軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第497話

タロール茸は松茸。各種資料に記載されているイラストがそれっぽかったから商業ギルドで魔導標本を見せてもらい、それを鑑定したら前世の松茸だと判明したからだ。

名前の由来は “ 労多くして功少なし ” から来ている。入手するのに苦労する割に食べても香りが強いだけであまり美味しくないから人気はイマイチ。それでも有名な理由は過去の転生者が神キノコと広めたから。

上様、つい地上に松茸を発現させちゃったんだな。元日本人としてはその気持ちは分かる。

四大キノコの残りも魔導標本になっていたので観察し鑑定してみたら、

(鑑定)

タロール:前世の松茸

ジロール:前世のジロール茸

トリル:前世のトリュフ茸

ポール:前世のポルチーニ茸

どれも前世で聞いたことがある……けど、残念ながら食べた事は無い。いや、ポルチーニはどこかのファミレスで一年だけリゾットが出てたか。食べた記憶は無い。トリュフはトリュフ塩ってのがかかったパスタを食べた事はあったか。そして名前は太郎、次郎じゃなかったんだな。

松林で見つかるって事は、 松見(まつけん) マンバに注意しろって事? 松茸持って踊り出したくねぇぞ。

それにもしかすると松茸を探しにいったら残り三つも見つかるかもしれない? 食べてもいいけど売ったら高いのかねぇ?

商業ギルドで納品が喜ばれるキノコは松茸以外の四大キノコの他は 鶏冠(トサカ) 茸か。意外だけどキノコ標本が沢山ある。見てて飽きないけどこんなに要る?

「それはほら、ぎょうさん置いておかんと毒キノコに当たるさかい」

「えっ? カーン=エーツさん?」

「嫌やわ〜、幽霊見たった顔せんといて」

「あ、お久しぶりです。儲かりまっか?」

「ボチボチでんなぁ。ミーシャはんのお陰で大変やけどね。おおきに」

「まさか四号収納棚が全部キノコ標本で占められているとは思いませんでした」

「キノコ標本を見るんやったら商業ギルドが一番やね」

「そうなんですね」

「鑑定持ちが観察しといたら次に該当するキノコを見た時に鑑定出来るやろ? 毒キノコ怖いですやん」

「確かにそうですね」

「ミーシャはん、キノコ採りに行くん?」

「はい。タロール茸を探しに行こうと思ってました」

「何でタロールやの。どうせ採るんやったらトリルにしときや」

「トリルですか?」

「あれな、ヒト族のお貴族様とエルフが高く 買(こ) うてくれるんよ」

「そうなんですね。見つけたら商業ギルドに納品しますよ」

ビックリしたぁ。カーン=エーツさん戻って来てたんだ。

「お忙しいんですよね? ここに居ていいんですか?」

「月末さかい、忙しいのに帰ってきたんよ」

「お疲れ様です」

「月末って言うか今日は十一の月の最終日やろ、ミーシャはんが何かやらかす可能性大やから戻ってきたんやけど……」

えーっ、俺のせいなの?

「まさかボクのせいだったとは」

「ホークに戻れ言われたしな。まぁ明日は講演会もあることやし、戻ってき来とかんとアカンね」

「それ、楽しみなんですよね」

「聞かんといて」

「なんでやねん」

「嫌なものは嫌なん!!」

はいはい、と誤魔化したけど聴講しに行くからね。覚悟しいや。

プープー プキィ

「ん? 可愛い子豚ちゃんやね」

「カトリーヌってカーン=エーツさんとは初めて会うんでした?」

「 会(お) うてへんね」

そうだ、ジョー=エーツさんのパパの名誉を守った報酬でカトリーヌをお迎えしたんだった。その時はカーン=エーツさんはナオ=エーツさんから遠ざける目的で大量の仕事を押し付けられて追いやられたんだったよ。

プープー プープー

「ん? おじちゃん良いモン持ってへんよ」

プープー プープー

尻尾をパタパタ振って何かをアピールするカトリーヌ。

「ラルフロ=レーンさんの臭いでもするんじゃないですか?」

「何でラルフロの臭いやの」

「カトリーヌってラルフロ=レーンさんから美味しい紅茶を飲ませてもらったんですよ。なので、その記憶が蘇ったんじゃないですか?」

「そんな理由ね。仕方ないやん。ラルフロとは打ち合わせで何度も顔合わせるさかいに」

「仕事以外でも仲良しなんですよね」

「話しやすいねん」

プープー プープー

「別嬪さんには……はい、飴ちゃん。確か従魔仕様に試作したのが有ったわ」

従魔仕様の【鉱夫飴】ですと!?

「従魔仕様ですか?」

「せや。出先で飴ちゃん渡したテイマーはんがね、従魔も食べられたら良いのに…って言うてん。せやから混ぜ込む粉を【 魔増(マゾ) 草】やったり野草やったり従魔仕様にしてみてん」

ムキュウ

(「ますたー ほちいの?」)

「ん? アンディーちゃんにもあげようか」

ムキュウムキュウ

(「あたち ほちいの ますたー ほちいの」)

「はい、どうぞ」

ムキュウ

(「ますたー あげるの」)

「えっ、アンディーありがとう」

「あちゃー、ミーシャはんも食べるん。まぁ作者は味見せなアカンか。改めてアンディーちゃんに、はいどうぞ」

ムキュウ!!

(「ありがと なの」)

従魔仕様の【鉱夫飴】を口に含む。人用よりも甘さ控えめで若干塩味。【 魔増(マゾ) 草】味のせいでこれ、塩抹茶飴にしか思えない。これ、美味いな。

「これ、美味しいですよ。坑内で魔力補給と塩分補給に丁度いいかもしれません。鉱夫だけでなく一緒に働く【加護の鳥】や【手持ち豚】にも与えられますよ」

「ミーシャはんもそう思うん?」

「これ、【鉱夫飴・テイマー仕様】って名前にして、テイマーだけでなく従魔と一緒に仕事をする人達に向けて売り出したらいいと思います。使役側が従魔と一緒に同じ物を食べたら、きっと仲良くなれますよ」

「ミーシャはんが言うんなら間違いないんやろうなぁ……」

プープー プープー

カトリーヌが尻尾をブンブン振ってる。もしかしてこの飴を嗅ぎ付けて反応してたとか?

「カトリーヌ、さっきはもしかしてこの飴を見つけてカーン=エーツさんにおねだりしてたの?」

プキィ

「だそうです」

「登録せなアカンか。ミーシャはん、派生商品でも権利料入るんって知ってたん?」

「知らないです」

「まぁええか。ほな奥でお仕事してくるわ」

カーン=エーツさん、俺もう少しテイマー仕様の飴が欲しかったんだけど!!