軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第532話

公衆トイレのチェック任務も請け、商業ギルドでケージの説明をしてからマツタケ山へ向かう。そこまで標高も高くないので初心者でも安心。多分、【 松見(マツケン) マンバ】も出ない……ハズだ。馬車組合でラパンに乗った。

「ラパン、今日は宜しくね。お願いがあるんだけど『 襷着る(タスキル) 』を掛けて欲しいんだ」

ヒヒーン

(「念話は会話に乗せて使える?」)

(「なっ、何とか」)

背中にアンディー。胸元にはカトリーヌの入ったスライムバッグを襷掛けする。

「アンディー、装備しているバトルピッケルに気を付けてね」

ムキュウ

(「わかたの」)

道中、二つのトイレを確認。チーウ=エーツさんの判断では少し痩せているそうなので乾燥牛糞と水を与えておいた。赤スライム、生きろ!!

ポニーに乗って移動すると酔うんだった。すっかり忘れていた。

「ごめんなさい、ボク、ちょっと休憩したいです」

「ミーシャちゃんは酔うタイプか」

「慣れてなくて……」

「はい、状態異常回復ポーション」

「チーウさん、ありがとうございます」

「ミーシャが飲んだ分、ホーク兄が飲めなくなるだけかな」

あ、二日酔い用のポーション!! 家族で常備してるんだな。

「買ってくれば良かったです」

「ミーシャちゃん、コカコッコの髭飾りは?」

「今日はコカちゃんに会わないので部屋に置いてきました」

「あちゃー、コカコッコの羽根は馬車酔いの軽減に効果的なんだよ。昨日は装備してたから大丈夫だと思ってたのに」

「その効能は知らなかったです」

「万全ではないけどね。でもけっこう効くって聞くよ」

「部屋に有るなら装備出来ないね」

「あれ、てっきりコカちゃんに親鶏の魔力を感知させる為に装備してるのかと思ってました」

「大丈夫、状態異常回復ポーションは何本か持ってるから」

「コカコッコの羽根って髭飾りに使った分しか無いんだよね?」

「はい……。どこかに欠片でも着いてれば別ですけど。あ、蹴爪なら持ってます」

「それは粉にしてから薬に加工して飲む素材だから」

「【 魔増(マゾ) 草】は効かないですよね?」

「ちょっと違うかな。魔力酔いには効くけど」

プープー プープー

「カトリーヌちゃん、どうかしたの?」

スライムバッグから身を乗り出したので抱き抱えて外に出すと、口から柑橘系の香り漂うスパイシーな煙を吐き出してくれた。アロマテラピーってやつか。

「これ、スッキリする」

「折角だから一服入れようか」

従魔には野草クッキーと飼い葉クッキー。アリサお姉ちゃんとチーウ=エーツさんはナッツ入りの堅パン。俺は食べるかどうか悩みに悩んで、結局、野草クッキーを口にした。くそっ、薬味園に馬車の酔い止めに効くハーブを探して植えてやるんだからな。

もう一回休憩を挟んで目的地に到着。本来ならポニーは樹に繋ぐものだけど、今回は繋がない。そこら辺の草を食べて待ってもらう事にした。一種の戦闘態勢って事ね。小型の魔獣や野生動物が出たら任意で戦ってもらう。そういう事なら移動に負担のかからない馬鎧を作ってあげるのもいいな。それこそ魔布に刺し子で何かしらを強化する効果のある模様を刺して。そうだ、強化石も装備させないと。

それだったらカトリーヌにも腹掛けを作ってあげられるな。魔力が無い練習用の腹掛けから始めようか。腹掛けと表現したら響きがイマイチ可哀想なので【手持ち豚】用のベスト、もしくはボレロって事で。いや、胴鎧か胴巻か?

時間は大体十一時頃。お昼前に一回キノコを探し、お昼ご飯を挟んでもう一回探す。近頃は日が沈むのも早いので三時前には山を降りる。

カトリーヌが迷子になったら困るので、手持ち用ハーネスにロープを装着。散歩用ハーネスは外れるのが怖いので滅多なことでは外れない手持ち用ハーネスを付けた。散歩用ハーネスと違ってちょっと歩き辛いみたいだけど、移動速度も移動距離も求めないので我慢してもらおう。それに手持ち用ハーネスだったらカトリーヌが疲れたときに手持ちして移動出来るしな。

プー プー

「今日の主役のカトリーヌです。カトリーヌ、良い匂いのするキノコを見つけたらボクに教えてね」

プキィ

尻尾を元気良く振って任せろアピールしてくれる。

(アタシに任せるっしょ)

カトリーヌ、是非ともマツタケさんと初顔会わせをさせて下さい。何卒宜しくお願いします。

「カトリーヌちゃん、トリル、トリルを探してね」

プキィ?

アリサお姉ちゃん、そこ、余計なお願いしないで!!

♪ビ〜バ

ビバ ビバ サンバ

マツタケサンバ〜 折れ!!

♪マツタケばかりが 茸(たけ) じゃない〜

♪マツタケ香る お吸い物〜

♪ジョージが来たなら 教えてよ

二時間 マツタケと〜

心のなかで鼻歌を。ミケヲさん曰く、流行りの歌は転生者バレの危険が有るから歌う時には気を付けるんだったな。早朝の体操の歌やスポーツのテーマソングも危険な事が分かったし。大型量販店や家電販売店の歌も危険だな。

プープー プープー

カトリーヌが松林に積もる落ち葉に鼻先を突っ込んだまま鳴いている。マツタケチャーンス!!

「見つけた?」

「今行きます!!」

プープー プープー

(変わった匂いするんですけどー)

「ミーシャちゃん、そんな時にトレー・シールドだよ。落ち葉を押しのけてもいいし、地面に伏せた時にキノコの向こう側に構えていいよ」

「はい、分かりました」

カトリーヌには脇に避けててもらいキノコを探す。落ち葉を退けても姿は見えず。あ…れ?

プープー プープー

(土の中だし)

「あれ? 無いの?」

プキィ

カトリーヌが 「ここっ!!」 と言いたげに鼻先を何となく盛り上がってみえる地面に付ける。あ、もしかして地面の中って事か?

手でそっと土を掘ると茶色い何かが姿を現す。そこに鑑定。

(鑑定)

タロール茸:前世の松茸。傘が開いていないので匂いは弱い。前世だと高く売れるが『ハポン=ヤポン』では低価値。

「カトリーヌ、お手柄だよ!!」

プープー プープ

(やったし)

ムキュウ ムキュウ

(「ぶたさん すごいの」)

やったねマツタケ、ゲットだぜ!!