軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第238話 進化祭り

続いて進化の兆しを見せたのは、ゴブリンたちだった。

スライムに次いで進化しやすい種族のため、進化自体にはあまり驚きはないし、変化もそれほど大きくはない。

若干身体が大きくなり、顔つきに違いが出てきたかな?という程度の変化で、進化先の名前の変更もできないことから、特段触れることもない。

このことを考えると、「ファイター」や「ソルジャー」といった安易な名前にしたことへの後悔が湧いてくるが……かといって個性的な名前にしても、名前と顔を一致させるのが難しかったから仕方ない。

「佐藤さん。もしかしてですが、ゴブリン部隊は全員進化したんですか?」

「多分ですが、今回は全員が進化しましたね。大きな変化はありませんが、徐々に知能も高くなっているので、その点は非常にありがたいです」

「シレイは言葉を覚えかけてましたもんね。今回の進化で、はっきりと喋れるようになったんじゃないでしょうか?」

「その可能性は高いと思います。もう冬に入りますし、ダンジョンへ向かう前に一度ゴブリン部隊の確認を行いたいですね」

シーラさんの言う通り、シレイは頭ひとつ抜けて賢くなっている。

今回の進化で言葉を話せるようになっている可能性は高いし、近々ゴブリン部隊の能力調査を行いたいと思う。

その次に進化の兆しを見せたのは、長いこと進化していなかったマッシュだった。

パラライズマタンゴになってからは、ライムの進化を見守るだけだったが、どうやら今回の魔力塊の摂取で進化できたようだ。

基本的な姿はマッシュのままだが、カサの部分の色が大きく変化している。

黄色がベースだった色が紫ベースになり、斑点の色も黄色や白、緑と、全体的にケミカルチックな印象になった。

毒々しさも増したことから、麻痺以外の胞子も使えるようになっていると思われるが、現段階では不明な点が多い。

ともかく、マッシュも無事進化できてよかった。

そして、スレッド、アッシュ、クイードも進化を遂げた中、大きな変化を見せたのはクロウだった。

クロウももう古参の部類に入り、長い間地味ながらも大活躍してくれていたクロウが、ここに来ての進化。

スレッドは鎧と顔立ちがかっこよくなり、アッシュは体の成長。

クイードは針の部分がより凶悪になり、いずれも正統進化といった感じだったが、クロウに関しては完全に別種の魔物になっている。

体は全長六メートルほどにまで大きくなり、羽は鉄のように硬質化。

そのぶん体重も増しているだろうし、飛べるのか心配になるが、翼自体がとんでもなく大きくなっている。

くちばしや爪も以前より鋭くなったように感じられ、とにかく見た目がかっこよくて強そうだ。

生半可な攻撃ではダメージも通らなそうであり、確実にムーンレイヴンとは別種の魔物になったと思う。

「クロウがすごいことになってますね。全身がカッチカチですよ」

「もうムーンレイヴンじゃないですよね? シーラさん、この見た目の魔物ってご存知ですか?」

「いや……見たことも聞いたこともないですね。新種の可能性が高いですし、佐藤さんが命名してもいいと思います」

「なら――種族名はカルビンレイヴンにします。クロウのまま呼ぶので、命名の意味はあまりないんですけどね」

言い過ぎかもしれないけど、硬そうな見た目から“カルビン”の名前をもらった。

呼び方は変わらないし、浸透もしないと思うけど、響きもいいし種族名としてはかっこいい。

いつかクロウの背中に乗って、どこかへ飛んで移動するのが私の密かな夢だったけど、今回の進化でそれは潰えてしまったのが少し残念。

人を乗せて飛ぶことはできるかもしれないが、あのカッチカチの体に乗ったら、怪我すること間違いなし。

専用の鞍を作れば可能性は残されているけれど……とても現実的ではない。

それに、クロウに負担を強いることになるため、私の空の旅は実質的に夢と消えてしまった。

「今回の進化ラッシュはすごかったですね。モージだけは進化ができずに残念そうでしたけど、見ていてとても楽しかったです」

「シーラさんと同じく、私も興奮しました。大量の魔力塊を送ってくれた蓮さんたちには、何かお礼をしないといけませんね」

「ですね。美味しいものをご馳走してあげましょう」

「ダンジョン街に行きますし、その時にいろいろプレゼントしましょうか」

蓮さんたちへのプレゼントは後々考えるとして、今回の進化ラッシュは実りがありすぎた。

これを見てしまうと、ミラグロスさんたちとの取引材料には魔力塊が最適なんじゃないかと思ってしまう。

とはいえ、鉱石類も捨てがたいし、ロッゾさんの返答次第かな。

今後も従魔は増やしていくだろうし、モージの進化もいつか見てみたい。

魔力塊の入手方法についても考えつつ、今は進化した従魔たちの姿を見て、しばしうっとりさせてもらおう。