軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第551話

コッピョ コッピョッピョ

コッピョ コッピョ

(「ヒゲママ おはよう」)

「ん……あ、コカちゃんおはよう」

コッピョ〜 と鳴きながら俺の足元にチョコチョコと小走りしてくる。そっと抱き抱えるとコカちゃん、ママですよ〜と頬擦りしてみた。無精髭じゃないからスリスリしても痛くないよね?

コッピョ ピヨピヨ

(「コカパパから つんつんしないの ならったよ」)

そう言いながら頭をグリグリと押し付けてくる。時々嘴を当ててくるけど、それってセーフな当て方なんだよね?

「コカちゃん、朝ご飯食べる?」

コッピョ〜

(「ごはん ごはん」)

コカちゃん独占は早起きの役得だ。少しだけ内容が変わった初期飼料を与える。スプーンで掬い少しだけ味見し、そのまま口元に持っていくと (「ぼく ひとりで たべれるよ」) と教えてくれた。少し前までスプーンで与えていた事を思うと成長が著しい。それなら好きに食べてもらおう。その隙に身支度を整えてしまえばいい。

コカちゃんを送っていく時にお詫びの差し入れを買っていこう。前世では定番の獅子屋の羊羹を携えて謝罪に行ったものだ。後は一疋屋のフルーツの缶詰とか。まぁコカコッコ相手だから持参するなら野菜か豆だな。いっそホタテの貝殻とかどうだろう?

そうこうするうちにアンディーとカトリーヌも起き出す。二頭は野菜と野草クッキーと水で朝ご飯。俺も軽く摘んでおく。

さて、オロール先生を誘って朝食にでも……と思っていた時にそれはやって来た。

ガシャーン 「新聞ーー!!」

ひいっっ!! その存在は分かっていてもいきなり空間を突き破って現れる新聞はメッチャ怖い。しかも分厚いぞ。年末特別号か? それとも休刊日の前の日の配達なのか?

仕方ない、さっさと確認しよう。どうせ内容はミケヲさんから “ 養子縁組のサイン、早く早く ” なのに決まってるんだから。

えー、なになに……えっ、これミケヲさんのお妃様達からも有るの? それでこんなに量があるのか。

「養子縁組、おめでとうございます。妃一同、心から祝福いたします

第一妃 メルティ」

「妹殿下にお祝い申し上げます

第二妃 キャンディ」

とまぁ、こんな感じだ。残り三人も内容にさほど違いはなかった。そして最後にミケヲさんからの手紙。相変わらずの日本語だ。

「おお、妹よ息災かね?

養子縁組のお陰で旗本の三男坊的な居候ポジションが回避されて吾輩、非常にホッとしているところだ。

五人の妃達も大喜びしているよ。義理でも兄妹なら婚姻も恋愛も不可な相手になるので不安要素が減り、尚且つミーシャは従名誉猫獣人なので頼れる便利屋キター状態だよ。マンモスらっぴっぴー!!

それでは次は身内として会おう。 ミケヲ」

マンモスらっぴっぴー!? それっていつの流行語だ!?

まぁ、そうだよね。いきなり髭の第六妃が現れて、(同郷だというだけで)部屋に入浸りされてミケヲさんを独占されたら嫉妬の炎も吹き荒れるわ。それこそトゥシューズに画鋲が入れられるやつだろ。

愛人は要らんけど便利屋は欲しいってか……。

そうだ、五人のお妃様達に何かしらプレゼントの一つも渡した方がよさそう。特に気の利いた物とか作れないし、下手な物を差し上げて気に入られないのも嫌だし……。そうだ、新年飾りだ。時期的に丁度いいじゃないか。基本、同じ作りにしておいて、飾り玉だけ色を変える。第一妃から順に、赤・青・黄・緑・桃の飾り玉にすればいいな。色でケンカにならない様にミケヲさんから 「これは一号から五号までの並び順の色です。色に貴賤はありません」 と伝えて貰えばトラブルも起こさないだろう。まぁ戦隊カラーよ、戦隊カラー。お妃様が増えて足りなくなったら銀とか白とか黒とかを足せばいいよね。面倒になったら全部赤にしてしまえば良いともいうしな。

今年は年末年始に『 暦休月(れききゅうづき) 』が挟まるから年末年始が十日長い。新年飾りを贈るのはご挨拶代わりに丁度いいだろう。

二年後の『 暦休月(れききゅうづき) 』にはオロール先生や従魔達と新築の家で一家団欒が出来ればいいなぁ……。どうせ飲んだくれてるだけだろうけどね。オロール先生はどうするんだろう?

(共)「それで、 櫓(やぐら) の梯子を外された訳か……。やはり偉様方のやり方は一味違うねぇ」

(共)「はい。やられました」

櫓(やぐら) の梯子を外すは前世でいうところの外堀を埋めるという意味だ。

(共)「それで署名はどうする?」

(共)「諦めました。アルチュールさんの飛行実験が終わったら記入したいと思います」

(共)「そうかい。改めて私が死ぬまで宜しく頼むよ」

(共)「はい。ボクのほうこそ宜しくお願いします」

(共)「今日は手習いはどうするつもりだい?」

(共)「コカちゃんを預けたあとに時間があれば少し縁かがり作業をしたいと思います」

(共)「これからドンドン 模様(モドコ) を教えていくからね。どうせ新居にはシーツやら手拭いやらが必要だろう? それこそ湯浴み着だって沢山要るよ。練習台には事欠かないねぇ」

(共)「あっ、はい。頑張ります」

(共)「 三毛皇(みけおう) 様のお妃様達にも手習い品をお渡しできるよ」

(共)「うわっ、オロール先生、ハードル上げないで下さい」

オロール先生は楽しそうに笑っているけど。手習い品なのに献上していいのか……と聞いてみたら、回収された手習い品は仕事をした見習いが知らないだけで、結構ヒト族貴族の上位爵位にも流れていっているのだとか。流石に王族クラスには流れていないけど。

(共)「ミーシャがコカちゃんを預けに行ってる間、私は校長先生にミーシャとの養子縁組の話を伝えておくよ」

あ、パイクお義祖父さまとリンド=バーグさんにも報告に行かないと駄目じゃないか。時間はギリギリ足りそうだから職校の戻り道に寄っていこうかな。