軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第239話 パーティ決め

本格的に冬が訪れた。

今年は一気に寒波がやってきたため、数日前に今年の農業を切り上げ、なんとか冬が訪れる前にすべての作業を終わらせることができた。

まだ雪は降っていないけれど、着込まないと震えるくらいには寒い。

毎年思うことだけど、やはり冬は好きじゃないなぁ。

日本で暮らしていた頃はそんなふうには思わなかったけれど、こちらの世界ではとにかく暇になってしまう。

ダンジョン攻略も嫌いではないけれど、さすがに三回目となると目新しさはない。

もともと体が動かず、初年度から足手まといだったのに、さらに年老いていくため、成長よりも劣化のスピードの方が早いのだ。

これでも寝る前に剣を振り続けているんだけど、一向に強くなる気配はない。

やはり技術よりもステータスの部分が大きいみたいだし、いくら技術を身につけようが、子ども以下の能力ではさほど変化はない。

NPを使って私の基礎能力を上げることもできるが、そんな無駄遣いはできないからね。

私が強くなるメリットはほぼ皆無だし、NPの使い道に困って仕方がないという場面でなければ、基礎能力を上げることにNPを費やすことはない。

そうなってくると、本格的に成長の見込みはなく、荷物持ちとしてダンジョン攻略に付き添うだけ。

一昨年、去年でダンジョンを十分味わえたことを考えると、攻略はみんなに任せて、私は別荘でお留守番するのがベストだと思うんだけど……。

「佐藤さん、ダンジョン攻略のパーティを決めませんか? 佐藤さんと組みたいという方が多数で、今ヘレナがみんなの窓口になっている状態なんです」

「なんで私がそんなに人気なんですかね? 足手まといでしかないですし、今年はここでお留守番も視野に入れていたんですが……」

「えっ!? 佐藤さん、ダンジョンに来ないんですか? なら、私も今年はお留守番を――」

「いえいえ、私と組みたいという方がいる限りは参加しますよ。いなければ、お留守番するのが得策だと思っただけです」

私の「お留守番」というワードに対し、ひどく悲しい表情を見せたシーラさん。

シーラさんはもともと戦闘職希望だし、冬のダンジョン攻略期間が唯一の戦闘を行える期間。

その機会を私の都合で奪うことはできない。

それに、シーラさん以外にも私とパーティを組みたいと言ってくれているみたいだしね。

理由はさっぱり分からないけれど、求めてくれるなら参加しないという、ノリの悪いことはしたくない。

「そういうことでしたか! 佐藤さんは単純に好かれていますし、サポートとして非常に優秀ですからね。私は皆さんが組みたがる理由がよく分かりますよ」

「そうなんですかね……? 自分ではさっぱりです。とりあえず、パーティ決めを行っちゃいましょうか。リビングで決めていいですよね?」

「いいと思います。それでは、私は皆さんを集めてきますね」

そう言うと、シーラさんは別荘から飛び出していった。

私はみんなの分のお茶を淹れて、集まるのを待つとしよう。

シーラさんが出ていってから数分後。

あっという間に、今回ダンジョン攻略に参加する人がリビングに集まった。

ちなみにだけど、今回はヤトさんが参加しない。

アシュロスさんは参加してくれるみたいだけど、何やらやることがあるらしい。

「お集まりいただき、ありがとうございます。今年のダンジョン攻略のパーティ決めを行いたいと思っているんですが……ルーアさんたちは一緒のパーティで攻略しますか?」

「いや、今年はバラバラで攻略するつもりでいる。未開のダンジョンを発見してから、ダンジョン自体は普段から潜っているからな。ダンジョン街のダンジョン攻略は目新しいパーティで臨みたい」

そういえば、国境付近で見つけた未開のダンジョンの攻略を行っていたっけ。

ダンジョン街は別パーティがいいということは、今回は本当にごちゃ混ぜで決めるのが面白いかもしれない。

私個人の希望を言うのであれば、安定しすぎているシーラさんとは組みたいけれど……。

この我儘すら通さず、くじ引きによって完全ランダムで決めたい。

「そういうことでしたら、今年のパーティはくじ引きで完全ランダムで決めませんか?」

「えっ!? 完全ランダムですか!? それでは私は佐藤さんと組めない可能性があるということでしょうか?」

「そういうことになりますね。ランダムの方が面白みがあるかなと思いました」

またしてもシーラさんが絶望の表情を浮かべた。

私と組みたがってくれているのは嬉しいけれど、くじ引きが一番公平な気がする。

本当はティア表を作り、戦力差が均等になるようにポット分けをしてからくじ引きしたいところだけど、時間がかかりすぎるため今年はなし。

来年は実力順に五組に分け、同じ組の人と同じパーティにならないようにくじ引きするのが良さそう。

「面白そうですし、僕は賛成です!」

「私も賛成だね。くじ引きでパーティ決めなんて、普通じゃ絶対にやらないからワクワクするよ」

「私もそれで構わない。ここにいない人たちのはどうするんだ?」

「いない方たちには申し訳ないですが、こちらで勝手にくじ引きしたいと思います。それでは、くじを作成しますね」

紙に番号を書き、同じ番号同士がパーティを組むという流れ。

ダンジョン攻略に参加する従魔たちにも引いてもらうため、従魔だけのパーティにはならないことを祈りながら……私たちはパーティ決めのくじ引きを行ったのだった。