軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第377話

「それで【 血肉石(コルネリア) 】はここにありますか?」

「それが私は持って無くて……。商業ギルドに納品依頼を出そうかな」

「冒険者ギルドじゃなくてです?」

「【 血肉石(コルネリア) 】は猫の人や虎の人に人気があるから、そっちから買い付けするのが多分安いと思うよ」

「需要があるのに研磨用の原石が流通してないんですね」

「それは【 血肉石(コルネリア) 】は未研磨でも効果があるからだよ。指輪を着ける文化が無い種族だと未研磨の原石を簡単にブレスレットにしたりネックレスで使うほうが普通みたいだね。それに、よく落とすみたいだから下手に研磨したくないみたいだよ」

「そうなんですね」

「爪で攻撃するんなら指輪が有効だろうけど猫の人達には装備が難しいし」

「アリサまぁ待て。俺にアテがある。馬装具屋のジョンノ=レーンの所になら多分有る」

「四軒お隣さんの?」

「【 運魔(ウマ) 】用の装備に使うからな。一つ二つ売ってもらおう。それ以上はギルドに依頼だ」

リンド=バーグさんが言うには、馬用の装具や馬鎧に【 血肉石(コルネリア) 】はよく使われるとの事で、ジョンノ=レーンさんには多分手持ちの在庫が有る筈だから一つ二つ売ってもらおうとの事だった。

「馬装具屋さんなんですね。ワギュ達の装備を頼むことになるかもしれないので、ボクとしても仲良くしておきたいです」

「ジョンノ=レーンなら大丈夫だな」

従魔用の装備品を作る職人さんは偶にクセツヨ系がいるとのこと。良く言えば拘りのある職人、悪く言うとクセの強い職人だ。

晩ご飯前に【 血肉石(コルネリア) 】を交渉しに行こうという事になった。

「アンディーを連れて行っても大丈夫です?」

「大丈夫だ。寧ろ喜ばれると思うぞ」

ムキュウ

四軒隣の馬装具屋のジョンノ=レーンさんは気さくなオジサンだった。レーン氏族ってまさかラルフロ=レーンさんの親族とか?

「ジョンノ=レーン、いるか?」

「居ますよ。誰かと思えばリンド=バーグ。これまた珍しい。何用です?」

「単刀直入で聞く。そちらの工房に【 血肉石(コルネリア) 】の予備在庫はあるか? グレードは中の下でいい」

「何を藪から棒に」

「こんにちは。実は斧の強化用に使いたくて」

「そうでしたか。手持ちはピンキリでしてね。鐘割りレディ、ご自身で選ばれます?」

アリサお姉ちゃんの二つ名は “ 鐘割り ” で確定なのか。

「鐘割りは余計かな。在庫数が有るならミーシャちゃんと一緒に選ぼうかな。ミーシャちゃんに研磨を頼むからね」

「はじめまして、ボクはミーシャ=ニイトラックバーグです」

「ん? 君がラルフロの言ってた伸びしろ少女かな?」

「ラルフロ=レーンさんとご親族ですか?」

「親族だね。あれはクセの強い甥っ子だよ。ラルフロの父親が私の兄なんだ」

やっぱり親族関係があったよ。ラルフロ=レーンさんの叔父さんか。

「そうなんですね。ボク、ラルフロ=レーンさんから時々お仕事を貰っています」

「聞いてる聞いてる。青田買いしようとしたら躱されたってグチってきたよ。ついでに私にも手を出すなって吠えてたけどね」

「ボク、まだ誰かの専属とかは考えてないですし、技術もまだまだ磨かなきゃ…なので。ラルフロ=レーンさんにはごめんなさいとお伝え下さい」

「ラルフロはね悪い子ではないけどね、父親つまり私の兄に対して負けん気が強すぎてね……。まぁ私も家業を継いだ訳ではないからあの子の気持も分からなくはないよ」

「あ、最初の押しがインパクトあっただけで、仕事の依頼は普通ですから」

「振ったくせに変な仕事を持ち込む娘だって笑いながら言ってたよ」

「えっ!?」

「なので私もミーシャ=ニイトラックバーグには一度会ってみたかったんだよ。君、個人で【 運魔(ウマ) 】持ちなんだよね? しかも二頭」

流石に馬装具屋さんにはワギュとラパンを購入した情報は流れていた模様。

「はい。今は馬車組合に預けている形をとっています。依頼が合えば仕事に派遣しています」

「もしかして【 運魔(ウマ) 石(せき) 】を貰ったクチかな?」

え〜〜、そこまで情報流れてるのぉ? まぁそこまで漏れてるなら誤魔化しても仕方ないか。

「あ…はい。持ってます」

「君さえ嫌じゃなかったら私の【 運魔(ウマ) 石(せき) 】も見せるから見せ合いっこしない? 【 運魔(ウマ) 石(せき) 】持ちって中々いないんだよね」

あれ? 情報だだ漏れじゃなかった系? ただの【 運魔(ウマ) 石(せき) 】見たいオジサンだったとか?

「いいですよ」

「では……、ちょっと待ってね。その間に鐘割りレディに【 血肉石(コルネリア) 】を見ていてもらおう。他には要らない? 【 鯨縞石(オニクス) 】も併用するとかは?」

「えー、【 鯨縞石(オニクス) 】って防御力up系ですよね?」

「斧の反動を緩衝するのに使えるよ。馬だと脚回りに組み合わせて使うのが基本だね。他にも使える石は色々あるよ」

「【 鯨縞石(オニクス) 】は防具にしか試したことがなかったけど、それなら試してみたいかも」

「おいおい、アリサを煽らないでくれよ」

「でも複数セットだと 大(おお) 鍛冶師が大変なのか……」

あ…、やっぱりこの 人(ドワーフ) ラルフロ=レーンさんの親族だわ。同じ様な匂いがする。そして名前から想像するとカーネリアンとオニキスだよね。石英系って言うかカルセドニーとメノウじゃないか。つまり硬い!! 手研磨でギリギリ艷やかには出来るけど。久し振りだな……。最近はロードナイトに石灰岩と柔らかい系が多かったから気合いが入るぞ。