軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第499話

それから暫くキノコ標本を観察した。鑑定併用で知識が貯まる。毒の有無が分かるのは大きいな。まして見た目に頼ると毒キノコを食用と見間違う事が多い訳で、採取前に鑑定をする事で安全に毒キノコか否かを見分ける事が出来るのは嬉しいな。まぁ、スキル頼りになり過ぎるのも危険な気もするけど、キノコは未鑑定で手に取っちゃ駄目な物の一つだと思うのよ。

松茸とトリュフは見つけたらカトリーヌに匂いを覚えてもらおう。そして将来的には松茸の味のお吸い物臭が部屋に漂う……と。果たしてそれは幸せな光景なのだろうか?

何にせよ松茸が採れたら上様にお吸い物を奉納だな。手元に米が無いので松茸の炊き込みご飯は無理です、ごめんなさい。

二の日だとラパンの経過観察も終わっているハズだ。コカちゃんを連れて行けないのは仕方ないけど、来年以降だったら連れて行ける。毒対策にコカコッコは有効だもんな。勿論、マンバ対策だ。

「さて、カーン兄が消えたね」

「ナオ=エーツさんの為とはいえ、大変ですよね」

「まぁ、ね。ところでミーシャは乳搾りに興味がある? 髭無し向けの牛の乳搾り体験が有るけど」

「興味あります。何時ですか?」

「直近だと明日の午前中。乳搾りの後に 無糖練乳(エバポー) 作りもさせられるけど」

「ボク、参加したいです。午前中ならカーン=エーツさんの講演会と重ならないし」

「カーン兄の講演聞くんだ」

「どんな事を語るのか興味有るじゃないですか」

「意外とマトモだよ。普段のアレからは想像出来ないよ」

俺、本当のところ乳搾りより無糖練乳に興味が有ります。甘い練乳って普及してないのか。そりゃ砂糖が高級品だしな。水飴効果でこれから普及するんだろう。

無糖練乳、普通に料理に使われていたよ。再生ポーション瓶に注いで封栓前に脱気処理したものは普通に売られている。牛乳と違って日持ちするし煮詰められているからコクもある。日持ちしない牛乳より日持ちする無糖練乳。料理には使うけど、お菓子や飲料には混ぜないのね。

甘い練乳を普及させたら、酸っぱいベリー類に掛けて食べるのが人気になるかな? いや、流行らせるならナメコゼリーの上にトッピングだな。

ナメコゼリーって動物性じゃないからエルフや従魔にも人気になるに決まってるじゃないか!!

{ ―― 何事もチャレンジよ! ―― }

レッ、レミ神!? 地母神レミの声がした!? これはナメコ頑張れというエール?

ラパンの様子を見に行くついでにワギュとラパンのレンタルをストップしておく。いつキノコ狩りに行くか分からないからね。いい機会なので山に向かって移動中に『 襷着る(タスキル) 』の練習もしてしまおうかな。

コカちゃんを迎えに行くには時間が早すぎるので冒険者ギルドにタロール茸採取に伴う護衛の指名依頼を出しに行った。

「あ、ミーシャちゃん」

「アリサお姉ちゃん、こんにちは。依頼のチェックですか?」

「それもあるけど、どちらかと言えば 戦斧(バトルアックス) の練習かな」

「そう言えば斧のタイプを変えたんですもんね」

「片刃斧も使い込んだらイイ感じかな。なかなか昔のクセが抜けないけどね」

「そうだ、アリサお姉ちゃんって十二の月の一週目って何か依頼を請けてましたか?」

「まだ請けてないよ。請けるとしても多分、 髭無し(幼ドワーフ) の補助かな」

「だったらボクの出す指名依頼を請けて下さい」

「ミーシャちゃんの?」

「はい。タロール茸を探しに行きたいので護衛して下さい」

「いいけど、何故またタロール茸?」

「実は……」

タロール茸を含む四大キノコをカトリーヌに探査をチャレンジさせる話を伝える。

「オッケー!! それなら私一人でも大丈夫かな? ミーシャちゃんが不安だったらチーウを呼ぶよ」

「身内のワガママですみません」

「いや、四大キノコの採取護衛任務は結構獲得ポイントが高いからね。 髭無し(幼ドワーフ) の護衛を五つ六つ熟したぐらいのポイントが貰えるからマジで有り難いです。どうせなら『地底 娘(こ) 』に出した事にしてメンバーの都合で私とチーウが付いて行った体にしようか」

「何か違うんですか?」

「パーティーに指名依頼が出た事にして、そこから二人派遣したって扱いにしたいかな。それならパーティーにポイントが入るんだ。個人ポイントは 髭無し(幼ドワーフ) 任務で稼げるからね」

「分かりました。貢献度ってやつですよね?」

「そうそう。ヒト族C級をキープするのも大変なのだ」

アリサお姉ちゃんがヒト族C級の冒険者ランクを意識するのは、護衛任務で越境を楽にする為だった。これ、エルフもしくはヒト族が一人入るだけで准B級パーティーになるからヒト族基準はたちが悪い。

「今はリンドに色々打ってもらって、それを使い潰して使い勝手を確認してるよ」

「強化石が無いけどいいんですか?」

「使い潰しするからエンチャントの単発掛けで代用してるよ。刃もそこまで付けなくていいし、リンドも楽しそうだよ」

「ボクも頑張りますので」

「慌てないでいいよ。リンドも強化石を取り付ける練習をしてるし。外せないから勿体ないしね」

「あの、強化石ってどうやって武器に取り付けるんですか?」

「金属部分はアクセサリーみたいに爪留めで押さえてるよ。『 着針(ちゃくしん) アリ』や『サダコ』で着けるかな。簡単に外せないから、取り外すなら強化石を破壊するのが手っ取り早いよ」

「『サダコ』?」

「『 定(・) めた位置に 固(・) 定』の略で『サダコ』。柄につけるなら『トミエ』だよ。これは『 留(・) めて み(・) せよう 柄(・) にも』の略だね」

強化石、ゲームみたいにサッと取り外して付け替えて……とはいかないんだな。そして『サダコ』に『トミエ』って、転生者臭バリバリな響きだ。絶対に何か関わり合いがあるに違いない。