物が中心のようです。そのアンデッドの大群を率いているのはアンデッドドラゴンらしく、クロウ単体での討伐は不可能と判断したようです」

なんとなく想像がつくような名前の魔物たち。

アンデッド系の魔物が数百体というだけでも恐ろしいのに、その中心にいるのはアンデッドドラゴン。

この世界でもドラゴンという存在が強大であることは、ヤトさんたちとの交流を通して知っている。

理性を失ったアンデッドのドラゴンが襲ってくると考えるだけでも恐ろしい。

ヤトさんほどの存在ではないにしても、それに近い大きさであれば、対処は非常に難しそうだ。

「アンデッド軍団が迫ってきているんですね。目的はやはり……ここを潰すことなんでしょうか?」

「目的まではさすがに分かりません。ただ、進行方向を考えると、王都を攻め込む途中にこの場所があるため、本来の目的は王都の可能性が高いのではないかと私は考えています」

「ここが攻め込まれる理由はないですもんね。まぁ、魔物が相手ということを考えたら、襲撃理由なんて考えるだけ無駄なのかもしれませんが」

王都に向かう途中で偶然この場所を襲撃するというのは、あまりにも不運すぎる理由。

ただ、その可能性がいちばん高いと私も思うし、ここで食い止めることで王都への被害が出ないと考えれば……悪いことばかりではないのかもしれない。

「それで、そのアンデッド軍団はあとどれくらいでここに到着するんだ?」

「20分から40分ほどとのことです。畑に被害が出ないよう、平原で迎え撃つ予定ですので、すぐに移動してもらいたいのですが大丈夫でしょうか?」

「もちろん。こっちは準備が整っている」

「うぅ……早くて40分後には会敵するって、怖くなってきました」

「ジョエルが怖がってどうするのさ。非戦闘職の佐藤が戦うって言ってるんだから、あたしたちはドーンとしてなきゃだろ?」

体を縮こませているジョエル君の背中を、ブリタニーさんが思いきり叩いた。

ルーアさんもブリタニーさんも、本当に心強い。

それからシーラさんとヘレナに先導してもらい、畑の先にある平原へとやってきた。

移動に10分ほどかかったので、早ければあと10分ほどでアンデッド軍団とぶつかるだろう。

「あれ? ライムはいないんですか?」

「ライムは友達と一緒にこちらへ向かってくれています。マッシュ、モージ、スレッドは先にいて様子を見てくれていますね。そして、ゴブリン軍団は防衛兵器をロッゾさんのところから運んでくれています。兵器といっても、投石機や弓弩といった簡易的なものですが」

「それでも大きいですね。本当は落とし穴とかも用意したかったですが、さすがに時間がないですよね」

「私とモージの魔法を使えば、何とか作れるかもしれません。マスター、どういたしますか?」

「うーん……やめておきましょう。魔力が無駄になる可能性のほうが高そうです」

これから戦闘が始まるのに、無駄な魔力を消費させるのはよくない。

落とし穴が決まれば強いが、間に合わない可能性のほうが圧倒的に高い。

そんな私の考えが正しかったことを証明するように、平原の奥からこちらに走ってくる魔物たちの姿が見えてきた。

一瞬、アンデッド軍団かと思ったが、それはマッシュたちであり、上空からはクロウが飛んできている。

ホッとしたのも束の間、慌てている様子を見るに、もうすぐ近くまで迫ってきているのは明白だった。

そんなタイミングで、後方からライムとその友達であるスライム軍団、そしてゴブリン軍団も到着した。

「全員集合できましたね。ひとまず私たちで防衛しつつ、同時並行でダークエルフたちや獣人族、それから龍人族も起こしに向かっていますので、時間稼ぎをメインに戦いましょう」

「腕が鳴るね。さあて、大暴れさせてもらうよ」

「僕も頑張ります! ……けど、危なかったら助けてください!」

「みんなで助け合いましょう」

私が最後にそう声を掛けたタイミングで、月明かりに照らされたアンデッド軍団の姿が見えてきた。

地響きのような振動は少し前から感じていたが、アンデッド軍団が近づくにつれて、その音もどんどん大きくなっていく。

恐怖で身がすくみそうになるが、ここで逃げるような真似はできないし、絶対にしたくない。

頬を思いきり叩いてから、私はシレイから投石機を受け取り、アンデッド軍団に向けて構えた。

「確実に数を減らしていきましょう。――開戦です!」

シーラさんの合図とともに、アンデッド軍団との戦いが始まったのだった。